フェンシングやライフル射撃など、さまざまな競技で国際大会に出場し、活躍する選手たちが福岡県から次々に生まれています。そんなトップアスリートの原石を見つけ、潜在力を生かし、育て、世界で活躍できる機会をつくりだしているのが平成16年度にスタートした「福岡県タレント発掘事業」です。
JOCエリートアカデミー所属の
この事業はエリート育成だけが目的ではありません。1次選考会に参加した子どもたちには、「体力・運動能力評価表」が配られます。この評価表には持久力や瞬発力など伸ばすべきポイントやそのための具体的なトレーニング方法が記されており、これを実践することで小・中学生の体力の底上げにもつながります。何よりも子どもたちがたくさんのスポーツにふれる機会をつくりだしています。
受講生たちの真剣な姿勢が、会場を熱気で満たす
「タレント発掘事業で出会って、すぐに夢中になった」と、戸田妃乃子(ひなこ)選手(九州国際大学付属高校)。まだ小学生だった戸田選手を見て、福岡県ウエイトリフティング協会の守昌宏(もりまさひろ)監督(八幡中央高校)は、「この子ならオリンピックでメダルを目指せる」と感じたという
2020年の東京オリンピックに向けた選手育成のために、福岡県では中・高生から始めても技術の習得が可能で、世界で活躍するチャンスも多いアーチェリーを対象競技に選び、日本スポーツ振興センターからの委託を受けて「福岡アーチェリーアカデミー」を開校。
アカデミーでは県内の有力選手24人を未来のオリンピック選手にすべく、育成しています。
アカデミー生の永友隼斗(ながともはやと)選手(折尾高校)は平成27年度のインターハイで準優勝。アカデミーの成果は着実に表れている
「まだ経験が浅いのでどうしても波がある、それをどうなくすかが課題」とユンコーチ(左)。「話しやすくて何でも相談できる」と久米選手は信頼を寄せる
水球を体験する生徒。女子水球は、2000年のシドニーオリンピックから正式種目となった「福岡県タレント発掘事業」受講生を中心に、女子選手の強化があまり行われていない競技の体験教室などを実施。また、2020年の東京オリンピックを視野に、国内外トップレベルの女性アスリートを招へいし、将来世界で活躍できる女子選手を発掘・育成・強化します。併せて強化拠点の整備、女性指導者の育成にも取り組みます。


県では、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致や大会の成功に向け、全庁一体となって取り組むための対策本部を今年8月に立ち上げました。
スポーツが盛んで、プロチームの活動や国際大会の開催でも実績のある福岡県。今後も世界のトップアスリートに身近に接する機会をつくることで、本県のスポーツ推進のみならず、青少年の健全育成や地域の活性化に取り組みます。