毎年5月の大型連休中、全国屈指の観光客が訪れる「博多どんたく」。その歴史は古く、室町時代、博多に人工港を築いた平重盛に感謝する行事から始まったといわれます。
黒田氏の治世期には、毎年正月15日に、普段は入れない福岡城を博多の町人たちが訪れ、藩主を表敬して治安への御礼を言上するとともに、趣向を凝らした扮装や芸を披露して藩主から酒肴を振る舞われたとか。その様子が、櫛田神社蔵の「博多津要録」にも記されています。
恒例のパレードが繰り広げられた今年のどんたくでは、大河ドラマを来年に控えて黒田家16代当主・黒田長氏が馬に乗って登場。鎧兜(よろいかぶと)に身を包んだ黒田精鋭の武士たちとともに、沿道の観衆から盛んな喝采を浴びていました。
普段は東京在住の黒田長氏も、博多どんたくは毎年楽しみにされています。とくに今年は、先祖が大河ドラマの主人公になるため、感慨もひとしおのご様子。「福岡を訪れるたび、かつての家臣の子孫の方々ともお会いします。これからドラマも興味深く拝見したいですし、自然豊かで活気ある福岡が、県民の皆さんとともにますます発展してほしいと願っています」
春の桜や藤、夏のハスなど四季折々の花の名所としても有名。城内の「福岡城むかし探訪館」では、歴史も楽しく学べる。
木々に囲まれた静かな友泉亭には、「如水」の名を冠した茶室もあり、お茶会が開かれるほか写真撮影スポットとしても人気。
臨済宗大徳寺派の禅寺。旧福岡城の表御門を移築した山門は、福岡県指定文化財。黒田家墓所は、普段は非公開だが、今年と来年は一般でも見学が可能。
福岡藩主・黒田家の遺徳をしのび、郷土福岡の歴史文化を検証しようと、昭和22年に結成された団体。明治期に黒田家ゆかりの人々で結成された「報古会」を継いで改称。家臣の子孫や福岡の歴史に興味のある方々で結成され、黒田家墓所の清掃や、ゆかりの史跡探訪、勉強会などを行っている。平成23年に120周年記念の法要を行った。現在会員数約200人。
「福岡県史」、「黒田家文書・大岡舎人覚書」、「悲劇の豪商・伊藤小佐衛門」(石風社)、「黒田官兵衛の魅力」(姫路文学館)、「ふるさと歴史シリーズ・黒田藩、300年物語」(西日本シティ銀行)