ホタルの里として知られる山あいの小塩地区。「きくらげを新たな特産品に」と、平成23年に3軒のシイタケ栽培農家が集まり、「うきはきくらげ研究会」を発足しました。
「きくらげは、ほとんどが輸入の乾燥品です。国内生産はわずか数%と希少価値が高い上に、食物繊維を含み栄養価が高い点にも着目しました。栽培も割と簡単です」と話す代表の山下勝嘉さん。
現在、5軒のハウスで栽培しているきくらげは、市内3カ所の直売所での販売と、小・中学校で味噌汁やシチューなどの給食に使用。
「コリコリした食感が好きみたいで、子どもたちからお礼の寄せ書きをもらって嬉しかったです。今後は安定した品質と収穫量を目指し、メンバーを増やしていきたい」と皆さん。
“おいしい”の声を励みに研究は続きます。
(1)成育中の生きくらげ。1つの菌床から1kg弱収穫される (2)きくらげの収穫期は4〜10月。平成24年度は生900kg、乾燥220kgのきくらげを収穫した (3)「乾燥きくらげ」(500円)。「道の駅 うきは」など市内直売所で販売
癒し効果を科学的にもたらすと実証された地域を指し、現在、全国に57カ所ある「森林セラピー基地」。うきは市は、平成20年、県で初めて認定されました。
「つづら棚田」や「巨瀬(こせ)の源流」の散歩道を巡るセラピーロードを導くのは、市認定の「癒しの旅先案内人」。30代から70代まで35人がガイドを務めます。
「杉木立の中、目を閉じて鳥が何羽鳴いているかクイズを出したり、五感を使って歩くのは気分爽快です」と話す会長の井上秋男さん。希望する参加者に散策前と後で行うストレス測定では、ほとんどの人のストレスが軽減しているそうです。
昨年度には参加者数1万人を突破。「癒しのまち」うきはの魅力を伝え、参加者と地域との交流と絆を深めています。
今年5月で24回目を迎えた「小さな美術館めぐり」は、アートをテーマに、白壁土蔵造りの商家が立ち並ぶ筑後吉井の町並みを巡る文化イベントとして知られています。
「歴史ある白壁の町並みを生かしたいと、地元の作家など20人で始めたんですよ」と、副会長の重冨貞美さんは振り返ります。当時はこうしたイベントが少なかったため、初回からたくさんの観覧者でひしめき合ったのだそう。回を重ねるごとに収蔵コレクションや絵画、写真、書など、多彩な分野で創作活動を続ける人の出展が増え、今年はお寺や喫茶店、ギャラリーなど会場は30カ所に。
「その場に作者やコレクターがいて、話ができるのが何よりの魅力なんです」と実行委員会の皆さん。町を舞台に、これからもアートを通じてふれあいの場を育てます。
(1)期間中は、福岡銀行吉井支店のウインドウも展示会場に (2)毎年5月の連休に開催し、1〜2万人が訪れる。会場での作者やコレクターとの交流も楽しみ
江戸時代、巨瀬川の氾濫を太鼓を打ち鳴らし知らせていたことを発祥とする「みざれ太鼓」。小学生の児童らが復興し、その後、消防署の青年部や商工会の女性部が加わり、現在23人に。「みざれ太鼓保存会」として、来年、活動35周年を迎えます。
大小の濁流を表現した迫力ある伝統曲「みざれ太鼓」などレパートリーは10曲。毎年、うきは祭りや地域の高齢者施設の慰問などで演奏を披露するほか、昨年は九州北部豪雨災害復興支援のチャリティステージに出演。また、国内外で活躍する和太鼓ユニット「TAO」との共演も果たしました。
「聴いてくれた人たちが手拍子したり“元気になった”と言ってくれるのがうれしい」と話す副会長の伊藤貞子さん。躍動感あふれる演奏は、多くの人の感動を呼んでいます。
(1)毎年11月に開催される市民イベント「うきは祭り」での演奏 (2)練習は週に2回約2時間。親子参加もあり、技術やチームワークが培われるそう