福岡県では、太陽光、水力、バイオマス、風力など地域資源や特性を生かした「再生可能エネルギー」の普及促進に取り組んでいます。
5月1、2日、北九州市で「G7北九州エネルギー大臣会合」が開催され、先進主要7カ国から閣僚などが出席しました。会合では、エネルギー投資の促進、エネルギー安全保障の強化、持続可能なエネルギーについて、議論を深め、共同声明「北九州イニシアティブ」が採択されました。
G7北九州エネルギー大臣会合のレセプション
また、本会合の開催にあわせて、小川知事は、各国代表などに「北九州水素タウン」などの県のエネルギー分野における先進的な取り組みをPRしました。
先進的な県の取り組みをPR
資源が枯渇せず繰り返し使え、発電時や熱利用時に二酸化炭素をほとんど排出しない優れたエネルギーのこと
県では、平成24年度から市町村などが行う再生可能エネルギーを活用したエネルギー地産地消モデルの構築に対して支援を行っています。
特産の野菜や果物を求めて、連日多くの人が訪れる農産物直売所「三連水車の里あさくら」。南向きの大きな屋根いっぱいに、太陽光パネルが設置されています。「エネルギーの地産地消を目指して、平成25年に朝倉市が太陽光発電設備を導入しました」と語るのは館長の櫻木和弘(さくらぎ かずひろ)さん。年間約5万4000キロワットアワーを発電し、駐車場に設置した電気自動車充電スタンドや施設内で使う電力を賄っています。「今後は電気自動車を活用して、高齢の出荷者への集荷作業に役立てていければ」と意欲的な櫻木さん。まちの拠点でもある同施設で生み出される再生可能エネルギーは、災害時の非常用電源としての活用も期待できます。
太陽光発電について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです
農産物直売所
三連水車の里あさくら
日当たりの良さを生かして屋根に192枚の太陽光パネルを設置。家庭10世帯分に相当する電力を発電中
利用促進をはかるため、電気自動車の充電は無料。買い物をしている間に充電ができると好評
糸島市南部にある「白糸の滝」は、夏になると涼を求める人でにぎわう人気スポット。夏以外の季節にも観光客を呼び込もうと、九州大学と糸島市、白糸地区の皆さんが連携し、地域づくりの一環として小水力発電プロジェクトに取り組んでいます。まず平成23年度に水車を使った発電機を実験的に製作。翌24年度からは滝の水を利用した小水力発電機2基を設置し、電力の一部を「白糸の滝ふれあいの里」の売店や食事処で利用し、残りを売電しています。
「現在、白糸地区に新たな小水力発電所を整備する民間のプロジェクトが進行中です」と、糸島市生活環境課の中島潤一(なかしま じゅんいち)さん。「白糸の滝周辺をエネルギーについて楽しく学べるエコパークとして整備すれば、夏場以外でもここを訪れていただけるようになります。まちの持続的な発展を目指して、環境にやさしい地域づくりをさらに進めていきます」。
県内の小水力発電の先進地区として、誇りを持って取り組んでいます
糸島市生活環境課
小水力発電所には最大出力5キロワットアワー・最大出力10キロワットアワーの2基の水車を設置。平成27年度は7万5907キロワットアワーを発電
県の名勝にも指定されている「白糸の滝」。白い糸を幾重にも束ねたような繊細な美しさが見どころ
山の地形を生かし、滝の下流に取水口を設置。発電機までの30メートルの落差を利用して発電が行われる
大木町では、従来、焼却処理していた生ごみや海洋投棄処理をしていた浄化槽汚泥・し尿を、発電用のエネルギー資源として、おおき循環センター「くるるん」で利活用しています。また、発電後に生じた液肥を有機肥料として町内で使用しています。
菌の働きで有機物を分解してメタンガスを作る発酵槽
発酵してできたガスをエネルギー源として発電するバイオガス発電機
北九州市では、北九州市エコタウンセンターに設置しているSHS(スマート水素ステーション)へ太陽光発電(11キロワット)と風力発電(5キロワット)を導入し、CO2フリーとなる燃料電池自動車用の水素製造の実証を進めています。
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