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2020 秋号 AUTUMN 通巻600号 令和2年9月18日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

特集 伝統工芸世代

 

KOISHIWARAYAKI

小石原焼

暮らしを彩る、世界で一つの小石原焼を

 

 山に囲まれた東峰村で約350年にわたり生産されている小石原焼は、「飛び鉋(かんな)」や「刷毛目(はけめ)」などの技法を使ったシンプルで温かみある柄が特徴。毎日使っても飽きない「用(よう)の美(び)」を伝える日常生活品として愛されています。

 「鶴見窯(つるみがま)」の和田義弘(わだ よしひろ)さんは、幼い頃から父が作る小石原焼を見て育ち、伝統の技を継ぐため20歳で2代目に就任。今年で20年目を迎えます。「地元の土を使って、地元で焼くのが小石原焼。50軒近くある窯元が同じ土を使いながら、それぞれの風合いを表現します」と和田さん。

 ろくろを回しながら赤茶色の粘土に手を添えると、見る見る器の姿に。成形して半乾きの状態の器を再びろくろに乗せ、回しながら小さな金具を当てるとリズミカルに表面が削りとられ「飛び鉋」の模様が描かれます。和田さんは、「ドット柄の飛び鉋」もさらりと見せてくれました。白化粧土(しろけしょうど)をかけた器を回しながら刷毛で模様を描く「刷毛目」の技も鮮やか。「伝統の柄を大切にしながら、自分らしさをどう表現するか。誰も作っていない小石原焼を作りたい」。

 モダンなデザインが人気の「鶴見窯」。製作した小石原焼は、和食店だけでなくフランス料理店など多くの飲食店でも使用されています。また、作品を掲載したインスタグラムを見て、窯元に来てくれる人も多いといいます。「購入された人から『良かったです』と言っていただけるのが一番うれしい。その喜びを感じながら新しいアレンジに挑戦し続けたいと思います」。

 毎年、春と秋に東峰村で開催され、窯元巡りなどで多くの人がにぎわう「民陶むら祭」。今年5月は残念ながら中止となり、オンラインでの開催となりました。10月にもオンライン開催を検討中とのことです。

ワインカップの写真

マットな感じに仕上げたワインカップ

「飛び鉋」作業の様子

「飛び鉋」はリズミカルに

「刷毛目」作業の様子

白化粧土をかけた器に刷毛で模様を描く「刷毛目」

小石原焼作品の写真1 小石原焼作品の写真2 制作の様子
「鶴見窯(つるみがま)」の和田義弘(わだ よしひろ)さんの写真

鶴見窯
所在地 東峰村小石原鼓2443
電話・ファクス0946-74-2552