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グラフふくおか 2013秋号 AUTUMN 通巻572号平成25年9月20日発行(季刊) 発行 福岡県 県民情報広報課

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農業応援団 その1 ふくおかの農業応援ファミリー

農業や農村に触れる体験ツアー

 「わぁ、すごい!」「これ、大きいね」ビニールハウスのあちこちから驚きの声が飛び出します。子どもたちが小さな手に握りしめているのは、鮮やかな黄緑色をした立派なアスパラガス。
 今年で3年目を迎えた「農業農村体験ツアー」。この日は大木町を舞台に46人が参加しました。町の特産品であるアスパラガスとぶなしめじの栽培を行う「農事組合法人 モア・ハウス」で子どもたちはアスパラガスが地面からニョキっと生えた姿に目を丸くし、また、ぶなしめじを株ごともぎ取る体験に夢中。ここでは、ぶなしめじの栽培に使用した培地をアスパラガスの堆肥に循環利用しており、生産者からこうした話を直に聞くことで、参加者の食に対する意識も高まります。
 「応援ファミリー」とは、県産の農林水産物を積極的に購入し、福岡県の農林水産業を応援する人たちのこと。現在、1万世帯を超えるファミリーが登録しています。県では応援ファミリーを対象に、年40回程度の体験ツアーのほか、旬の農林水産物の情報発信やさまざまなキャンペーンを実施しています。

写真:福岡では春と夏が収穫期のアスパラガス。26cm以上に成長したものだけを収穫する 福岡では春と夏が収穫期のアスパラガス。26cm以上に成長したものだけを収穫する。「根元からそ〜っとね」

【特集】いただきます!福岡のおいしい幸せ

写真:JAふくおか八女の直売所「よらん野」木町へ向かう途中、JAふくおか八女の直売所「よらん野」でお買い物タイム。県産米「元気つくし」や新鮮な県産野菜がいっぱい
写真:熱心に耳を傾ける応援ファミリーの皆さん 収穫体験の前に、野菜の成長過程などを説明。熱心に耳を傾ける応援ファミリーの皆さん
写真:「農事組合法人モア・ハウス」代表の大藪佐恵子さん(右)と野口直子さん(左) 「農事組合法人モア・ハウス」代表の大藪佐恵子さん(右)と野口直子さん(左)
写真:ふっくら肉厚な大木町のぶなしめじ ふっくら肉厚な大木町のぶなしめじ。福岡県は全国第3位の生産量を誇る
写真:取れたてのおいしさを味わって、野菜が大好きになったかな? 取れたてのおいしさを味わって、野菜が大好きになったかな?
写真:昼食は、取れたてのぶなしめじとアスパラガスを使った料理が勢ぞろい 昼食は、取れたてのぶなしめじとアスパラガスを使った料理が勢ぞろい
写真:両手に包んで片側から押すと、瓶からぽろっと取れるぶなしめじ。簡単にできて楽しい収穫体験に、子どもたちも大喜び両手に包んで片側から押すと、瓶からぽろっと取れるぶなしめじ。簡単にできて楽しい収穫体験に、子どもたちも大喜び

参加者に聞きました

食育と地産地消の大切さを学ぶ  今回のツアーに参加した応援ファミリーは、親子をはじめ、3世代家族、友人同士などさまざま。子どもと一緒に参加したお母さんは、「普段スーパーで買い物する時も、新鮮で味の濃い県産の産直野菜を扱うコーナーにまず立ち寄ります。ツアーに参加して、アスパラガスはこんな風に育ってるんだって、子どもたちに見せてあげることができてうれしかったです」と、食育への想いも深まったようです。
 収穫体験後は、取れたての野菜を使った昼食をみんなで「いただきまーす!」。それぞれに感想を述べ合いながら、おいしい笑顔が輝いていました。
写真:親子3世代で参加した 松島さん
親子3世代で参加した
松島さん
「土に触れる経験ができて、息子たちにとっていい経験になりました。夏休みの絵日記に描きます」
写真:2家族で参加した 佐々木さん・神近さん
2家族で参加した
佐々木さん・神近さん
「収穫したての野菜を使ってパスタやリゾットを作ってみようと思います」
写真:家族4人で参加した 飯島さん
家族4人で参加した
飯島さん
「転勤族なので福岡にいるうちに、子どもたちにいろんな食の体験をさせてあげたいと思って参加しました」
応援ファミリーによる被災地復興支援  農林水産業と食の大切さを理解してもらおうと始まった「ふくおかの農業応援団」。昨年7月の九州北部豪雨後は、応援ファミリーによる災害支援ボランティア活動を実施しています。自ら農業を体験し、生産者と触れ合ったことで、応援ファミリーには、「福岡県の農業を守ろう、被災地を応援しよう」という想いが生まれ、ふくおかの農業応援団の取り組みは、応援ファミリーと生産者を結ぶ絆を作り出しています。
写真:昨年度、計6回延べ106人がボランティア活動に参加。 昨年度、計6回延べ106人がボランティア活動に参加。今後も、1日でも早く被災地の農業が元の元気な姿に戻るよう、ボランティア活動が続けられる