本文へ移動

グラフふくおか 2013冬号 winter 通巻573号平成25年12月20日発行(季刊) 発行 福岡県 県民情報広報課

目次に戻る

きらめきマイタウン −鞍手町

写真:木月池(きづきいけ)

木月池(きづきいけ) ヘラブナ釣りのポイントとして知られ、豊かな自然が残る木月池の夕景。野鳥も多く生息する

地産地消の想いを給食や体験学習で子どもたちに

鞍手町農業女性の会(たんぽぽの会)

 「鞍手町農業女性の会(通称たんぽぽの会)」は、平成15年に地元農家の女性たちによって発足。「町の宝である子どもたちに農業と食の大切さを伝えたい」と、町内産の農産物を学校給食に利用する取り組みから始めました。
 「役場などの協力もあって、今では地元の野菜が町内の小中学校全8校で食べられています。食べ残しも少なくなったんですよ」とほほ笑むのは、代表の安増千代子さん。
 平成18年からは町の特産品の大豆に着目し、種まきから収穫、みそなどへの加工までを行う農業体験学習を開始。
 「子どもたちの笑顔を見ていると地元の食への関心が高まっていることが実感でき、ずっと続けていこうという気持ちになる」と会員の皆さん。
 たんぽぽの会の活動も10年を迎え、綿毛が運ぶ種は町内各地で芽吹いているようです。

写真:「たんぽぽの会」の皆さん 写真:種まき体験に興味津々の子どもたち写真:10月に行われた枝豆の収穫と販売会の様子

(1)「たんぽぽの会」の皆さん。若手の女性会員も増え、現在18人 (2)種まき体験に興味津々の子どもたち (3)10月に行われた枝豆の収穫と販売会。2校26人の小学3年生が参加

巨峰の町の新ブランド 「若摘み巨峰」で地域活性

夢工房くらて

 地域活性化のため、平成20年に鞍手町商工会が注目した「若摘み巨峰」とは、大粒の巨峰を育てるために摘み取られる熟成前の果実のこと。
 「研究の結果、糖分はゼロですが、成熟した実と比べてポリフェノールが約3倍多く含まれることがわかったんです。これを使って鞍手独自の加工品を開発できないかなと取り組みを始めました」と、担当の梅田将文さん。
 変色などの問題をクリアし、苦労の末、商品化したのが「若摘み巨峰の白ワイン」と「若摘み巨峰のコンフィチュール(ジャム)」。販売元として「夢工房くらて」を設立し、平成22年の発売以来、ワイン約1万本、コンフィチュール約3000個を売り上げました。爽やかな甘酸っぱさが特に女性から好評を得ています。巨峰に続く鞍手ブランドとしての定着を目指します。

写真:巨峰のコンフィチュール 写真:若摘みされる熟成前の巨峰の実写真:「販路を増やしていきたい」と話す梅田さん

(1)コンフィチュールはあえて種と皮を残すなど、食感も楽しめるよう個性を追求 (2)若摘みされる熟成前の巨峰の実はきれいなエメラルドグリーン (3)「販路を増やしていきたい」と話す梅田さん

思い出の味を復刻! 町を盛り上げる特産品に

鞍手町商工会青年部

 昭和42年から40年もの間、町内で親しまれ、惜しまれながら閉店したお好み焼き店「きらく食堂」。3年前、鞍手町商工会青年部が商品開発に思いついたのが、その独特な味わいのソースの復刻でした。
 「辛くて酸っぱくてトロッとしたマニアックな味でした。B級グルメがはやり始めたこともあり、ユニークな特産品を作ろうと当時の店主に協力を依頼しました」と話す青年部部長の柿原豊人さん。
 レシピのないところから始まったソースづくりは、元店主の記憶をもとに、老舗ソースメーカーの協力も得て当時に近い味を再現。こうしてできた「きらくソース」は、「町に来て欲しい」との思いから、町内のみで販売しています。
 ソースを使ったレシピの大会など青年部の熱い想いをのせた認知度アップの活動が続きます。

写真:「第1回きらくソースグランプリ」 写真:「開発に2年をかけた」と話す柿原さん写真:きらくソース

(1)「第1回きらくソースグランプリ」では、公募レシピ35品の中から「トルティーヤ」が優勝 (2)「開発に2年をかけた」と話す柿原さん (3)飲食店に加え、理髪店など町内の応援店で販売

文化活動・スポーツを通じて くらてっ子の自主性を養う

鞍手町子ども会連絡協議会

 昭和35年に発足した「鞍手町子ども会連絡協議会」は、町内22地区371人の児童・生徒が加入し、スポーツや文化イベントを通して子どもたちの育成に力を注いでいます。
 その活動の集大成ともいえる「子どもフェスタくらて」は、今年で11回目を迎えました。5、6年生30人の実行委員を中心に、グループで協力し合い、自分たちのやりたいことを企画・立案・実施します。
 「今年一番の盛り上がりを見せたのは、おばけやしき。途中で逃げ出す子もいて、企画した子どもたちはその出来栄えに満足したようです。中高生になってからも、子どもフェスタのサポートをしてくれる子どもたちもいるんですよ」と話すのは、会長を10年務める遠藤靖彦さん。子どもたちが自主性を育み、成長する姿を見守り続けています。

写真:今年9月の「子どもフェスタくらて」の様子 写真:「鞍手町子ども会連絡協議会」の遠藤さん写真:体験活動の様子

(1)今年9月の「子どもフェスタくらて」の様子 (2)「この経験を生かして、社会に出た時にリーダーシップを発揮してほしい」と話す遠藤さん (3)火起こしからカレーづくりを行う野外活動などさまざまな体験活動を実施