





福岡県では、地域住民や地域づくり団体、NPO、市町村などと協働して、
さまざまな地域資源を生かした地域振興プロジェクトを進めています。
このコーナーでは、そんなプロジェクトを通じて、地域の未来をつくる元気な人々をご紹介します。
筑後川や耳納(みのう)連山などの豊かな自然に恵まれた筑後地域。おいしい農産物や食文化があり、ものづくりやアートも盛んです。
こうした地域の魅力を生かそうと2011年から始まったのが「ちくご定住促進プロジェクト」。これまでに200組以上の応募があり、昨年までに体験居住した61組のうち、8組が移住を決めています。一方で、「仕事を見つけるのが難しい」といった移住への課題も明らかに。このため、2013年からは広報誌の製作委託や木工や酒造りのスキルを学ぶ体験型のサポートプログラムなど、体験居住者が移住しやすい環境づくりに力を注いでいます。
そうした中、筑後市では、県の芸術文化交流施設「九州芸文館」と市内の久留米絣(かすり)工房、アドバイザー役の「福岡R不動産」と連携し、体験居住するアーティストによる「久留米絣」をモチーフにした現代アート作品の制作や九州芸文館での展示・発表、住民との交流などを行っています。
筑後市役所の松永俊さんは「昨年、九州芸文館が地元に開館したことや、筑後地域が伝統工芸の盛んな地域であることから、アートをテーマにしました。久留米絣を通じて、地域性や歴史に触れてもらえれば」と話します。
九州芸文館の小川徹也さんも「筑後は歴史的に見ても、クリエーティブな力を持つ地域。移住希望者との良い関係づくりが新たな定住につながり、筑後地域全体がより豊かになっていくのでは」と語ります。
実際に働きながら住みやすさを体感してもらう「ちくご定住促進プロジェクト」。暮らす人の思いと創意工夫で、地域の可能性をさらに広げています。
筑後ネットワーク田園都市圏構想
平成16年に、筑後地域12市町(大牟田市、久留米市、柳川市、八女市、筑後市、大川市、小郡市、うきは市、みやま市、大刀洗町、大木町、広川町)と福岡県が一体となって発足。「豊かさ」と「ゆとり」をテーマに、定住促進、観光、IT、教育と子育て、スローフードなどを柱としたさまざまな地域活性化プロジェクトに取り組んでいる。