「食のまち」宗像市
生産と消費の循環で
ずっと住みたいまちへ

知事が各地へ出向き、地域で活躍中の皆さんと意見交換する「知事といきいきトーク」。今回は、「食のまち」を掲げる宗像市を訪問し、生産や販売、食育に携わる皆さんと、食を通じた地域振興への意見を交わしました。

宗像市で活躍する皆さん

中谷 光子(なかたにみつこ)さん-①

宗像市食生活改善推進会 会長

井上 恵美(いのうええみ)さん-②

玄海小・中学校 栄養教諭

福島 光志(ふくしまひとし)さん-③

株式会社農業福島園 代表

清水 陽介(しみずようすけ)さん-④

宗像市認定農業者

中野 和久(なかのかずひさ)さん-⑤

道の駅むなかた 駅長

福地 幸子 県議会議員-⑥

井上 正文 県議会議員-⑦

服部 誠太郎県知事-⑧

伊豆 美沙子宗像市長-⑨

赤田 篤史宗像市秘書政策課長-⑩

地域一丸で「食育」

※)ぎすけ煮…小魚と大豆を揚げて甘辛く味付けした福岡県の郷土料理

市長

宗像市は、地産地消の促進に向け、食育を意識した給食の提供や、地元食材を使った特産品開発も行っています。

中谷

市食生活改善推進会は、小学生に郷土料理を教えたり、中学生にアジの三枚おろしを指導したりしています。県の減塩プロジェクト「TRY!スマソる?」とも連携し、2023年度のスマソルレシピコンテストでは会員が魚介部門で第2位を受賞しました。

知事

郷土料理を大切にし、普及しようという熱意を強く感じます。試食でいただいた※ぎすけ煮と穴子飯は、とてもおいしいです。魚をさばく技術を子どもに伝えることは、魚離れの防止も期待でき、いい取り組みですね。福岡県民は塩分の摂取量が多い傾向にあるため、県も生活習慣病予防のための減塩を強く呼びかけていきます。

井上

宗像市は全国でも珍しく、全小中学校で給食の自校調理を行っています。毎月19日の週を「むなかた育ちウィーク」として、全校で地元食材をふんだんに使った給食を提供します。子どもたちは生産者を紹介する資料や動画を見て、感謝を深めています。給食食材の納入業者の方と一緒に食べる「招待給食」などの機会も設けています。

知事

地元生産者の皆さんが作られた素晴らしい食材を子どもたちが知り、味わうことができて良いですね。工夫を凝らした取り組みは大変参考になります。

進む農業の大規模化

福島

祖父母から農業を継ぎ、今年で18年目です。米の無農薬栽培と直接販売を進めるとともに、田んぼは当初の約3ヘクタールから21ヘクタールに拡大しました。2017(平成29)年からは、周囲の農家と無農薬栽培した酒米「山田錦」で酒をつくる「宗像日本酒プロジェクト」に取り組んでいます。

知事

猛暑で米栽培はいっそう難しくなっており、県では新品種の開発を進めています。農業の大規模化は生産性・収益の向上につながるため、農地の面積拡大や法人化も重視しています。無農薬栽培などの付加価値を発信し、消費者に理解していただくことも大切ですね。

清水

就農20年で米、麦、大豆、露地野菜を約40ヘクタール作付けしています。県が開発した大豆の新品種「ふくよかまる」は実証段階から栽培していますが、茎が倒れにくく育てやすいです。また、小学生の農業体験にも関わり、子どもたちと大豆の収穫や田植え、稲刈りを一緒にやっています。
一方、農家の減少や高齢化で周囲の協力の大切さを痛感しており、私自身も地域に役立てるよう努めています。大区画化やスマート化も進めて効率の良い農業をしていきたいです。

知事

当初から「ふくよかまる」を栽培いただき、ありがとうございます。県は農業のDX推進を掲げ、大規模化やスマート農業を応援しています。若い皆さんが夢を持って参入できる「もうかる」農業に向けて、一緒に頑張りましょう。

サステナブルな取り組み

中野

道の駅むなかたは両政令市の中間に位置していて立地が良く、豊富な品揃えで、九州の道の駅では14年連続売り上げNo.1です。年18億円ほどを売り上げ、600人を超える出品者の所得向上に貢献しています。旅行情報サイトの全国道の駅グランプリ2025で第2位となり、多くのお客さまに評価いただけたことが大変うれしいです。積極的な情報発信やイベント開催、地元食材を使ったプライベートブランド商品の開発、周辺の飲食店との連携も進めています。

知事

人を引きつけ、楽しませる多角的な取り組みが長年の高評価につながっており、ご努力に敬意を表します。プライベートブランド商品では市場に出せない魚や野菜も活用され、サステナブルな素晴らしい取り組みです。
地球温暖化が進行する中、今後も豊かな食を守るには地球環境も守っていく必要があり、これは県が進めるワンヘルスの考えにも通じます。引き続き皆さんと力を合わせて取り組みたいと思いますので、よろしくお願いします。

道の駅むなかた

宗像市江口1172

0940-62-2715

宗像の新鮮な魚介や農産物が豊富にそろう直売所は、九州の道の駅でトップの売り上げを誇る。2024 年には、花や工芸雑貨を扱う「higoro(ひごろ)」が東館にオープンするなど、施設がさらに充実。プライベートブランド商品の開発などフードロス対策にも取り組む。


宗像陸上養殖株式会社

宗像市江口1414-1

0940-72-4506

2023 年からサーモンの陸上養殖に取り組む。防疫管理を徹底することでワクチンや薬を使わず、季節や天候に左右されない生産体制を確立し、年中、最もおいしい状態のサーモンを供給する予定。2025 年中に初出荷し、西日本最大級となる年間500 トンの供給を目指す。


市立城山(じょうざん)中学校

宗像市陵厳寺1-13-1

0940-36-1322(市安全安心な学校づくり課)

2024年1月に供用開始。高い耐震性や市内初の空調完備の体育館など、災害時の避難所防災機能を強化。体育館のトイレは、多様性に配慮し、柔軟な運用が可能な男女共用個室を整備。

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