須賀神社(直方市)に伝わる「飛び石伝説」
「隕石」、それは、はるかかなたの宇宙から地球へ降ってくる贈り物。その多くが数十億年もの昔に形成されたといわれています。実は、「目撃情報が残っている世界最古の隕石では?」といわれる隕石が福岡県にあるのをご存知でしたか?
直方市の須賀神社には、「飛び石伝説」として次のような言い伝えがあるそうです。
861(貞観3)年4月7日夜、神社上空が突然真昼のような明るさになり、境内で激しい爆発音が起こった。
深くえぐられた穴をのぞくと、黒く焦げた石。その石は桐箱に納められ、代々大切に受け継がれている。

重さ約472グラム。大人のこぶし大ほどの大きさ

秋の神幸大祭で引き車に乗せられ市内を練り歩く「直方隕石」
古代の記憶に想いを馳せて
地域で伝承されてきた「石」は、ラジオ放送をきっかけににわかに脚光を浴びます。番組で「飛び石伝説」を聞いた県内の天文ファンが「これは隕石だ」と国立科学博物館に連絡。調査の結果、隕石と認められました。
それまでは、15世紀にフランスで発見された隕石が世界最古とされてきましたが、「直方隕石」と名付けられたこの隕石が納められていた桐箱の放射性炭素年代測定で、時期が9世紀頃を示し、大幅な記録更新への期待が高まりました。とはいえ、江戸時代に落ちたという説もあり、はっきりと特定するのは困難なのだとか。それでも、福岡県に世界最古かもしれない隕石があるなんて、ちょっとわくわくしますよね。
普段は複製品が展示されており、「直方隕石」の本物は5年に一度、「須賀神社 秋の神幸大祭」でしか見られません。その貴重な機会は今年の10月22・23日です。どうぞお見逃しなく!!
場 須賀神社(直方市大字下境1244)