青少年セミナーは福岡県が運営する多言語ウェブサイト「アジアンビート」の人気イベント「ヂカギキ」とのコラボにより開催。講演の全文は同サイト内「マタギキ」(http://asianbeat.com/ja/)で後日公開されます
10月12日に行われた青少年セミナーでは、ハリウッドで活躍する特殊メイクアップアーティストのAKIHITOさんが自身の仕事や日本とハリウッドの違いなどについて語りました。
少年時代から図画工作が大好きだったAKIHITOさん。高校生の時に見た日本人特殊メイクアップアーティストのスクリーミング・マッド・ジョージ氏の作品に衝撃を受けます。
「ハリウッドで映画の特殊メイクに携わる日本人としてテレビ番組で紹介されていたのを見て、これをやりたいと思いました。この人との出会いによって僕の人生が変わったというか、きっかけになった人です。アメリカで活躍している日本人というのがすごくて」
AKIHITOさんはその後、東京の映像学校に進学します。そして平成7年、「ユニバーシアード福岡大会」開会式で使用する150体の人形制作に参加したことを契機に、本格的に特殊メイクの道へ。テレビ番組の特殊メイク選手権で3連覇を果たしたほか、特撮番組の怪獣デザインを手がけるなど幅広く活躍しますが、さらなる飛躍のため渡米を決意します。
「業界的に名前は知られていたんですけど、納得する仕事はできなかった。頭打ちを感じたんですよ。渡米後は英会話の学校に通いながら履歴書を35社ぐらいに送りました」
AKIHITOさんによる特殊メイク体験コーナーでは、あまりの生々しさに会場から悲鳴が上がる一幕も
ハリウッドでつかんだ最初の仕事は映画『ハルク』に登場するヒトデを作ること。その後、『ナルニア国物語』シリーズなど人気作品や、今年公開された『パシフィック・リム』といった話題作にも携わります。ハリウッドで10年以上仕事をしてきたAKIHITOさんは、日本とは異なる仕事に対する向き合い方を語ります。
「アメリカでは8時間たったら本当に仕事を止めて帰っちゃうんですよ。日本人から見たらアメリカ人は働かない。じゃあ帰って何をしているかというと自分にお金と時間をかけている。自分に実力がなければ技術をみがくためにメイクや彫刻の授業を受けたり、ジムで自分を鍛えたりしている」
セミナーの最後、AKIHITOさんは福岡の若者に向けてアドバイスを送りました。
「自分がやりたいことをやってください。人生一回しかないから。福岡から世界に発信するにしても一度は、福岡や日本を出た方がいいと思います。いろんな技術やコネクションを身に付けて、それらを使って福岡ならではのものを作ってくれたらうれしいです」