麦畑遠く耳納連山の山並みと麦穂が風にそよぐ光景。見渡す限り遮るもののない筑後平野に広がる麦畑は、大刀洗町が誇る代表的な風景の1つ
大刀洗町役場の呼びかけで、今年度から活動を開始した「健康づくりサポーター」。
町内4校区で開かれている65歳以上の町民が対象の運動教室では、専門のトレーナーによる指導のもと、ウォーキングと念入りなストレッチが行われます。この教室で参加者をサポートするのが、事前に養成講座を受けた健康づくりサポーターの皆さん。参加者一人一人に気を配り、声をかけるように心がけています。サポーターを中心に地域で一体となって健康づくりに励むことを目標にみんなで楽しく汗を流します。
3回目の教室が開かれたこの日、本郷地区の公民館に集まった参加者は15人。週に一度、みんなで集まるひとときは、健康づくりだけでなくコミュニケーションを深める場としても大事な役割を担っています。
(1)希望者や推薦された人で構成された本郷校区のサポーターの皆さん (2)サポーターが身に着けるのは、大刀洗町のキャラクターをあしらったお揃いのTシャツ (3)つらいストレッチも笑顔でサポート
きっかけは、がん闘病中に友人から贈られた手作りの「タオル帽子」。末次由美さんが代表を務める「あいう笑がお」では、化学療法を受けている人に手作りのタオル帽子を贈る活動を行っています。町内の空家を活用したワークショップなどの活動は今年の2月で2年を迎えました。
2年間で作った約500枚の帽子は、すべて心のこもった手縫い。現在は、3カ月に一度、久留米市内2カ所の病院にタオル帽子を寄付しています。この活動に賛同して、製作ボランティアに訪れる人や、九州一円から作り方などの問い合わせが相次いでいるとのこと。
がん検診の大切さを伝えるため、自身の体験をもとに各地で積極的に講演活動も行っている末次さん。
「あなたの笑顔が見たいから」を合い言葉に笑顔の輪は広がっていきます。
(1)みんなでわいわい、慣れれば30分ほどで完成するそう (2)初回はプレゼント、2枚目からは1枚1000円で販売。タオルの寄付も随時受け付け中 (3)発病当時小学生だった娘さんが作ってくれた思い出のタオル帽子を手にする末次由美さん
筑後川の中流、大刀洗町三川にある床島堰(とこしまぜき)。江戸時代中期、筑後川の水を農業用水に生かそうと、久留米藩士草野又六と5人の庄屋の指導のもと、難工事の末、建設されたものです。その功績をたたえ、創作された「五庄屋太鼓」を伝承するのが、「五庄屋太鼓保存会」です。
地元の小・中学生約20人で構成され、太鼓歴22年の野口敏弘さんの指導のもと、週2回練習を重ねています。「バチの使い方を教えるだけで子どもたちは年々上達します」と野口さん。堰にぶつかる大小の波を表現した力強くしなやかなバチさばきは、子どものものとは思えないほどの迫力です。五庄屋が祭られた大堰神社水天宮大祭で演奏を披露するほか、久留米をはじめ地域のお祭りなどにも積極的に参加し、活動の場を広げています。
(1)練習は真剣そのもの (2)「大刀洗町を代表する伝統芸能に育てていきたい」と指導者の野口敏弘さん (3)草野又六と五庄屋をたたえる「五庄屋太鼓」を披露
本郷小学校の横を流れる筑後川の支流、陣屋川をきれいにしようと26年前に始めた清掃活動を前身に、平成6年に発足した「陣屋川を守る会」。約160人のボランティアが、年2回、周辺の草刈りやごみ拾いを続けています。平成16年には、長年にわたる取り組みが認められ、福岡県知事から表彰状が授与されました。
保全活動に加えて力を入れているのが、小学校での環境
学習。ニシキゴイの放流や、川の歴史、生態系について学ぶことで、子どもたちは陣屋川に対する愛着を持ち、川を守る大切さを育んでいきます。また、毎朝、コイの餌やりに合わせて、会のメンバーによる小学校前でのあいさつ運動も実施中。
地域のみんなで取り組むことで、陣屋川は美しかったかつての姿を取り戻しつつあります。
(1)陣屋川を元気に泳ぐ子どもたち手作りのこいのぼり (2)「陣屋川を守る会」の井上聖基さん(左)と森田勝典さん(右) (3)毎年10月に本郷小学校の児童と一緒に行うコイの放流