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グラフふくおか 2015夏号 summer 通巻579号平成27年6月20日発行(季刊) 発行 福岡県 県民情報広報課

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特別対談

魅力いっぱいの福岡県をもっと元気に

地方創生や移住・定住促進、子育て支援など、2期目を迎えた小川知事に県政への熱い思いを聞きました。
写真:依布(いふ)サラサさん
依布(いふ)サラサ Sarasa Ifu

1983年生まれ、東京都出身。歌手・作詞家。父は井上陽水、母は石川セリ。作詞家として活動する傍ら、2007年歌手としてデビュー。2011年福岡に移住し、現在TV・ラジオのレギュラー番組を多く抱えタレントとしても活躍中。2014年「田川まるごと応援団長」に就任。

決意を新たに県政に全力投球していきたい

依布 小川知事、いよいよ2期目がスタートしました。まずは、今のお気持ち、県政に対する抱負について、お聞かせください。

小川 しっかりやらなくてはと、身の引き締まる思いでいっぱいです。今回、選挙中、県下60市町村をくまなく、約5000キロメートル、福岡〜札幌間を1往復するくらい走りました。その中で感じたのは、「自分たちの地域をもっと元気にしたい、もっと良くしたい」と強く思っておられる方が大勢いらっしゃるということです。非常に心強く感じると同時に、責任の重さを痛感いたしました。「県民のための県政」に全力投球していきたいと決意を新たにしています。

依布 私も、リポーターなどの仕事を通じて、福岡県の皆さんのお一人お一人のパワーのすごさを感じています。皆さんとお話をしていると福岡を好きな気持ちとか、「福岡の魅力をみんなに教えたい」という思いがひしひしと伝わってくるんですよ。

小川 県民性ですよね。自分の県に対する愛着度や満足度が、福岡県は全国でも高いというアンケート結果もあります。もっともっとこの県を好きになっていただけるよう、「県民幸福度日本一」の福岡県を目指して、懸命に取り組みたいと思っています。

依布 みんなが幸福を感じるためには、元気な地域や元気な人。やっぱり「元気」が第一なのかな、と思います。

小川 その通りだと思います。今、日本は、少子化や人口減少に直面しています。そういった中で地域をいかに元気にするか、「地方創生」という課題が、大きなテーマになっています。

依布 「地方創生」という言葉は、最近、マスコミでも取り上げられています。これからの日本の社会にとって大事なテーマだと思いますが、知事は福岡県の元気のためにどんな取り組みを進めていかれますか。

小川 三つあります。まず、安心してお子さんを生み、育てることができる環境の整備。次に、住み慣れた地域で、安心して健康で元気に暮らしていける地域社会づくり。そして何よりも、若者の定住を進めるために、地域に「魅力ある雇用の場」を一つでも多くつくることです。県内各地、自然・歴史・文化・産業など、魅力がいっぱいです。また、地域の発展に強い思いを持っている方々がたくさんおられます。そうした方々と一緒に知恵を出し合い、地域の魅力を最大限に活用して元気にしていく、福岡県ならではの政策を進めたいと考えています。

写真:小川洋(おがわひろし)福岡県知事
小川洋(おがわひろし) Hiroshi Ogawa

1949年生まれ、福岡市出身。1973年京都大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。経産省産業技術環境局長、特許庁長官、内閣官房知的財産戦略推進事務局長、内閣広報官を経て、2011年4月に福岡県知事に就任。現在2期目。

地域の魅力をどんどんPRしたい

小川 この夏にお子さんが生まれるそうですね。本当におめでとうございます。

依布 ありがとうございます。十数年ぶりの出産で、ちょっとドキドキしています。

小川 サラサさんは、平成23年に東京から福岡へ移住され、今年3月末に本県が開設しました「福岡県移住・定住ポータルサイト」において、福岡県の魅力を大いにPRしていただき、本当に感謝申し上げます。移住を決断したきっかけは何かあったのですか。

依布 「子どもをこれからどういうふうに育てていこうか」とか「自然を身近に感じながら子どもを育てたい」とか、子育てについて考えたことがきっかけですね。福岡に引っ越してから、娘がすごく「子どもらしく」なったんですよ。学校帰りにお友達と近くの公園や川、海に寄り道して遊んで帰ってきたり。とってもイキイキしてるんです。「もう一人子どもがほしいな」と思い始めたのも福岡に移住してからなんです。

小川 お子さんの楽しそうな顔が目に浮かびます。それに、もうお一人この福岡県で産みたいと思っていただけたことが本当にうれしいです。

依布 実は、本格的に移住する前に、1カ月ほど、福岡に住んでみました。「プチ移住」ですね。暮らしてみると、適度に都会で田舎、おいしい野菜やお魚、衣食住や教育にも選択肢がたくさんあって住みやすい、そして何よりも皆さんのあったかくてウエルカムな人柄。短期間でしたが実際に住んで実感できたことがとっても大きかったですね。

小川 県でも、県外の方を対象に、住居と仕事を準備した上で、「お試し居住」していただく「ふくおかトライアルワーキングステイ」を新たに始めます。また、首都圏でも、県の東京事務所に「福岡よかもん・よかとこプロモーションセンター」を今年4月に設置して、県産品などの販路拡大や観光客の誘致、移住・定住の促進に取り組んでいます。多くの方にもっと福岡県を知ってもらいたいですね。
 ところで、サラサさんには、お父様の井上陽水さんが田川郡糸田町のご出身ということもあり、昨年8月から「田川まるごと応援団長」にご就任いただいています。ありがとうございます。団長として田川地域のために大活躍されていると伺っております。

依布 子どものころに田川へ行っていたときと比べて、今はどんどんアクセスが良くなって、おしゃれなカフェもできて、いろんな隠れた魅力がたくさんあります。とにかく今は、この魅力をどんどんPRしたいと思っています。そして「今週は田川に」「来週はあそこに」とか、県内のいろんな地域が、週末のお出かけ先候補としてみんなの選択肢にどんどん組み込まれて、実際に行っていただく。そんな地域の盛り上がりを見せていきたいですね。

写真:特別対談 小川洋知事×依布サラサ

小川 「素晴らしい」の一言です。東京で暮らしていたサラサさんが、福岡に移住されて、地域の魅力に磨きをかけるお手伝いをしてくださって、それを熱く、力強く発信していただいている。私も、「選択肢」というのは、これからの一つのキーワードだと考えています。各地域がどんどん魅力的になることで、選択肢に組み込まれて幅が広がっていき、お互いの幸せにつながっていく…。サラサさんが同じ思いを抱いてくださっていることが本当にうれしい。