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2016 春号 SPRING 通巻582号 平成28年3月20日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

きらめきマイタウン八女市

清流の恵みを受けた実り豊かな大地に食・歴史・文化が根付くまち

 

NPO法人 がんばりよるよ星野村

 

みんなの手で、星野村の全面復興と活性化を

 

 平成24年7月の九州北部豪雨で甚大な被害を受けた星野村の災害復興や活性化のため、平成26年2月、地元と村外からのボランティア17人で立ち上げた「がんばりよるよ星野村」。「家屋の浸水や田畑の全滅を経験した村の人たちを元気づけたい」と、地元出身でUターン経験者の山口聖一(やまぐち せいいち)さんが中心となり、活動への参加を呼びかけました。

 現在はボランティアセンターの機能を強化し、棚田を含めた荒廃地区の再生を通して、観光復興や移住者誘致などにつなげる活動を行っています。IVUSA(イビューサ/国際ボランティア学生協会)との連携で、棚田の復興作業を続けてきた結果、昨年10月には被災後初めて、棚田米を収穫しました。

 「学生など若者との活動を通して、つながり合うことの大切さを改めて認識しています」と山口さん。ネットワークづくりにも思いを込めています。

ボランティアに参加・協力してきたみんなで棚田米約300キログラムを収穫し、お祝いした様子

昨年10月には、ボランティアに参加・協力してきたみんなで棚田米約300キログラムを収穫し、お祝いした

 

理事長 山口聖一さん(写真左)と地域おこし協力隊の高田直木(たかた なおき)さん

「高」は、はしごだか

星野小学校児童による棚田保全学習の様子

星野小学校児童による棚田保全学習の様子。田植えからはじまり、草取り、稲刈りまでを行った

 

NPO法人 八女空き家再生スイッチ

 

町並み保全と空き家の再生利用を目指して

 

 江戸時代から在方町(ざいかたまち)として栄え、町家約140軒が残る国の重要伝統的建造物群保存地区・八女福島。平成3年の台風被害を機に、市民の宝である町並みを保存しようと多数生まれた団体の中に「八女空き家再生スイッチ」があります。建築などの専門家が集った「八女町並みデザイン研究会」、役場の職員からなる「八女町家再生応援団」とともに、「八女町家ねっと」を構成。町並み保全と空き家の活用を目的に活動しています。現在、高橋康太郎(たかはし こうたろう)さんが理事長を務める「八女空き家再生スイッチ」では旧八女郡役所の再生をはじめ、町家の掃除や柿渋塗りをワークショップ形式で行うなど、住民と参加者をつなぐパイプ役も務めています。

 「町家への移住者誘致など、町全体が活気づくように裾野を広げていきたい」と高橋さん。古き良き町家の再生と利用を目指します。

町家再生の一環で行われたべんがら柿渋塗りワークショップの様子

町家再生の一環で行われたべんがら柿渋塗りワークショップの様子。メンテナンスと学習会を兼ね、市内外から約40人が参加した

 
老朽化が進み、平成27年夏から改修工事を始めた旧八女郡役所

老朽化が進み、平成27年夏から改修工事を始めた旧八女郡役所。屋根と外壁の修繕はほぼ終了。ゆくゆくは、地元住民の交流の場を目指す

地元で酒店を営む「八女空き家再生スイッチ」の理事長、高橋康太郎さん

 

NPO法人 辺春(へばる)地域振興会議

 

食の手作り体験などを通して、地域に活力を

 

 立花町辺春(へばる)地区を中心に、豊かな地域づくりと振興を目指す「辺春地域振興会議」。地域の課題解決のために住民が作った団体で、平成21年10月にNPO法人の認可を受けました。

 加工部会では、地元産のコンニャク芋を使ったコンニャクづくりや味噌づくり体験・販売を通して、辺春地区のPR活動を行っています。メンバーは地元で農家を営む女性7人。「辺春という地名を知ってもらいたいと体験教室を企画しました。毎回、市の内外から12人から15人が参加。子どもたちにも大好評です」と話すのは、八女に移住して地域おこし協力隊として活動する田中臣仁朗(たなか しんじろう)さんです。

 幼稚園だった建物を体験・交流の場として活用するため、今後は子育てが落ち着いた世代に利用を呼びかける予定。課題と向き合いながらも、楽しく活動の輪を広げています。

代表の山田弓子(やまだ ゆみこ)さん(写真左から3番目)と加工部会の皆さん

代表の山田弓子(やまだ ゆみこ)さん(写真左から3番目)と加工部会の皆さん。採れたばかりの地元産のコンニャク芋を手に

 
コーディネーターを担う田中臣仁朗さん(写真左から3番目)。お昼には、メンバーが持ち寄った野菜などで手づくりする地産地消のおかずやご飯がずらりと並ぶ様子

コーディネーターを担う田中臣仁朗さん(写真左から3番目)。お昼には、メンバーが持ち寄った野菜などで手づくりする地産地消のおかずやご飯がずらりと並ぶ

コンニャクづくりの様子

コンニャクづくりの様子。「子どもたちが喜ぶ顔が何よりうれしい」「日本の伝統食のよさを伝えたい」とメンバーの皆さん

 

一般財団法人 FM八女

 

ラジオと観光企画で八女の魅力を発信

 

 平成24年6月に八女市が開設したコミュニティーラジオ「FM八女」。当初は災害時における情報提供や行政関連のお知らせが主な役割でしたが、観光振興を進めるため、旅行部門を立ち上げました。

 職員のうち4人を企画立案やバスガイドなどに配属し、「着地型体験プログラム」や「周遊バスツアー」を各担当者が企画。開始当初から好評を博し、参加希望者は高倍率の抽選で選ばれるほどの盛況ぶりです。

 「マイ包丁づくりや蒔絵(まきえ)体験など、プログラムを充実させ、バスツアーも本数を増やしました。日々やりがいを感じています」と話すのは、茶のくに観光案内所の観光コーディネーター・吉松慶子(よしまつ けいこ)さん。地域の伝統文化に触れたり、地元ガイドと名所を巡るツアーなど、八女でしか味わえない魅力を笑顔いっぱいで発信しています。

山本源太(やまもと げんた)さんの工房で、手びねりやろくろで作陶を楽しんだ体験プログラムの様子

体験プログラムの様子。星野焼を再興した山本源太(やまもと げんた)さんの工房で、手びねりやろくろで作陶を楽しんだ

 
吉松慶子さん(写真中央)と茶のくに観光案内所の皆さん

吉松慶子さん(写真中央)と茶のくに観光案内所の皆さん。中には日本茶インストラクターの資格を持つスタッフも

FM八女の様子

市が掲げる「茶のくに 八女のおもてなし宣言」のもと、旅行商品の企画にも取り組む。ラジオ局としては全国初の試み