全国各地で栽培されているぶどうの王様「巨峰」。実は、その栽培に全国で初めて成功したのは、久留米市田主丸町であることをご存じですか?
巨峰は、民間のぶどう学者大井上康(おおいのうえやすし)氏が静岡県で開発し、その門下生だった越智通重(おちみちしげ)氏が田主丸の土壌に適性を見いだし、1957年から栽培を始めました。しかし、開植当初は、運搬中に実が落ちやすく、傷みやすいため、市場から相手にされず販路を広げるのに苦労しました。
「もぎたてを食べたら感動するのに・・・」。そこで思い付いたのが、試食をし、巨峰をお土産として持ち帰る「ぶどう狩り」。人々は粒の大きさと甘さに驚き、連日観光客が押し寄せ、田主丸は全国有数の巨峰の名産地となりました。
現在、田主丸では38の園でぶどう狩りができます。入場無料、試食ありなど当初のルールを続けている農家が多く、摘み取った分は購入し、持ち帰りできます。ぶどう狩りのシーズンになると「子どもの頃にもぎたての巨峰を食べた感動が忘れられない」と毎年笑顔で訪れる家族連れの姿も。
「耳納(みのう)連山の雄大な風景の中で、ぶどう狩りはもちろん巨峰ラムネや巨峰ソルベなども楽しんでくださいね」と語るのは、田主丸巨峰会会長の倉富さん。近年は、新鮮なまま直送する通販も人気です。
「越智先生の頌徳碑(しょうとくひ)」
希望をつないだ巨峰
問い合わせ:ぶどう狩り案内所(8月10日~9月下旬)
☎・ファクス0943-72-1208