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グラフふくおか夏号ロゴ

2020 夏号 SUMMER 通巻599号 令和2年6月19日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

おいしい誇りを食卓に Fukuoka Pride Food 福食

File.01

福岡の八女茶

福岡県で生産されるお茶は「福岡の八女茶」と呼ばれ、全国有数の高級茶として知られています。八女茶の発祥から、600年を迎えることを契機に、ブランド力を強化するロゴマークが誕生しました。

図版:「福岡の八女茶」ロゴマーク

「福岡の八女茶」ロゴマーク

八女茶本来の色である「黄金色(こがねいろ)」を中心に、左右に八女地域の歴史的建造物のべんがら壁にも見られる「弁柄色(べんがらいろ)」、上下に千年の後も変わらない不変の意味を示す「千歳緑(ちとせみどり)」、四隅に矢部川の清流を意味する「青色」を配置して、「歴史と伝統」、「品質の高さ」を表現している

のどかな丘陵地に広がる緑色のしま模様が映える様子

八女中央大茶園

 

福岡が誇る「八女伝統本玉露」

 のどかな丘陵地に広がる緑色のしま模様。八女中央大茶園は、特に早春から初夏にかけて美しい姿を見せてくれます。八女地域は、昼と夜の温度差が大きく霧が発生しやすいため、茶の栽培に適しています。肥沃な土壌にも恵まれて全国に誇る茶の産地となりました。

 一番茶は4月中旬から5月中旬に、二番茶は6月上旬から7月中旬に摘み取ります。大きくしっかりした枝葉にするため、八女では、ほとんどの茶園が二番茶までしか摘み取りません。八女茶の中でも最高級ブランドである「八女伝統本玉露」は、自然仕立てで栽培し、摘み取り前には稲わらで編んだ「すまき」などで16日以上被覆します。玉露の被覆では通常化学繊維のネットが使われることが多い中、「八女伝統本玉露」は稲わらを使用し、日光を適度に遮ることで甘みを最大限引き出しています。また、一つ一つ丁寧に手摘みするなど、昔ながらの生産方法を続けています。量より質を大切にするお茶づくりは、全国茶品評会で高く評価され、農林水産大臣賞や産地賞を数多く受賞しています。

 甘くてコクがあり、うま味が強いのが「福岡の八女茶」の特長です。「香り・艶(つや)・形状・水色(すいしょく)・滋味(じみ)。5つのバランスが整う八女茶のおいしさを楽しんでほしい」と、理事長の吉泉正幸さん。

 平成27年には、地域で育まれた特産物を国が保護する「地理的表示(GI)保護制度」に茶で初めて登録されました。茶生産者や茶商などの関係団体が一体となり作成した、「福岡の八女茶」ロゴマークを活用し、八女茶ブランドをさらに高めていきます。

お茶を注ぐ様子

70℃ほどのお湯で淹(い)れると甘みが増した柔らかいおいしさに

 
茶葉の処理工程の様子

手の平に広げた茶葉の写真

摘み取られた生葉は、「蒸し→揉(も)み→乾燥」の工程を経て荒茶となる

理事長 吉泉正幸(よしいずみ まさゆき)さんの写真

福岡県茶商工業協同組合
理事長 吉泉正幸(よしいずみ まさゆき)さん