大人も子どもも
笑顔で暮らせる
心豊かな福岡県に

3月の福岡県知事選で再選された服部誠太郎知事による 2期目の県政運営がスタートしました。 FBS福岡放送アナウンサーで、県広報テレビ番組 「優&舞のもっと!知っトク!ふくおか」に出演している 伊藤舞さんが、福岡市・天神のワン・フクオカ・ビルディングに 誕生した起業家支援の新拠点「CIC Fukuoka」で、 2期目の抱負や知事が描く福岡の未来像などを聞きました。

「志」を持って課題に挑戦

打合せスペースで話す2人

伊藤

2期目がスタートしました。今どんな思いでしょうか。

服部

多くの県民の皆さまのご信任をいただき、ありがたく思っています。同時に、知事という職の責任の重さと大きさを改めてかみしめています。
当選直後のインタビューで浮かんだのは「志」という言葉です。福岡をみんなが安心してたくさんの笑顔で暮らせる県にすること、そして、九州、ひいては日本の発展をリードしていく県にするという強い志を持って、県政を前に進めていこうと思いました。

伊藤

初めて知事に就任された4年前と今回とで、見える景色に違いはありますか。

服部

県職員として長く行政に携わり、副知事もさせていただきましたが、負っている責任と権限の違いという意味からも、副知事と知事とでは見える景色がやはり違います。4年間、知事を務めさせていただく中で、県内各地域それぞれの課題を現場で感じました。いろいろな課題に挑戦し、乗り越えていかねばなりません。

アジアの活力とともに成長  

CICのロゴが入った小石原焼きのマグカップ

伊藤

4年の間にいろんなことがあり、天神の街も大きく生まれ変わろうとしています。4月にはワン・フクオカ・ビルディングが開業し、今回、CIC Fukuokaを対談の場として選ばれましたが、今後CICに期待することはありますか。

服部

今や、私たちの産業経済も暮らしも世界と切り離されては成り立たず、発展も望めません。常に世界を見て、未来を見据えて、施策を企画し、実行していくことが重要です。福岡に進出してくれたCICは発展の起爆剤です。先進的なアイデア、技術を強みにイノベーションを生み出し、新しいビジネスを創り出すスタートアップをいかに短期間で成長させていくのか、私たちの大きなテーマです。

伊藤

CICの開設はアジアで2カ所目ですよね。

服部

はい、東京の虎ノ門ヒルズに続き、ワン・フクオカ・ビルディングに開設されました。CIC代表は福岡を選んだ理由として、アジアとの近接性や、バイオ、宇宙をはじめとする先端技術など、本県産業が持つポテンシャルを考えた結果と言われていました。
CIC Fukuokaにアジアのさまざまなスタートアップに入居していただき、日本企業との間に化学反応が起き、新しいビジネスが生まれる場所になることを期待しています。県としても、成長著しいアジアの活力を取り込み、アジアに打って出ることは非常に重要です。

伊藤

CICには、福岡県のスタートアップ支援拠点も開設されますね。

服部

「グローバルコネクト福岡」、略して「グロコネ」です。県職員6名が常駐します。素晴らしい支援プログラムを持つCICと連携し、スタートアップの資金調達や人材マッチング、海外進出などを支援するスタートアップエコシステムを形成していきます。

賃上げと価格転嫁の好循環 

大川組子の壁面装飾

伊藤

その一方で、県内で守っていくべき産業もありますね。

服部

その通りです。福岡県の経済の原動力は中小企業です。中小企業が元気でなければ我々の経済は成り立ちません。私は「人を育てる」ということを施策の一番に挙げていますが、中小企業が成長するには人材の確保が不可欠です。あらゆる分野で人材獲得競争が厳しくなっている今こそ、中小企業の持続的な賃上げを可能にして、人材を確保し、成長へとつながる循環を生むことが重要です。このため、適正な価格転嫁の実現と、中小企業の皆さん自身による経営革新を支援し、生産性を向上させ、中小企業の体力を強くしていかなければなりません。
CICはスタートアップの支援施設と申し上げましたが、中小企業にも若手後継者が新しい分野にチャレンジする「アトツギベンチャー」と呼ばれる方がいます。また、第二創業の位置付けで新しい分野に取り組む「サッシンベンチャー」もいます。このような挑戦する中小企業をスタートアップの一つの形態として支援していきます。

伊藤

県民の皆さんが自分の大切なものを守りながら、いい形で未来を向いて働けることが理想ですね。

服部

福岡県に暮らす若い皆さんが、結婚し、安心して子どもを産み育てるためには、県内各地に働く場が必要です。このため、企業誘致もしっかり進めていきます。1期目では200件以上の誘致に成功しました。誘致企業と地場企業との取引も拡大していけば、地域の中小企業が強くなり、雇用機会も広がると思います。

伊藤

私は山梨県出身で、19年前に福岡に来ました。その時から感じているのは、「福岡の方って本当に福岡が大好き」ということです。会う人、会う人が福岡の魅力をプレゼンしてくれます(笑)。そんな皆さんのマインドは、福岡県の大きな財産ですね。

服部

そうですね。企業誘致に当たっても必ず聞かれるのは人の話です。人材供給の面はもちろんですが、非常に開放的で、新しい仲間を温かく迎え入れる県民性を評価いただいています。

Information

CIC FUKUOKA

アメリカに本拠を置き、起業家支援などを手がけるケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)による日本国内2カ所目の拠点。コワーキングスペースや大小143 の個室、16 の共用会議室などを備える。福岡県の「グローバルコネクト福岡」も開設され、連携してスタートアップを支援する。

