40年近い会社員生活にピリオドを打った毅司さんは、落ち着いて生活できる環境を求めて今年5月、妻の初枝さん、長女・つぶらさんの家族3人で北九州市に住まいを移しました。約20年前の転勤で知った北九州の魅力を満喫しながら、家族の絆を大切に笑顔の新生活を送っています。
毅司さんは大学卒業後、食品会社を経て、東京の電子機器メーカーに勤務。2004 〜09(平成16〜21)年、北九州市の営業所に配属され、「住民の人柄の良さ、魚のうまさが忘れられませんでした」と当時を振り返ります。
昨年3月、60歳を前に退職。リタイア後は移住することを夫婦で決めており、「あくせくせず、適度に刺激のある環境で過ごしたいね」と話し合っていたそうです。
意中にあったのは、知人たちとの交流が続いていた北九州市。ダウン症の長女への手厚い支援がある東京を離れることに不安もありましたが、東京・有楽町の「ふくおかよかとこ移住相談センター」で複数の就労支援施設を紹介され、その親身な対応で気持ちは固まったといいます。
つぶらさんは、週3日、就労支援施設に通って野菜のパック詰めなどに従事。作業するうちに、苦手だったトマトを食べられるようになったそう。他にも、人付き合いで程よい距離感を保てる北九州市の地域性や施設の方々のきめ細かいサポートが相まって、以前より性格も穏やかになったそうです。初枝さんは「娘が元気になり、その良い変化を見ていると本当にうれしい」と笑顔を見せます。
「マイペースで、地域の人たちとのつながりを大切に暮らしていければ」と毅司さん。初枝さんは「娘をフォローしながら、一緒に元気に生きていきたい」と、つぶらさんの手をそっと握ります。
自宅に近い小倉城の周辺を散策するのが一家の楽しみ。寄り添って歩く3人の周りに「笑顔の時間」が流れています。
北九州市への移住や定住を希望・検討している人が会員登録することで、引っ越し基本料金の割引や賃貸住宅の仲介手数料割引などの特典を受けられます。
東京、名古屋、大阪圏から移住して就業、または起業した人に支援金(単身で60 万円、2 人以上の世帯で100 万円、子ども加算あり)を交付します。対象となる人には条件があります。