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特集

橋本大輝選手の写真

橋本大輝選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

2021年10月、北九州市で開幕 ―― オリンピックのレガシーを福岡県へ ――

技を極め、美しさを追い求めたメダリストたちが再び集結。東京2020オリンピックの閉会からおよそ2カ月、興奮冷めやらぬ中、オリンピック後初となる世界大会が北九州市で開催されます。世界体操と世界新体操が同時期に同一都市で開催されるのは史上初。
全世界の注目が“KITAKYUSHU”に集まります。

喜田純鈴選手の美しい演技写真

新体操はフープ、ボール、クラブ、リボンといった手具を使って、体の柔軟性を生かしたさまざまな演技で得点を競う。演技の難易度と出来栄えが得点となるが、音楽に合わせた選手たちの美しい演技に目を奪われるばかり
喜田純鈴(きた すみれ)選手/©Photo JGA

萱和磨選手のつり輪競技写真

腕力のみで体を静止させ演技をするつり輪は、力技からの回転、十字懸垂など一瞬で静止するバランスの美しさが見どころ
萱和磨(かや かずま)選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

橋本大輝選手のあん馬競技写真

両腕だけで体を支え、美しく脚を閉じた状態での旋回、リズミカルな開脚でのひねり技など、あん馬は高難度の技のオンパレード
橋本大輝選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

畠田瞳選手のゆか競技写真

ゆか競技は男女ともに行われるが、女子の場合は音楽をかけながら90秒以内の演技となる。技の難しさ、美しさと併せて演技構成も大きなポイント
畠田瞳(はたけだ ひとみ)選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

新体操フェアリージャパンPOLA5人の華麗な演技写真

新体操団体は近年、大きな進化を見せている。手具を使った技の難易度・連続性の美しさ、5人がシンクロする華麗な演技に目が離せない。前回大会では種目別で史上初の金メダル、東京2020オリンピックでは8位入賞の日本代表“フェアリージャパンPOLA”の活躍に期待/©Photo JGA

田中理恵さんインタビュー
スポーツを通して世界の方々に北九州市を発信する大きな機会です!

今秋、北九州市で開催される世界体操・世界新体操。大会組織委員会で委員を務める田中理恵さんに、開催の意義や大会の見どころを伺いました。

椅子に座り話す田中理恵さんの写真

田中 理恵(たなか りえ)さん/2021世界体操・世界新体操選手権北九州大会組織委員会委員/1987年和歌山県生まれ。長い手足を生かした美しい演技を持ち味として活躍し、ロッテルダム世界体操選手権(2010年)にて、日本女子初の『ロンジン・エレガンス賞』を受賞。2012年のロンドンオリンピックでは兄弟3人そろって体操日本代表として出場。現在は、さまざまなスポーツイベントやテレビ番組などで活躍中

オリンピックと同じ年、世界のトップ選手が北九州に集まります

田中 本当にすごいことですよ!

まず世界体操・世界新体操を受け入れてくださった北九州市に感謝いたします。きっと街の景色や環境に世界の方々が興味を持つと思いますし、スポーツを通して北九州市の魅力を世界に発信できる絶好の機会だと思います。今年はオリンピックイヤーで、選手がパフォーマンスを最高潮に上げる年です
東京オリンピックの勢いそのままに、再び頂点を目指す世界のトップ選手たちの最高のパフォーマンスに注目してください。

東京2020オリンピックの“体操日本”、活躍の印象をお聞かせください

田中 今回のオリンピックは歴史に無い無観客での開催で、モチベーションを保つ難しさがあったと思いますが、チームスタッフや関係者の声援が選手たちに力を与えたと思います。

男子団体は銀メダル。大きなプレッシャーの中、最高の演技ができた若い選手たちに強さを感じています。女子団体は5位という結果でメダルには惜しくも届きませんでしたが、4人は素晴らしい演技を見せてくれました。最終種目で力を出し切れて、高く評価されていたので安心して見ていられましたね。

世界体操の見どころは?

田中 今回の世界体操は、個人総合と種目別で競います。種目別の出場選手はその種目だけに集中して演技するので、各選手とも通常の演技構成より高い難易度の技を入れてきます。一瞬も目が離せない高難度の技のオンパレードは見逃せないですね。世界トップクラスの選手たちの演技も楽しみですが、日本選手たちの技や着地も十分世界に通用するレベルで目が離せません。

やはり注目は男子個人総合金メダルの橋本大輝(はしもとだいき)選手!女子は、私の母校、日本体育大学の後輩でもある村上茉愛(むらかみまい)選手ですね。

海外選手は中国やヨーロッパ勢、東京2020オリンピックでのメダリストたちの演技に注目です。

村上茉愛選手の床競技写真

田中さん注目の村上茉愛選手も出場予定。東京2020オリンピックに続く活躍に期待
写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

田中さん自身の体操という競技への思いを聞かせてください

田中 私自身6歳から体操を始め、日本の体操の代名詞ともいえる“美しい体操”を目指していました。今の日本代表が、より進化した“美しい体操”で世界を魅了してくれることを楽しみにしています。

世界新体操はどんなところに注目を?

