「対話のまち」大刀洗町住民たちの提言でもっと住みよい町に

知事が各地へ出向き、地域で活躍中の皆さんと意見交換する「知事といきいきトーク」。
今回は、「対話によるまちづくり」を進める大刀洗町を訪問し、住民協議会の活動など地域への愛情や展望を熱く語り合いました。

大刀洗町で活躍する皆さん

土山 美穂(つちやまみほ)さん-1

大刀洗町住民協議会OG

安丸 麻花(やすまるあさか)さん-2

たちあらい広報モデル

井上 宰継(いのうえただつぐ)さん-3

株式会社みいの寿
代表取締役社長

花等 順子(かとうよりこ)さん-4

大刀洗グリーンツーリズム
協議会 会長

宗貞 貴洋(むねさだたかひろ)さん-5

菊池校区センター センター長

大刀洗町職員-6

※ 町にゆかりのある菊池武光公の甲冑(かっちゅう)(レプリカ)を着用

中山 哲志大刀洗町長-7

服部 誠太郎県知事-8

村田 まみ大刀洗町地域振興課長-9

町民が町のために語る協議会

町長

町は、対話によるまちづくりの一環で2014(平成26)年から「住民協議会」を設けています。協議会は年度ごとに無作為で抽出された町民で構成しています。累計339人が参加し、防災やごみ減量化などで答申をいただきました。

土山

2021~23年度の住民協議会に参加しました。参加者と意見を交わす中で、気軽に話せる場の大切さを感じた経験から、子育ての悩みを持つママの交流会を開いています。また、私は腸活サロンを経営しているため、サロンに来られる女性のお客様から起業についての相談を受けることがあります。中には「起業したいが私にできるか不安」という声もありますが、県の施設で起業について相談できるところはありますか。

知事

住民協議会の提言から実現した資源回収拠点「MEGURU STATION(めぐるステーション)」を見学しましたが、住民の声が施策に生かされて素晴らしいと思いました。
県には女性起業家をオンライン相談などでサポートする「Bloom(ブルーム)福岡」があります。また、2024年度には女性向けの創業資金の支援も始めました。

宗貞

2024年4月に菊池校区センターのセンター長に就き、子どもがアルミ缶を持参すると数などに応じて駄菓子がもらえる「子ども駄菓子屋」を開設しました。取り組みを続けていくために次のセンター長は子どもに担ってもらうことも構想中です。

知事

同センターには子ども駄菓子屋に加えて資源回収拠点「MEGURU STATION」があり、子どもたちはごみを14種類に分別し、資源に変えることを学べます。このことは、県が進める人・動物の健康と環境の健全性を一体的に守るワンヘルスの観点からも素晴らしい取り組みですね。また、県でも子どもの声を施策に生かすため、春に「こどもまんなかポータルサイト」を開設しました。

アイデアで地域おこしに一役

井上

酒蔵「みいの寿」社長で、県酒造組合の副会長も務めております。食用米の高騰を受けて、県が先駆的に始めた酒米生産の支援制度は、大変ありがたいです。ヒョウ柄で知られる村田まみ課長にちなんだヒョウ柄ラベルの新商品「大刀ハイボール」は、大阪や香港でも好評です。

知事

育てるのが難しい酒米が低価格でしか売れない状況では作物の転換が進む恐れがあることから、支援制度を設けました。「三井(みい)の寿」は品評会はもちろん、飲食の場でも高評価です。ヒョウ柄ラベルのハイボールもアイデア商品ですね。

花等

町をPRしたいとの思いから、大刀洗グリーンツーリズム協議会を2019年に発足しました。地元の人は町には「何もない」と言いますが、広い空、黄金の田んぼなどいろいろな魅力があります。また、農泊の希望者が多い時には朝倉市と協力して宿泊者を受け入れています。町をPRできるうれしさがモチベーションです。

知事

県全体で協力できれば、一度にもっと多くの宿泊者を受け入れられそうですね。農作業体験だけでなく、今村天主堂での歴史学習や、大刀洗平和記念館(筑前町)での平和学習と組み合わせることで地域の魅力を発信していきましょう。

「孤育(こそだ)て」にしない

安丸

4児の母ですが、移住前は子育ての弱音を吐けず、とても不安でした。町に移住し、子育て支援センター「ちゃお」に通い出してからは、そこで出会った人たちに元気をもらっています。また、町が行っている産後ケアサービスには、とても癒やされました。町の人は温かく、町が大好きになったことから、町の発行物の撮影に協力する「たちあらい広報モデル」にも登録しました。現代の子育ては「孤育て」とも言われますが、新しい助け合いの仕組みをつくるのが夢です。

知事

人の温かさは町の魅力の一つですね。「孤育て」とならないよう地域での支え合いも大事ですが、家庭内の役割分担もカギだと思います。県では、「共家事、共育て」を当たり前にするため、まずは男性が家事のやり方を楽しく学ぶ動画の作成に取り組みたいと考えています。今日はありがとうございました。

菊池校区センター

大刀洗町山隈1711-3

0942-77-3891

イベントやコミュニティー活動などの場として地域住民が広く利用。敷地内の資源回収ステーション「MEGURU STATION」では、循環型社会づくりを通して住民同士の交流も進んでいる。毎週木曜には、子どもがアルミ缶を持参すると個数などに応じて駄菓子がもらえる「子ども駄菓子屋」を開く。


今村天主堂

大刀洗町今707

0942-77-2671(町生涯学習課)

1913(大正2)年に完成したレンガ造りの双塔の聖堂で、2015(平成27)年に国の重要文化財に指定され、現在は耐震補強を行うため改修中。民間団体が歴史的価値などを伝える活動を展開している。「これだけの規模の天主堂を、ずっと守ってこられた地域の皆さまに敬意を表します」(知事)


大刀洗町こども家庭センター

大刀洗町冨多819

0942-77-6205( 町こども課)

妊娠から育児期まで切れ目なく支える施設として2024年5月に開設。親子で遊び、相談もできる子育て支援センター「ちゃお」や、悩みを抱えた子どもたちが気軽に通えるこども自立サポートセンター「ドリーム」を備える。

BACK NUMBER

SOCIAL MEDIA