最近関心を集めている福岡県への移住。
福岡に来て10年以上になる先輩移住者2組に、
ここでのくらしについて聞いてみました。
田川郡川崎町
片桐慎(かたぎり しん)さんご家族
周囲を山々に囲まれたのどかな集落に、片桐慎さん一家の住まいはあります。「伸び伸びと子育てしたい」という夫婦の思いから、知人の紹介で訪れたこの地の景色に魅せられ、29歳の時に東京から移住。無農薬で作った米や野菜を販売したり、職業訓練校の講師や管理人など複数の仕事をしながら、生計を立てています。
田舎出身の妻の助言もあり隣組、子ども会、消防団、祭りなどの行事に積極的に関わりながら地域に溶け込んだという片桐さん。「役目を引き受け過ぎて体調を崩したことも。でも、その積み重ねで僕の人となりを知ってもらえましたし、必要とされることが生きる実感につながったんだとも思うんですよ」と振り返ります。
ここに来て16年目。今は林業で地域を活性化させたいと計画中。「移住に必要なのは、熱い思いと勢い。その先は努力や知恵が要りますが、自分にとっては最高の選択でした」と、生き生きと語ってくれました。
東京にいた頃は、写真関係の仕事に追われ、生き方を模索していたという片桐さん。「僕の撮る写真には農作業をするおじいちゃんとか、生活感のある被写体が多くて。そういう人を撮って世の中に伝えるんじゃなくて、そういう人に憧れていたんだと気付いたんです」とほほ笑みます
八女市
矢賀部鉄也(やかべ てつや)さん・恭子(きょうこ)さん夫妻
「ゆくゆくは自然豊かなところで生活したいね」。30年間長崎県佐世保市で共働きをしていた矢賀部鉄也さん・恭子さん夫妻は10年前、恭子さんの故郷・八女市へ。
元々ものづくりが好きだった恭子さん。大学では八女の和紙を使って卒業制作を手掛けました。戻ってきてしばらくたった頃、たまたま立ち寄った店で八女の和紙と再会し、創作への情熱が再燃。創作活動の場「Atelier Ki to Te(アトリエきとて)」が生まれました。「夫も同じ大学の芸術学部だったので、今は一緒にデザインを考えながら、作品を作っています」と、朗らかな笑顔を見せます。
「故郷とはいえ世代交代していて、ご近所付き合いは一からのスタート。アトリエや作品展のお客さんを介して少しずつ輪が広がりました。自然が豊かで、ゆっくりとものづくりができる環境が八女市の魅力。毎日本当に充実しています」と語る恭子さん。夫婦二人三脚で第二の人生を紡いでいます。
「くしゃくしゃにしわを寄せてできた陰影や風合いのある和紙が好き。平面から立体を生み出す作業が楽しい」と、和紙造形作家として活動中の恭子さん。アトリエにはモダンなアクセサリーや照明などのインテリアが、鉄也さんの作る木工作品とともに心地よく置かれています
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