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2021 春号 SPRING 通巻602号 令和3年3月19日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

おいしい誇りを食卓に Fukuoka Pride Food 福食

File.07

福岡のお酒

豊かな水と県産の酒米や麦を生かした酒造り。世界的な注目を集めている福岡のお酒について、福岡県酒造組合会長・江﨑俊介(えざき しゅんすけ)さんに話を伺いました。

今こそ、福岡の日本酒と本格焼酎を

 現在、福岡県には68(※1)の酒蔵があり、その数は全国有数。「福岡には、創業300年の歴史を持つ酒蔵もあります。江戸時代は600軒を超えており、そのころから日本有数の酒どころといわれていました」と語るのは福岡県酒造組合会長の江﨑俊介(えざき しゅんすけ)さん。自身も日本酒の製造に携わる菊美人酒造の9代目当主です。

 日本酒造りは、米の収穫を終えた晩秋から翌年の早春にかけて行われます。福岡では、三潴(みずま)の「夢一献(ゆめいっこん)」、八女の「吟(ぎん)のさと」、柳川の「壽限無(じゅげむ)」などの酒米の生産が盛んで、中でも酒米の代表格である「山田錦(やまだにしき)」は糸島で多く生産されており、その生産量は全国第4位。福岡の日本酒は、米の甘味を生かしたうま口の味わいが特徴です。

 一方、麦焼酎の原料となる大麦の生産量も全国第3位。県産麦を使用した麦焼酎が多く造られている他、ごまや玉露などさまざまな農産物を原料とする焼酎も造られ、「博多焼酎」の愛称で親しまれています。

 「福岡の日本酒や焼酎はバリエーションが豊富で、和食にもよく合うんです。ご自宅や飲食店で、ぜひいろいろな銘柄のお酒を楽しんでもらいたいですね」と江﨑会長。最近では、大学などで醸造学を学んだ若手の蔵人(くらびと※2)も増え、長年の経験で技術を培った杜氏(とうじ※3)の下で酒造りに励んでいます。最新の知識に基づく科学的なアプローチと代々受け継がれてきた製法を生かしたお酒は、世界的なコンペティションで受賞する実力を誇っています。

 そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大により、お酒の消費が激減。今年の酒蔵開きは多くの酒蔵で延期や中止になっています。こうした酒蔵を応援するためにも、今こそ福岡のおいしい食と共に、同じ風土から生まれたお酒を飲んで、お気に入りを見つけてみませんか。

※1 福岡県酒造組合に加盟している酒蔵数(令和3年2月時点)
※2 蔵人…杜氏の下で、酒造りに従事する人々
※3 杜氏…酒造りを取り仕切る責任者

もろみ造りの様子

日本酒造りの佳境となるもろみ造りでは、仕込みタンクの中で酵母がアルコールを生成し、華やかな香りが満ちてくる

 
精米後の洗米と浸漬の様子

精米後、秒単位で洗米と浸漬(しんせき)の時間を調整する

35パーセント精米の麹米の写真

大吟醸「菊美人」に使われる35パーセント精米の麹(こうじ)米。酒米に麹菌を繁殖させることで甘い香りが漂う

 
菊美人酒造のラベルの写真

北原白秋(きたはら はくしゅう)の姉が嫁いだ菊美人酒造。ラベルの題字は白秋直筆

江﨑俊介(えざき しゅんすけ)さんの写真

「酒蔵や銘柄によってお酒の味わいや特徴が異なります。造り手のこだわりや思いを感じてもらえれば」と江﨑さん

 
 

「福岡の地酒・焼酎公式アプリ」では、県産酒を提供する「福岡の地酒・焼酎応援の店」や「福岡の酒蔵」を紹介しています。

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