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Fukuoka Pride Food
おいしい誇りを食卓に

ご飯の上にのせたあかもくと、あかもくのスープの写真

北九州の美しい海で育つ 栄養豊富な海の幸

「岩屋あかもく」が採れるのは、玄海国定公園内に位置する北九州市若松区の美しい海。3月から5月にかけて、岩場に育つアカモクが数メートルの長さに成長したタイミングで漁に出ます。

消費者に安心しておいしく食べてもらうために、丁寧に収穫から加工までを行っているのは、ひびき灘漁業協同組合岩屋支所あかもく部会の皆さん。アカモクを素潜りで収穫し、食用となる枝葉を一本一本水洗いしながらはさみで硬い茎から切り離します。その後、海水2:真水1の割合で90℃に沸かした熱湯の釜に入れて約2分。水揚げされたばかりの新鮮なアカモクは赤茶色ですが、熱湯に通すと鮮やかな緑色へ変色し、一気に粘り気が出てきます。湯通ししたアカモクを真水で洗った後、機械を使ってミンチ状にし、粘り気いっぱいの状態にしたものを容器に入れて完成です。

「急速冷凍したものは年中味わえますが、春先だけ味わえる生のアカモクは風味が格別。この時期限定で、パック詰めしたものを近隣スーパーで販売しています」と部会長の林元子(はやしもとこ)さん。その他にも、フリーズドライ加工されたみそ汁やスープは、季節を問わず福岡県漁業協同組合連合会の直売所や道の駅などに並べられ、健康食品としても人気を集めています。

  • あかもく漁の写真

    春の陽光が差し込む美しい岩場で育つアカモク。資源保護のために、漁では上から3分の1の部分を切り取り収穫する

  • 5人であかもくのゴミ除去中の写真

    海藻に付着した小エビやごみを真水で水洗いして除去

  • 熱湯に通したあかもくの写真

    熱湯に通すと、すぐに鮮やかな緑色に

  • あかもくを容器に詰めている写真

    手作業で容器詰めまで行う

早わかり【アカモク】[特徴]ワカメやコンブと同様に褐藻(かっそう)類に属する海藻の一種。生命力が強く、粘り成分のフコイダンが豊富。食物繊維や天然のミネラル、カルシウムなど体に良い成分も多く、低カロリー。臭みがなくさっぱりしておりモチモチとした食感。[食べ方]ポン酢をかけて食べても、みそ汁やうどんなどにトッピングしてもおいしい。冷ややっこや納豆とも相性抜群。