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グラフふくおか 2015秋号 AUTUMN 通巻580号平成27年9月20日発行(季刊) 発行 福岡県 県民情報広報課

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世界遺産まち歩き 官営八幡製鐵所(せいてつしょ)編

【特集】世界遺産まち歩き 明治日本の産業革命遺産
写真:官営八幡製鐵所 旧本事務所 眺望スペース
北九州市
官営八幡製鐵所
旧本事務所
眺望スペース
旧本事務所を眺望できるスペースとして、平成27年4月にオープンした
公開時間: 9時30分から17時
(入場は16時30分まで)
休館日: 月曜日
(祝日の場合はその翌日)
料金: 見学無料
ボランティアガイドが常駐
(10時から14時)
北九州市 写真:官営八幡製鐵所 旧本事務所
官営八幡製鐵所 旧本事務所
製鐵所の中核施設として使用されたれんが造りの建物。日本と西洋の建設様式を併せ持つ
※非公開施設
中間市
写真:官営八幡製鐵所 遠賀川水源地ポンプ室
官営八幡製鐵所
遠賀川水源地ポンプ室
遠賀川から製鐵所まで製鉄に必要な水を送るために建設され、現在も必要な水の7割を送水している
眺望スペースより常時見学可(敷地内は非公開)
土日祝のみ観光ガイドが常駐(10時から16時)
北九州市
写真:官営八幡製鐵所 修繕工場
官営八幡製鐵所 修繕工場
製鐵所で使用する機械の修繕などを行う、日本最古級の鉄骨建築物。現在も稼働中
※非公開施設
北九州市
写真:官営八幡製鐵所 旧鍛冶工場
官営八幡製鐵所
旧鍛冶工場
製鐵所の建設に必要な鍛造(たんぞう)品などを製造。現在は史料室として約4万点の製鐵所関連史料を保存
※非公開施設
写真提供:新日鐵住金(しんにってつすみきん)
株式会社八幡製鉄所

一大国家プロジェクト。 日本初の銑鋼(せんこう)一貫製鉄所

 かつて国内鋼材生産量の約9割を担った「官営八幡製鐵所」。北九州工業地帯を形成する中心的な工場として、重工業化の道を切り開き、日本の近代化を支えた象徴的存在です。

 明治維新後、鉄鋼需要の高まりを受け、政府は自国で製鉄所を建設する必要性に迫られます。日本最大の石炭産出量を誇っていた筑豊炭田に隣接していたことや、海陸の輸送に便利で、製鉄に必要な水の確保が可能だったことから、建設地として当時の遠賀郡八幡村が選ばれます。明治32(1899)年には、製鉄所の建設や運営を担う本事務所が竣工。翌年、修繕工場、鍛冶工場も次々と竣工し、明治34(1901)年、日本初の銑鋼一貫製鉄所である官営八幡製鐵所が創業を開始しました。創業には、日本の近代製鉄発祥の地・釜石(岩手県釜石市)の洋式高炉で培った技術などが生かされており、幕末から蓄積されてきた日本の製鉄技術が、八幡の地で花開いたのです。今回、世界文化遺産には、官営八幡製鐵所関連施設である北九州市の「旧本事務所」や「修繕工場」、「旧鍛冶工場」、中間市の「遠賀川水源地ポンプ室」が登録されています。

写真:中間市観光ボランティアガイド
稼働中の産業施設の世界遺産登録は、日本初なんです

中間市観光ボランティアガイド

「40年間勤めていた会社がまさか世界遺産に登録されるとは」と、新日鐵住金株式会社OBでガイド代表の下山要さん。「これを機に地域の人を巻き込みながら中間市を盛り上げていきたいです」稼働中の産業施設の世界遺産登録は、日本初なんです
写真:代表の下山要(しもやまかなめ)さん(中央)とガイドの皆さん代表の下山要(しもやまかなめ)さん(中央)とガイドの皆さん

 もっと満喫!関連スポット

写真:いのちのたび博物館

世界文化遺産登録記念展 「世界遺産のまち 北九州と明治日本の産業革命」

11月8日(日曜)まで開催中
開館時間:9時から17時(入館は16時30分まで)
料金:一般500円、高大生300円、小中生200円
※常設展入場券で観覧できます
北九州市
いのちのたび博物館
西日本最大級の自然史・歴史博物館。迫力ある恐竜の骨格標本など、子どもから大人まで楽しめる
写真:東田(ひがしだ)第一高炉跡
北九州市
東田(ひがしだ)第一高炉跡
官営八幡製鐵所の第一号高炉であり、改修を重ねた10代目が八幡のシンボル的存在として現存
所在地:北九州市八幡東区東田2-3-12
開館時間:9時から17時
問い合わせ:北九州市文化企画課
電話:093-582-2391
写真:二本煙突と田川市石炭記念公園
田川市
二本煙突と
田川市石炭記念公園
官営八幡製鐵所をエネルギー面から支えた筑豊炭田。そのシンボル・二本煙突(旧三井田川鉱業所第一・第二煙突)とその周辺は、石炭記念公園として整備されている
写真:旧伊藤伝右衛門(でんえもん)邸
飯塚市
旧伊藤伝右衛門(でんえもん)
筑豊の炭鉱王、伊藤伝右衛門の本邸。妻・柳原白蓮(やなぎわらびゃくれん)のために、細部にまで贅(ぜい)を尽くしたといわれる
所在地: 飯塚市幸袋300
開館時間: 9時30分から17時(入館は16時30分まで)
休館日: 水曜日(祝日の場合は開館)、12月29日から1月3日
料金:大人(高校生以上)300円、小中生100円 電話:0948-22-9700
写真:山本作兵衛炭坑記録画 ©Yamamoto Family

山本作兵衛炭坑記録画

約半世紀にわたって筑豊の炭鉱労働者として生きた山本作兵衛により描かれた炭坑記録画。平成23年、ユネスコ世界記憶遺産に登録された田川市
田川市石炭・歴史博物館
炭鉱にまつわる貴重な展示資料がそろう。山本作兵衛の炭坑記録画や文書も所蔵し、その一部を特別展などで公開している
所在地: 田川市大字伊田2734-1
(田川市石炭記念公園内)
開館時間: 9時30分から17時30分
(入館は17時まで)
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、
12月29日から1月3日
料金:大人(大学生以上)210円、
高校生100円、小中生50円
電話:0947-44-5745