
福岡県タレント発掘事業の修了生で事業21年目にして初のメダル獲得という快挙を成し遂げた福島選手と髙嶋選手に、事業に参加したきっかけや今後の目標を語っていただきました。

福岡県タレント発掘事業について

知事:女子サーブル初のメダル獲得、おめでとうございます。まずは、福岡県タレント発掘事業に参加したきっかけを教えてください。
福島:体を動かすことが好きで、小学4年生のときに担任の先生から勧められ、参加してみたいと思ったのがきっかけです。
髙嶋:私も小学4年生の担任の先生に選考会への応募を勧められました。県がこのような事業を行っていることは知らなかったので本当に感謝しています。
知事:参加して良かったと思うことは何でしょうか?
福島:それまで経験したことのないスポーツにチャレンジできました。1つの競技を3カ月経験して最後に試合も行うのですが、私は負けず嫌いだったので、どうしたらうまくなれるかを考えることが楽しかったです。もともと陸上をしていましたが、「フェンシングに向いている」と言われ、高校のときに転向しました。
髙嶋:さまざまなスポーツに触れてフェンシングの適性を見いだしていただき、自分に自信を持つことができました。小学生の頃から夢だったオリンピック選手を目指して、中学校からは東京のJOCエリートアカデミーに所属してフェンシングに専念しました。

福岡県タレント発掘事業とは?
子どもたちの才能を見つけ、育てるとともに個々に合った競技を探し、世界で活躍できるアスリートを育成するプログラム。平成16年度に開始し、今年度で21年目となり、これまでに8人がオリンピックに出場。

オリンピックへの思い

知事:お二人の適性を見出せたことが、オリンピック出場に結びついたのですね。福島選手は2回目でキャプテンとして、髙嶋選手は初出場でしたが、いかがでしたか?
福島:キャプテンとして少しでもチームの雰囲気が良くなればと積極的に声掛けをしていました。試合では勝ち負けを意識せず、目の前の一本、自分の動きだけに集中しました。苦しい試合が続きましたが、メダルを獲得した瞬間は、最後まで一緒に頑張ったチームのメンバーに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
髙嶋:東京オリンピックの代表入りをあと一歩のところで逃したので、パリの代表に選ばれてからは、メダル獲得を目標に人一倍練習に励みました。試合本番は、特別な舞台でプレーできる喜びを楽しもうという思いで臨みました。メダルを獲得した瞬間は、うれしい気持ちとほっとする気持ちであふれていました。

福岡県の若い世代の皆さんへ
知事:最後に、お二人のこれからの目標や若い方々に向けた応援メッセージをお願いします。
福島:フェンシングはまだまだ体験できる場所が少ないので、福岡県で体験できる機会をもっと増やしていけたらと思っています。若者の皆さんには、結果を意識しすぎないように、そしてどんな結果になろうと努力し続けたことは今後の自信につながるということを伝えたいです。
髙嶋:将来は福岡に戻り、地元の子どもたちがスポーツを楽しめるような環境づくりに貢献したいと考えています。若者の皆さん、自分を変えられるのは自分だけです。夢に向かって日々の積み重ねを大切にして最後まで頑張ってください!
知事:若者たちの未来につながるメッセージをありがとうございました。これからのご活躍をお祈りします。

福岡の車いすラグビーチーム「Fukuoka DANDELION(福岡ダンデライオン)」からパリパラリンピックに出場し、念願の金メダルを獲得した乗松選手と草場選手に、競技への思いなどを語っていただきました。

車いすラグビーを始めたきっかけ
知事:5戦全勝という素晴らしい成績で悲願の金メダル獲得、おめでとうございます。見事なご活躍でした。お二人が車いすラグビーを始めたきっかけは?
乗松:もともと16歳のときに車いすバスケを始めて、23歳のときに沖縄の車いすラグビーチームに誘われて転向しました。その後、福岡にFukuoka DANDELIONが誕生し、数年後に移籍しました。幸いバスケで培った技術はラグビーにも応用できたので、すぐに強化選手に選ばれました。
草場:私も初めは車いすバスケをしていましたが、車いすラグビーの乗松選手が自分と同じ障がいを抱えながら世界の舞台で活躍していると知り、憧れもあって転向しました。外出するきっかけが少なかったので、パラスポーツに出会えて生活に張りが出ました。本当に良かったです。
パラリンピックへの思い


知事:乗松選手にとっては3度目、草場選手にとっては初めてのパラリンピックでしたが、出場された感想は?
乗松:2大会連続の銅メダルでしたので、「3度目の正直」になるのか「2度あることは3度ある」になるのか、2大会経験しているからこそのプレッシャーがありましたが、絶対に金メダルを取る、という強い気持ちで臨みました。一方、草場選手は全然緊張していなくて、歌とか歌っていて(笑)。これなら大丈夫だな、と逆にリラックスさせられました。
草場:緊張しなかったわけではないのですが、一緒に戦ってきた仲間がたくさんいたので、コートに出ても一人じゃない、自分のできることを一生懸命やろうという気持ちで試合に臨みました。
乗松:私は車いすラグビーを始めたときからチームプレーの楽しさと難しさについてずっと考えていました。「個々の考えの違いを全部受け入れ、そしていい面を見つけよう」という自分なりの答えを実行し続けた結果、金メダルにつながったと思っています。日常においても、嫌なことがあってもすぐにその側面にあるいいことを考えることが習慣化されました。


福岡県とパラスポーツ
知事:スポーツにとどまらず、人としての生き方を教えていただいた思いがします。最後に、お二人のこれからの目標や県民の皆さんへのメッセージをお願いします。
乗松:福岡に車いすラグビーのチームがあることは誇りです。「日本で車いすラグビーと言えば、Fukuoka DANDELION」と言われるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。
草場:たくさんの方にサポートしていただいています。これからも応援してくださる方への感謝の気持ちを忘れず、私生活でも競技でも、人とのつながりを大切にしていきたいと思います。
知事:ありがとうございます。県では「F-STAR」でパラアスリートの発掘・育成に力を注いでいます。こうした取り組みを通じて、障がいの有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる環境をつくり、インクルーシブな共生社会を実現したいと思います。お二人には今後も日本を代表するトップアスリートとしてのご活躍を期待しています。
F-STAR(パラスポーツタレント発掘事業)とは?
パラスポーツの優れた素質や潜在的な能力を持つ人材を見つけ育成するプログラム。本県から世界で活躍するパラアスリートを輩出することを目指している。
