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グラフふくおか 2015夏号 summer 通巻579号平成27年6月20日発行(季刊) 発行 福岡県 県民情報広報課

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きらめきマイタウン −嘉麻市

トロッコフェスタ実行委員会
写真:汽笛を鳴らしながら元気に走るトロッコ

ポーポー…汽笛を鳴らしながら元気に走るトロッコ

田園風景のなか、風を切り走るトロッコ列車

 景観美化と町おこしを目的に、地元有志によって平成8年10月に始まった「トロッコフェスタ in YAMADA」。昭和63年に廃線となった旧上山田線を活用し、手づくりのトロッコ列車で往復約2qの旅が楽しめる全国でも珍しいイベントです。
 ファミリー層や鉄道ファンの心をつかみ、平成22年からは春と秋の年2回の開催に。昨年10月には約800人が来場し、トロッコ列車を楽しみました。
 「乗車するとまず、『風が気持ちいい』と子どもたちの声が弾みます。枕木の交換や列車の維持管理は大変ですが、リピーターや遠方からの鉄道ファンも増えていますから、存続させていきたいですね」と話すのは、「トロッコフェスタ実行委員会」会長の谷川正守(まさもり)さん。
 訪れる人の笑顔を励みに、この町ならではの貴重な催しを会員皆で今後も盛り上げていきます。
写真:トロッコフェスタ実行委員会の皆さん写真:線路整備の様子

(1)現在24人の会員が活動中。写真下段右端が会長の谷川正守さん (2)「トロッコフェスタ in YAMADA」の開催前には徹底した線路整備が行われる

遠賀川源流サケの会
写真:稚魚の放流の様子

稚魚の放流の様子。ボランティア団体など、約2000人が参加

遠賀川のシンボル・鮭の放流で心を育てる

 昭和60年に始まった鮭の放流活動を存続させていこうと、平成22年に地元有志13人で結成された「遠賀川源流サケの会」。
 毎年12月に市内の鮭神社で行われる献鮭祭(けいけんさい)の日に、新潟の三面川(みおもてがわ)漁協から送られてくる4万粒の受精卵を、遠賀川の源流である馬見山中腹のふ化場で育成。水温10度以下のきれいな水で育てられ、5センチメートル前後に成長した稚魚を3月の水温の上がらないうちに川へと放流します。
 「放流は地元や近隣の小・中学生と一緒に行います。体験後に、『鮭が帰ってくるように川を大事にします』などといった内容の手紙をいただくときが何よりも嬉しい」と話すのは、会長の青木宣人(せんじん)さん。
 河川と山林の環境づくりの大切さを知ってもらいたいと、出張講義も行い、啓発活動にも力を注いでいます。
写真:会長の青木宣人さん(写真右)と事務局長の江頭亨(とおる)さん写真:稚魚を飼育する様子を小学生が見学する学習会の様子

(1)会長の青木宣人さん(写真右)と事務局長の江頭亨(とおる)さん (2)ふ化場では、稚魚を飼育する様子を小学生が見学する学習会も行われている

嘉麻市観光まちづくり協議会
写真:福岡市でのPRイベントや地元の祭りなどで釜めしやピンバッジを販売する様子

福岡市でのPRイベントや地元の祭りなどで釜めしやピンバッジを販売。自立した運営を目指している

地元愛をカタチに。目指すは「観光発信団体」

 嘉麻市の魅力を発信しようと、「特産品開発」「観光ルート開発」「マーケティング発信」の3つのプロジェクトを軸に、平成24年度に設立された「嘉麻市観光まちづくり協議会」。商工会や地元で活躍する皆さん、外部の有識者など、多彩なメンバーを中心に、約50人で構成されています。
 各プロジェクトは「トレッキング」や「スイーツ」などの班に分かれ、アイデアを出し合いながら奮闘中。中でも「特産品開発」の「釜めし班」では、特産の嘉穂牛などを使った「嘉麻の釜めしの素」を開発し、これまでに約2万7000個を売り上げました。
 「資源が豊富にあっても、思いがないと前に進めません。どこにもない"嘉麻”の魅力を熱い思いで届けたい」と、副会長の永光(ながみつ)祐子さん。
 来年度に目標を定め、「観光協会をもっと面白くした発信団体」の立ち上げを目指します。
写真:副会長の永光祐子さん写真:嘉麻の釜めしの素

(1)PRやマーケティングを担当する副会長の永光祐子さん。手にしているのは協議会のオリジナルTシャツ (2)特産の嘉穂牛やりんごなどが入った「嘉麻の釜めしの素」(1個874円)。観光文化大使のおすぎさんらと一緒に考案

三高山(さんたかさん)を守る会
写真:「トレッキング塾」の様子

市内外の30〜40人が受講する「トレッキング塾」。山を安全に登るための危機管理講習なども行っている

山に親しむ心を伝えるボランティア活動

 「三高山を守る会」は、平成25年に地元の登山愛好者を中心に発足。気軽に登れる里山として人気がある山田地区の三高山周辺の環境の美化や啓発活動を行っています。
 発足のきっかけは、日本山岳会に所属する会長の畠拓生(たかばたけたくお)さんが、三高山の麓(ふもと)の作業小屋を管理するようになったことから。以降、登山者が休憩できるように山小屋へと改装し、登山道の整備や照葉樹林の保全を継続して行っています。
 「三高山は、お子さんとも一緒に楽しめる山です。市内には他にも『嘉穂三山愛会』や『長谷山(はせやま)を愛する会』といった団体があり、協力して地域の自然を守っています」とにこやかに語る畠さん。
 現在は嘉麻市とともに「トレッキング塾」を開催。ボランティアガイドとして山のマナーや自然の尊さを伝えています。
写真:会長の高畠拓生さん(写真左)と、会員の宮原由光(よしみつ)さん写真:安全な歩道・散策路の整備を行うメンバーの皆さん

(1)森林保全巡視員でもある会長の高畠拓生さん(写真左)と、会員の宮原由光(よしみつ)さん。会員は現在19人 (2)気持ちよく登って帰ってもらいたいと、安全な歩道・散策路の整備を行うメンバーの皆さん