障害者の皆さんにとってもそれは同様であり、一人一人の能力に応じた働く場の確保、就労環境の整備が求められています。 「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、従業員が56人以上の民間企業においては、従業員数の1.8%以上の障害者を雇用することが義務付けられています。昨年の福岡県の民間企業における障害者雇用率は、1.7%。平成17年以降5年連続で上昇しているものの、法定雇用率に達していないのが現状です。 こうした状況を踏まえ、県では、就職機会を拡大するため、専用の相談窓口を設置。障害者雇用に意欲のある企業と就職を希望する障害者、双方への支援を行っています。 企業に対しては、雇用計画の段階からアドバイスを行い、採用後も支援が継続されます。 就職を希望する障害者の皆さんには、就職相談から職業紹介、就職後の職場定着に至るまで、一貫した支援を行っています。 また、求人企業から具体的な業務の内容や雇用条件などが聞ける「雇用促進面談会」を定期的に開催。企業の求人数も増えており、就職につながる機会となっています。
昨年の春に誕生した芋焼酎「自立」は、県と玄海はまゆう学園(宗像市)、誠心園(嘉麻市)が共同開発したまごころ製品です。「自立」という名称には、「障害者が自立を目指す」「この焼酎を飲んで自立を応援する」という思いが込められています。 障害者の皆さんが丹精込めて育てたさつま芋(ジョイホワイト)を原料とし、醸造には県内酒造メーカーが協力。口当たりがよく、フルーティーな味わいが好評で、販売初年は1,800本が完売しました。今年度は6施設が参加。3月に、8,000本が出荷される予定です。
縫製品を手がける授産施設等では、「さをり織り」を生かした製品の共同開発を進めています。 今年度、セルプちくほ(飯塚市)とワークなごみ(北九州市)が協力して、“時間を超えて受け継がれるもの”をコンセプトに、「さをり織り」を使った巾着を開発しました。 「互いの技術やノウハウをプラスすることで、より魅力的な製品ができました。消費者が求めているものを意識することも大切」とセルプちくほの指導員大庭洋子さんは話します。 「障害があっても、みんな明るく頑張っています。一つ一つ心を込めて手作りした製品を、多くの人に手にとっていただきたい」と熱い思いを語ってくれました。
ワークランド・こすもす(築上町)では、無添加のパンや菓子を製造。特に食パンは、しっとりした食感が好評で、レストランでも採用されるなど、地域で大人気です。 昨年からは、共同開発製品「まほろばパン」づくりにも挑戦。県産小麦粉や奄美のきびざとう、長崎の塩など、九州産の材料にこだわった逸品です。 施設長の荒巻みほさんは「独自のアレンジを加えた食パンや、地元産のゆずや米粉を使ったパンもつくる予定です」と意欲を見せます。 また、販路開拓員の取り組みにより、地域の企業や病院、道の駅へと、販路が広がっています。