少子高齢化やグローバル化が進む中、社会を元気にするエネルギーとしてますます期待が高まっているのが女性の力です。「女性の活躍」をキーワードに、積極的な取り組みを行う福岡県でも、国際的な視野を持ち未来を見つめる女性たちが活躍しています。
「焼酎を海外の人にも広く知ってもらいたい」。そう話すのは、筑後市の「西吉田酒造株式会社」取締役の吉田恭子さん。米国や香港を中心に、焼酎の普及活動に力を入れています。
和食ブームが世界に広がりを見せる一方で、海外における焼酎の認知度はゼロに等しい状況。そこで吉田さんは、おいしい飲み方や、現地の料理で焼酎と相性のいいメニューを提案するなど、工夫を凝らした普及活動を重ねてきました。
そんな中、あらためて吉田さんが実感しているのが、人と人とのつながりの力。焼酎を通じて知り合った現地の人たちや、海外展開を目指し頑張る同業者との交流から、少しずつ焼酎への理解の広がりを感じています。
「まずは、みんなで力を合わせて"I LOVE SHOCHU"と思ってくれる人を増やすこと。その次に、わが社の『つくし』を好きになってもらいたい」と話す吉田さん。
「わが子も同然」と語る焼酎が、世界で愛されるようになる日を目指して、その挑戦と奮闘は続きます。
西吉田酒造株式会社は明治26(1893)年から本格麦焼酎を作り続ける老舗として、"酒どころ福岡"を支えている
西吉田酒造株式会社の主力焼酎「つくし白」「つくし黒」。海外向け商品(右2本)はボトルのサイズを海外の規格に合わせて製造
試飲イベントをはじめ市場視察や販路開拓など活動の内容は多彩。寿司職人を目指す外国人向けに焼酎講座を頼まれることも
焼酎を通して出会った海外の友人と。「ニューヨークのような都市部には少しずつ焼酎ファンが増えていると感じます」
世界中の人が安心し、自立して暮らせるまちづくりを推進する機関「国際連合人間居住計画(ハビタット)」。その福岡本部で星野幸代さんが取り組んでいるのが、アジア太平洋地域の開発途上国が抱える課題の解決をサポートするプロジェクトです。各国のニーズと企業や大学、自治体が持つ環境技術とのマッチングが中心で、今年4月に発生したネパール大地震の際も、企業と協力し、生活用水や仮設トイレの整備などの復興支援を行いました。
女性が教育を受けたり、社会進出をする機会が多いとはいえない国々では、いかにその声に耳を傾けた支援ができるかが課題の一つ。「彼女たちの自立を促進するためにも、同じ女性であることを最大限に生かしたい」と話します。
「さまざまな国で暮らす一人一人が"今日も家族が元気だった"、"今日も学校に行けた"、"今日も平和だった"と感じられるよう、安全で健康的な毎日を支える環境整備に貢献したい」と星野さん。自らが感じるそのやりがいを共有できる同志や後輩を育むことも、今後の大切な使命と考えています。
外資系企業などを経て2004年より現職。これまでイラク復興支援なども担当。また自身も阪神・淡路大震災で被災。途上国の被災者支援に携わる中で、当時の経験を「与えられた」と思うことも
県と連携し、県内の大学生がアジア太平洋地域の国際協力プロジェクトを体験できるプログラムを実施。「国際協力という進路を意識するきっかけになれば」
「福岡方式」と呼ばれる廃棄物埋立方式を採用したケニアの処理場建設にも参加。1カ月のうち半分以上は海外で支援に当たる
ネパールで復興支援活動に取り組む星野さん。7年目を迎えたプロジェクトでは50社以上を開拓し、10件ほどのマッチングを実現。「安価でありながら素晴らしいノウハウと技術。そんな開発者の皆さんの力を借りて途上国の支援が実現しています」
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