本文へ移動

特別対談 ラグビー選手/日本代表 福岡 堅樹さん × 福岡県知事 小川 洋

 福岡県では、「スポーツ立県福岡」を目指し、子どもたちに夢や希望を与え、皆を一つにするスポーツの力と、それがもたらす経済の活性化や国際交流の推進などの効果を最大限活用して、福岡県をより元気にする取り組みを進めています。
 今年秋、ラグビーワールドカップ2019™日本大会がアジアで初めて開催され、福岡県も全国12会場の一つに選ばれています。
 ラグビーワールドカップへの関心が高まる中、小川知事は福岡県出身でラグビー日本代表として活躍する福岡堅樹選手と対談し、ラグビーの魅力や見どころ、そして大会に懸ける思いについて語り合いました。

福岡 堅樹さん

ラグビー選手/日本代表
福岡 堅樹(ふくおか けんき)
平成4年生まれ、古賀市出身。5歳からラグビーを始め、福岡高校3年時に全国高校ラグビーフットボール大会に出場。筑波大学2年時に日本代表に初選出され、その後世界屈指のスピードを誇る日本代表のトライゲッターとして活躍し続けている。

小川  洋

福岡県知事
小川 洋(おがわ ひろし)
昭和24年生まれ、福岡市出身。京都大学法学部卒業。昭和48年に通商産業省(現 経済産業省)に入省。産業技術環境局長、特許庁長官、内閣広報官を歴任。平成23年4月に福岡県知事就任。現在2期目。

いろいろなタイプの選手が一つになってプレー~ラグビーの魅力~

知事:ラグビーワールドカップ2019™日本大会の開催まで、いよいよあと8カ月余りとなりました。開催都市の一つとして、ぜひ成功させたいと考えています。福岡県が誇る福岡選手には、昨年の海外代表チームとの試合で、足の速さと頭脳プレーを武器にしたキレのある動きで攻守共に活躍される姿を何度も見させていただきました。本番での活躍を、本当に楽しみにしています。
福岡堅樹さん(以下、福岡):ありがとうございます。皆さんの期待に応えられるよう精いっぱい頑張りたいと思います。日本代表には、私以外にも山田選手や布巻選手、流選手など福岡県出身の選手がいて心強いです。同郷の選手と喋ると、つい博多弁が出ますよ(笑)。
知事:それはうれしいですね。福岡選手にとってラグビーの魅力とは何でしょう?
福岡:それは、足が速い、遅い、背が高い、低い、身体が大きい、小さいなどいろいろなタイプの選手がいますが、それぞれの人に向いた役割があって、全員が一つになってプレーできることだと思います。
知事:私も同感です。一人一人がチームのために全力を出し切り、次の選手にボールをつないでいく、そしてチーム全体が前に進みトライに向かっていく、“One for all ,All for one”、そこにラグビーの魅力があると思います。

世界トップレベルのスピードと迫力を間近で体感

知事:福岡県では、世界ランキング2位のアイルランド、8位のフランスなど強豪国の3試合が開催されます。会場である東平尾公園の「博多の森球技場」は、グラウンドと観客席が近いので、世界最高峰の試合をスピードや迫力を間近で感じながらここ福岡県で直接見ることができます。我々に、大きな感動をもたらしてくれることでしょう。またとない機会ですので、ぜひ、県民の皆さんに会場に足を運んでいただきたいと思います。
福岡:そうですね、世界トップレベル選手の相手を抜き去ってのトライシーンや頭脳プレー、仲間との信頼から生まれるパスワークや激しいぶつかり合いなど、ラグビーの醍醐味(だいごみ)を体感できると思います。

ラグビーの将来を担う子どもたちへ

知事:福岡選手のラグビーの原点についてお聞きしたいのですが、始めたきっかけや思い出があれば教えてください。
福岡:父がラグビーをしていたので、息子にもさせたいという思いがあったみたいです。きっかけは、私が5歳の時、ラグビー場に連れていかれたことです。ラグビー場のすぐ近くに海があり、練習が終わると海で遊んでアイスを買ってもらうのが楽しみでした。今思えば、アイスに釣られていたのかもしれません(笑)。
知事:お父さんの作戦勝ちですね(笑)。昨年11月に大会公式スポンサーの企業からタグラグビー用のボールを1500個寄付していただきました。県内の全小学校に配ってタグラグビー教室などで活用しています。
福岡:それは、いいですね!子どもの頃からラグビーボールに触れる機会があるのは、素晴らしいことだと思います。全員が一つになってプレーするラグビーは、協調性も身に付きます。そのことは社会に出た時に実感できると思うので、多くの子どもたちにラグビーに興味を持ってもらいたいですね。福岡県はラグビースクールも多く、トップクラスの選手が大勢いるので、とても恵まれた環境だと思います。
知事:どのように練習に励むと福岡選手のように強くなれるのか、ラグビーの将来を担う子どもたちにアドバイスをお願いします。
福岡:ダラダラと練習するのではなく、“いまの練習が何のためか”をまず考えて、“その練習を試合でどう生かすのか”シチュエーションを思い浮かべて、一つ一つ考えながら取り組むことが大切だと思います。そして、ラグビーは楽しみながらやってほしいですね。自分自身も好きだったからこそ今まで続けてこられたのだと思います。本気で打ち込んで勝つ喜びを知り、もっともっとラグビーを好きになってほしいですね。
知事:やはり、上達するカギは、成功体験と自分自身が楽しむことですね。福岡県では出場チームのキャンプ地誘致にも取り組んでおり、これまでに福岡県・福岡市、北九州市、春日市が公認チームキャンプ地として決まっています。選手の皆さんが練習に打ち込める環境を整えることはもちろんですが、子どもたちが世界トップレベルの姿に接することで、ラグビーが好きになり、夢や希望を持ってくれたらと願っています。そして、これをラグビー人口の裾野の拡大、競技力の向上につなげるとともに、福岡県、日本、そしてアジアでラグビーを普及させるきっかけにしたいと思います。

大会までの残された一日一日を大切に

知事:では最後に、福岡選手のラグビーワールドカップ2019™への意気込みをお聞かせください。
福岡:ラグビーワールドカップ2019™は15人制ラグビーの集大成だと思っているので、そこで結果を出したいです。“ベストパフォーマンスをするために、いま何ができるのか”を常に考えながら、大会までの残された一日一日を大切にしていきたいと思っています。
知事:9月の開催が待ち遠しいですね!
我々もこれから開催準備をさらに加速して、関係者の皆さんとしっかりスクラムを組み、会場だけでなく地域全体をラグビー一色にして、盛り上げていきます。そして、国内外からの誘客と周遊などにつなげていくとともに、この大会の成功を今後の国際スポーツイベントの誘致や運営に生かしていきたいと考えています。
福岡選手の活躍を大いに期待しています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

※世界ランキングは2018年11月現在

集合写真