福岡市中央区天神1-11-1
ワン・フクオカ・ビルディング7階

https://jp.cic.com/cic-fukuoka/

女性の活躍をしっかり応援

伊藤

福岡の皆さんはとても元気で、ご自身で起業したり、私の周りでも同世代の女性が多く活躍しています。

服部

女性の力なくして、経済も地域社会も、維持・発展は望めません。ジェンダー平等を推進し、女性の活躍をしっかり応援することは県政の大きなテーマです。1期目では女性の創業を支援するための融資制度を新たにつくりました。さらに、起業する上で、先輩起業家の方々に話を聞いたり、指導を受けたりできる「Bloom(ブルーム)福岡」を立ち上げました。博多駅ビルで開いている働く女性の交流の場「福岡キャリア・カフェ」も好評で、北九州と久留米、飯塚でも開催することにしました。夢に向かってチャレンジする女性に出会いとチャンスを広げる機会を提供していきたい。
農業や建設業も女性の活躍が期待される分野です。福岡県の基幹産業である農業の就業者は、平均年齢が70歳に近づいており、若い人に参入していただき、女性に活躍してほしい。優れた加工品を生み出す6次産業などでも、女性のアイデアや技術が大いに発揮されると思います。

伊藤

私も県内各地で、農家の方のお話を聞くことが多いのですが、この5年くらいで若い方が増えたと感じます。女性の農家さんにもよく会います。

服部

性別を問わず、若い皆さんに夢を持って参入してもらえないと、1次産業の未来は描けません。「儲(もう)かる」「稼げる」産業にするため、先端技術の導入など生産力を向上させる施策を進めています。同時に商品としていかに付加価値を高めて売るかも重要です。輸出を含め、素晴らしい産品を少しでも高く買っていただき、生産者に利益が還元される仕組みをつくっていきたい。

伊藤

年末年始は山梨に帰省するのですが、スーパーに「あまおう」が並んでいると、すごくうれしくて誇らしい気持ちになります。おいしさが全国的に認められていると実感します。

服部

「あまおう」が代表的ですが、福岡が誇るブランド品は他にもたくさんありますよ。ただ、産地間の競争は厳しい。常に新しい品種や技術の開発を進め、同時に、それを生産する人材を育成していく必要があります。

人材の育成は全ての基本 

伊藤

斉藤優さんと2人で担当している福岡県の広報テレビ番組も5年目に突入しました。私は小学生の娘がいるのですが、県の取り組みを取材する中で、青少年の育成にかなり力を入れていると感じています。

服部

先ほどの産業の話にも当てはまりますが、未来を切り開いていくのは「人」。「人こそ財(たから)」で、人を育てることは全ての礎(いしずえ)だと思っています。ちょっとした科学体験、就業体験を通じ、自分の可能性に気づくチャンスを提供したいと、「未来子どもチャレンジ応援プロジェクト」にも取り組んでいます。
世界で活躍できるアスリートを発掘・育成する「福岡県タレント発掘事業」では、パリ五輪のメダリストが誕生しました。パラスポーツでも「フクオカ・パラスター・プロジェクト(F-STAR)」を始めましたが、皆さんの能力の高さに驚かされます。障がい者によるアート作品も「まごころアートFUKUOKA GALLERY事業」として社会参加を後押ししていますが、素晴らしい感性を持った人がたくさんいらっしゃいます。
私の座右の銘は「自らの内にある無限の力を信じよ」という言葉です。自分の中にある力を信じるという意味だけではなく、その力を引き出せるように努力することの大切さを言っているのだと思っています。努力して自らの力を引き出し、自らの可能性に挑戦し、世界に羽ばたいていく若者たちを応援したい。

伊藤

福岡の未来がますます楽しみになります。みんなが活躍できて、もっとすてきなまちになるといいですね。

服部

住みたいと思うまちは、美しいまち、心豊かに暮らせるまちですよね。県では福岡市と一緒に「一人一花運動」を全県に広げようと取り組んでいます。県内のまちを花で美しく彩るだけではなく、文化芸術を身近に感じられる心豊かなまちにしたいと思います。みんなで力を合わせて、「そこに住みたい」「住み続けたい」と思えるまちづくりを進めていきたいと思います。

伊藤

では、最後に県民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

服部

現状を見ると、極めて厳しい安全保障環境や原材料価格の高騰、米国関税措置への対応、超少子高齢化の中でいかにサステナブルな社会をつくっていくかなど、非常に難しい課題が山積しています。人口減少が進む中で、東京一極集中がよく指摘されますが、本県も福岡市への一極集中が進んでいます。人口の偏在により、疲弊する地域をいかに活性化していくか。賃金と物価の好循環の実現も、まだまだ道半ばです。災害対策と被災地の復旧復興も喫緊の課題です。先送りすることができない課題に真っ正面からぶつかり、これらを乗り越えて初めて、福岡県の発展・飛躍があると考えます。
年齢や性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、誰もが各々の能力を存分に発揮して輝くことができる福岡県を目指します。私は、県民の皆さまを「ど真ん中」に置いて必死に考え、リーダーとして、責任を持って決断し、実行してまいります。

Information

福岡県広報番組

「優&舞のもっと!知っトク!ふくおか」

毎週土曜11:40 ~11:45に放送。「知っトク記者」の斉藤優さんと番組キャスター・伊藤舞さんのコンビで、福岡県の取り組みやイベント情報などを楽しく分かりやすく伝えている。福岡県の公式ユーチューブチャンネル「ふくおかインターネットテレビ」では、撮影後のインタビュー動画なども配信している。

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