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2017 秋号 AUTUMN 通巻588号 平成29年9月20日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

宗像大社 辺津宮

宗像大社の総社「辺津宮(へつみや)」を巡る

 沖ノ島にある沖津宮(田心姫神)、大島の中津宮(湍津姫神)、九州本土にある辺津宮(市杵島姫神(いちきしまひめのかみ))の宗像三女神を祭る三宮をもって、宗像大社といいます。辺津宮は、その宗像大社の総社です。こちらも、「宗像歴史観光ボランティアの会」の船村さんに案内していただきました。「一の鳥居、二の鳥居をくぐると、心字池(しんじいけ)、右手に神職が祭祀の準備をする斎館(さいかん)、左手に勅使館(ちょくしかん)が見えます。正面が拝殿と本殿ですね。本殿を囲むように並ぶのが108の産土神(うぶすながみ)を祭る境内末社(けいだいまっしゃ)です」

 参拝を済ませ、本殿の横にあるご神木の楢(なら)の木陰で一休みしました。樹齢550年を超える大木で、宗像大社の神紋は、この楢の葉の形になっています。船村さんは、拝殿の脇に立つ灯籠を指しながら、寄進したのは宗像の鶏卵問屋だと語ります。江戸時代の宗像は鶏卵の一大産地。「宗像のすき焼きが鶏すきなのはそのためなんです」。こういう地元ガイドならではの豆知識も楽しみの一つ。

 本殿の横からうっそうとした木々の間を抜けていくと、宗像三女神の降臨の地とされる高宮祭場があります。「最近、パワースポットとして人気です」と、船村さん。秋季大祭の最終日には、この場所で巫女(みこ)が神楽舞(かぐらまい)を奉納する幻想的な「高宮神奈備祭(たかみやかんなびさい)」が催されます。

高宮祭場
この周辺では、古代から沖ノ島と同様の祭祀が行われていたことが分かっている。

 

宗像大社 神宝館

沖ノ島の国宝8万点を収蔵

古代から現代まで連綿と続く、宗像三女神への崇敬に関わる神宝や資料、文化財を収蔵、展示しています。収蔵品の中心は沖ノ島の神宝の数々。学術調査では約8万点もの奉献品(一括して国宝)が出土し、その一部を展示しています。

宗像市田島2331番地
電話 0940-62-1311
ファクス 0940-62-1315
開館時間:9時~16時30分
休館日:年中無休
拝観料:一般800円、高大生500円、
    小中生400円(割引料金あり)

 
辺津宮

杮葺(こけらぶ)きの本殿は大宮司 宗像氏貞(だいぐうじ むなかたうじさだ)が、天正6年(1578)に再建。拝殿は、戦国時代に一時期、筑前を治めていた小早川隆景(こばやがわたかかげ)が天正18年(1590)に再建した。

辺津宮
 
宗像大社秋季大祭

みあれ祭平成29年10月1日(日)

 みあれとは“神が誕生する”こと。年に一度、宗像三女神が一堂に会するお祭りです。漁船に乗せられた田心姫神・湍津姫神の神輿は、大島から地島(じのしま)沖を通り、神湊に向かいます。

みあれ祭

高宮神奈備祭平成29年10月3日(火)

 秋季大祭を締めくくる祭典。みあれ祭でお迎えした宗像三女神に感謝をささげます。静かに、かつ力強い巫女たちの舞は、観客を太古へといざなうかのようです。

高宮神奈備祭
 
 
 

新原・奴山古墳群

宗像一族が眠る
新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群

 海に向かって一直線に並ぶ古墳群。その先の洋上には大島が見えます。「なぜ、ここが世界遺産に選ばれたのか。この風景が全てを物語っています」。そう語るのはふくつ観光協会ボランティアガイド・福津いさば会の永松春一(ながまつしゅんいち)さんです。
 新原・奴山古墳群は、玄界灘の海の道を縦横無尽に奔(はし)り、沖ノ島祭祀を担った古代豪族・宗像氏が5世紀から6世紀にかけて築いた墳墓群です。かつての入海(いりうみ)に向かう台地の上には、前方後円墳5基、円墳35基、方墳1基が、状態のよい形で残されています。
 はるか大島や沖ノ島へ続く海を意識して古墳群を築いた宗像氏。新原・奴山古墳群は、朝鮮半島へ向かう海路を往来する中で信仰の伝統を築いた海の民の誇りを感じさせます。

新原・奴山古墳群
 

ボランティアガイドの永松春一さん(左)と大久保敏夫さん

ふくつ観光協会ボランティアガイド(福津いさば会)

「現在、養成講座を受けた約35名がガイド登録をしています。7月に世界遺産に登録されてから、毎日、10時から17時の間、新原・奴山古墳群の展望所に交代で詰めています。おかげさまで、多くの見学者に訪れていただいています」

申し込み・問い合わせ/ふくつ観光協会
電話 0940-42-9988
ファクス 0940-42-9989

 

もっと!世界遺産を感じるスポット

[ 海の道むなかた館 ]

宗像の歴史を楽しみながら学び、体感できる施設です。「海の道」をテーマにした常設展示室をはじめ、勾玉(まがたま)づくりなどの体験学習室があります。また、上陸できない沖ノ島や古代の歴史アニメーションを3Dで楽しめる3Dシアターがあります。

宗像市深田588番地
電話 0940-62-2600 ファクス 0940-62-2601
開館時間:9時~18時
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
入館料:無料

海の道むなかた館
 

 

[ 大島交流館 ]

大島に伝わる有形無形の歴史や文化を学んだり、大島の観光情報を収集できるスポットです。大島の世界遺産を紹介する施設として、3面シアターなどを用い、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の価値を大島を中心に紹介しています。

宗像市大島901-4
電話/ファクス 0940-72-2797
開館時間:10時~16時
休館日:火曜日 (祝日の場合はその翌日)、年末年始
入館料:無料

大島交流館
 

 

[ カメリアステージ歴史資料館 ]

福津市内から出土した文化財や歴史資料を展示し、市内の歴史を紹介する施設です。新原・奴山古墳群についての展示もあり、遺産群の価値を知る上で見逃せません。

福津市津屋崎1-7-2
電話 0940-72-1207 ファクス 0940-72-1210
開館時間:11時~21時
休館日:火曜日(祝日の場合はその翌日)、毎月最終水曜日、年末年始
入館料:無料

カメリアステージ歴史資料館
 

[ 九州オルレ 宗像・大島コース ]

オルレとは、自然を五感で感じながら楽しむトレッキングコースのことです。宗像・大島コースは県内で最初に設けられたオルレです。11.5kmのコース中には、中津宮や沖津宮遙拝所などの世界遺産が含まれるほか、島内で一番ロケーションがよい風車展望所や砲台跡へも向かいます。

福岡県観光情報クロスロードふくおか http://www.crossroadfukuoka.jp

九州オルレ 宗像・大島コース