

会長
栗焼憲児さん(後列左端)

地域ボランティアの堀正弘さん
(前列右端)
福岡県では、地域住民や地域づくり団体、NPO、市町村などと協働して、
さまざまな地域資源を生かした地域振興プロジェクトを進めています。
このコーナーでは、そんなプロジェクトを通じて、地域の未来をつくる元気な人々をご紹介します。
神楽とは、五穀豊穣や無病息災を願って、神々への祈りをささげるために奉納される歌舞のこと。全国各地の神楽が時代の流れとともに数を減らしていく中、京築地域では特色のあるさまざまな神楽団体が今もなお盛んに活動を続けており、人々の手によって大切に守られています。
この「神楽の里」京築を内外にアピールし、地域づくりに生かそうと発足したのが「神楽の里づくり推進協議会」。現在32の神楽団体と地域ボランティアが参加し、複数の団体が共演する定期公演や九州国立博物館・北九州芸術劇場での公演など、地域や団体の垣根を越え神楽を広くPRする活動を行っています。また、「日本一の神楽の里づくり」を目指す「京築連帯アメニティ都市圏構想」の推進と連動することで、観光振興や次代への継承にもつなげています。
協議会の会長、栗焼憲児さんは「地域の食と神楽を組み合わせたイベントには毎年たくさんの人が訪れています。都市部などでの公演の反響も大きく、それをきっかけに地元の神楽に足を運んでくれる人も多い」と手応えを感じています。
父親が舞う姿に憧れ、高校生の時から「三毛門(みけかど)神楽講」に所属する内丸典久さん(写真後列右端)は「神楽がいろいろな人とのつながりを作ってくれている。若い自分たちが中心になって次世代につないでいきたい」と語ります。
伝統を守り伝えていく一方で、ジャズやオペラとの融合など新しい挑戦も始まっている京築神楽。古くからの伝統芸能が、地域の人々の絆をさらに深め、地域全体の振興に新たな息吹を運んでいます。
京築連帯アメニティ都市圏構想
平成19年に福岡県と行橋市、豊前市、苅田町、みやこ町、吉富町、上毛町、築上町が一体となってスタート。神楽などの地域資源を生かしながら、「産業の力」「文化の力」「教育の力」を柱とした地域活性化プロジェクトを推進しており、特産品開発や体験・滞在型観光ツアー、神楽の重要無形民俗文化財指定に向けた運動などさまざまな取り組みを行っている。