田中 団体は音楽に合わせて全員が息ぴったりで、技や表現力も見せていかなければいけない競技なので、見ていて引き込まれると思います。どのチームも注目ですが、やはり日本代表“フェアリージャパンPOLA”ですね。世界選手権では何度もメダルを獲得していて、日本の強みでもある同時性やエネルギッシュな演技は見る人を魅了します。東京2020オリンピックでは8位という悔しい結果でしたが、その悔しさを糧にさらに成長してくると思います。

また、東京2020オリンピックではウズベキスタンやイタリアのチームが日本を意識した衣装を着用して話題となりました。そういった演技以外の部分も楽しみですね。

最後に北九州大会へのメッセージをお願いします

田中 今大会はSDGsの推進を掲げていて、日本の技術力や文化を世界に知ってもらうことができる、とても良い機会だと思います。ぜひ、皆さんと一緒に大会を盛り上げていきたいと思います。海外から参加した選手やスタッフの皆さんが北九州市、福岡県、そして日本を思い出して、また来たい!と思ってくれるような大会になるとうれしいですね。

そして今大会をきっかけに北九州市や地域の皆さんが、体操・新体操のことはもちろん、体を動かすことに興味を持ってもらえたら、私はとてもうれしいです!

世界体操・世界新体操 あらためてそれぞれのルールを チェックしてみましょう。

【体操】技の“難しさ”を表すDスコア(DIFFICULTY)と技の“美しさ”“正確さ”を表すEスコア(EXECUTION=実施・実行)を足した点数で競います。

個人総合

1人が全ての種目を行い、その合計点で優勝を争います。全ての種目をこなせる“オールラウンダー”の選手たちが集います。

種目別

鉄棒なら鉄棒、跳馬なら跳馬、という形で、1つの種目の点数で種目ごとの優勝を争うのが種目別。突出してその種目が得意な“スペシャリスト”たちのプライドをかけた戦いが繰り広げられます。

男子6種目のイラスト 女子4種目のイラスト
男子6種目のイラスト 女子4種目のイラスト
萱和磨選手のあん馬競技写真

萱和磨選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

畠田瞳選手の跳馬競技写真

畠田瞳選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

萱和磨選手の跳馬競技写真

萱和磨選手/写真:アフロスポーツ(Photo by AFLO SPORT)

【新体操】13メートル四方のフロアマットで手具を使い、音楽に合わせて演じながら、芸術性、美しさ、技術、スピード、柔軟性で競います。難度点(Dスコア:技の難度や行われた数)と、実施(Eスコア:演技の出来栄え)の2つの観点から採点します。※Dスコアは加点法、Eスコアは10点からの減点法

個人

フープ、ボール、クラブ、リボンの4種目を行います。演技時間は1分15秒~1分30秒。

団体

5人が同じ手具で行う演技と2つの手具を組み合わせて行う演技の2つの演技で競います。演技時間は2分15秒~2分30秒。

4種目のイラスト
4種目のイラスト

北九州で見たいATHLETE(アスリート)世界トップクラスの選手たちが北九州に集結!日本の注目選手をご紹介します。

新体操日本代表フェアリージャパンPOLAの写真

新体操日本代表

“フェアリージャパンPOLA”の愛称で親しまれる新体操日本代表選抜チーム。2019年世界新体操では団体総合で銀メダル、種目別のボールでは、団体史上初の金メダルを獲得/© Photo JGA

橋本大輝選手の写真

橋本大輝(はしもと だいき)

2019年世界体操に、白井健三以来2人目となる高校生で出場し大ブレイク。東京2020オリンピックでは、体操男子個人総合と種目別の鉄棒で金メダルを獲得。長い手足を生かした美しく安定感のある演技が魅力
写真:JGA/日本文化出版

村上茉愛選手の写真

村上茉愛(むらかみ まい)

2017年世界体操では種目別のゆかで日本女子63年ぶりの金メダルを獲得。東京2020オリンピックでは個人総合で日本歴代最高の5位、種目別のゆかでは銅メダルを獲得。オリンピックの体操で日本女子のメダルは前回の1964年東京大会(団体:銅)以来57年ぶり
写真:JGA/日本文化出版

米倉英信選手の写真

米倉英信(よねくら ひでのぶ)

跳馬のスペシャリスト。福岡で生まれ育ち、福岡大学出身。大学時代の2019年に伸身カサマツ2回半ひねりの新技に成功し「ヨネクラ」と自身の名が付く技が認定された。地元凱旋(がいせん)の今大会でメダル獲得を狙う
写真:JGA/日本文化出版

内村航平選手の写真

内村航平(うちむら こうへい)

個人総合でオリンピック2連覇・世界体操6連覇を成し遂げた体操界の“キング”。6種目へのこだわりを持ち取り組んできたが、けがの影響もあり昨年から鉄棒に専念。北九州市生まれ。「故郷で世界体操ができるのは、この上なく幸せ」と今大会への思いを語る
写真:JGA/日本文化出版

会場やテレビで、北九州市から始まる感動の瞬間を見届けましょう!

  • 世界体操ロゴマーク

    日程:2021年10月18日(月)~24日(日)
    会場:福岡県・北九州市 北九州市立総合体育館

  • 世界新体操ロゴマーク

    日程:2021年10月27日(水)~31日(日)
    会場:福岡県・北九州市 西日本総合展示場 新館

テレビ放送:テレビ朝日(日本)他、世界各国で放送予定

※新型コロナウイルスの感染状況によっては大会の中止や内容の変更がある場合があります。詳しくは、公式ホームページなどでご確認ください

【問い合わせ】:スポーツ局スポーツ企画課 電話:092-643-3349 ファクス:092-643-3408