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2016 春号 SPRING 通巻582号 平成28年3月20日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

いざ!地方創生 日本の元気を福岡から

防災力を高めて、安全・安心な地域をつくる

地方の人口減少に歯止めをかけ、活力のある日本社会を地域からつくるための取り組み「地方創生」。今回は、自主防災活動を通じて地域力の向上に取り組む皆さんを取り上げます。

 
いざ!地方創生 日本の元気を福岡から

「文化財防火デー」に合わせて、宗像大社で行われた火災防ぎょ訓練。日頃の成果を存分に発揮した

全国初! 市と県の職員で地域を守る消防団

 宗像市では、市外に働きに出ている人が多く、平日昼間の消防活動の担い手不足が課題となっていました。そこで、平成27年に、宗像市と福岡県の職員が連携し「宗像市消防団 市役所・県総合庁舎合同分団」を結成しました。この分団は、平日昼間の火災出動と行方不明者捜索に限定して活動する「機能別分団」。市・県合同による機能別分団の設立は全国初の試みです。市職員や県職員によって構成され、消防団初心者に、消防団OBの5人を加えたメンバー総勢25人で活動しています。

 県宗像・遠賀保健福祉環境事務所の古賀瑞季(こが みずき)さんは「消防団活動は初心者ですが、勤務時間内だけでも地域の防災に携わりたいと思い入団しました。活動を通じて、これまで以上に防災に対する意識が強くなりました」と話します。

 消防団OBで宗像市福祉課の豊福次保(とよふく つぐやす)さんは「地域の防災力を高める活動は一人ではできません。活動の継続に向け新たな仲間の育成が今後の課題。自分たちの活動が地域の皆さんの目に触れることで、防災意識の啓発につなげたい」と話します。

 月2回、仕事が終わってから消火訓練を行っている皆さん。地域住民の安全・安心を支える、そのやりがいを胸に一致団結して日々訓練に励みます。

消防団に設置される分団のうち、特定の活動・役割のみ実施する分団

「地域の人々を守ることにやりがいを感じる」と話す古賀瑞季さん(写真右)と豊福次保さん(写真中央)

宗像地区消防本部の支援のもと訓練を重ねる分団員の皆さん

宗像地区消防本部の支援のもと訓練を重ねる分団員。ほとんどが初心者にもかかわらず上達は早い

 

守り合い、助け合える、校区を目指して

自主的な防災活動に活発に取り組む皆さんの様子

「自分たちのまちは、自分たちで守る」と自主的な防災活動に活発に取り組んでいる

「防災活動に“卒業”はない」と話す大迫隆典さん

「防災活動に“卒業”はない」と大迫隆典さん。「地域の皆さんに防災への関心を高めてもらうために、災害について勉強することはまだまだあります」

地域住民が志井川を現地調査し、危険箇所を確認する様子

地域住民が志井川を現地調査し、危険箇所を確認

 

 北九州市小倉南区では、26 の地区・校区が力を合わせて自主防災活動に取り組んでいます。その中でも、志井校区の活動を引っ張るのが同校区市民防災会会長・大迫隆典(おおさこ たかのり)さん。昨年、20年以上にわたる功績が認められ、平成27年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました。

 志井校区における自主防災活動の特徴は、地域住民のみならず、校区内の学校や施設と連携して、さまざまな町内行事などを通じ、地域の結束と組織力、そして防災力を高める意識付けを行っていること。例えば、夏休みのラジオ体操では、行き帰りに子どもたちが危険箇所を認識できるよう工夫したり、災害時の川の氾濫を防ぐため、志井川を清掃するイベントを開催。他にも、「防災まち歩き」により地域の危険箇所を調査し、自分たちでハザードマップを作成したりしています。また、地域の防災会議には、町内会や自治会メンバーをはじめ民生委員、保護司、保健委員、子ども会、消防団、学校関係者など毎回約90人もの地域住民が集って地域全体の防災体制の強化に取り組んでいます。

 「防災で大切なことは、地域全員で互いに助け合うこと。だからこそ本物の絆を築かなくては」と話す大迫さん。防災を要とした安全で安心なまちづくりは続きます。

 

PICK UP!

 

まちを守る。安心をつくる。消防団員募集中!

 県では、地域防災の要である消防団の充実強化に取り組んでいます。
 県内には73の消防団があり、女性消防団員846人、学生消防団員215人も活躍中。18歳以上で当該消防団の区域に居住または勤務している人が入団対象です。「大好きなまちを守りたい」あなたをお待ちしています!
※数値は平成27年4月現在

問い合わせ 福岡県消防防災指導課 電話092-643-3111 ファクス092-643-3117