- 福岡県では、戦前・戦後を通じて、全国で4番目に多い5万人以上の県民の皆さまが海外に移住されています。移住された方々は、言葉はもとより、気候、風土、文化などが異なる厳しい環境の中で、互いに支え合いながら、多くの困難を乗り越え、現在の日系人社会の基礎を築くとともに、それぞれの移住先の国の発展に大きく貢献してこられました。
現在、こうして本県から移住された方々やその子孫の方々が組織した県人会が、世界9カ国に20、また、本県から海外に進出している企業の駐在員などの方々が組織した県人会が15の国・地域に19あり、それぞれ、現地と福岡県の交流の「懸け橋」として、大きな役割を果たしていただいています。
今年11月、こうした海外の県人会の皆さまが一堂に会する「第10回海外福岡県人会世界大会」を、6年ぶりに福岡県で開催します。
大会では、参加者の皆さまに、ふるさと福岡県の今の姿をつぶさに見ていただくとともに、広く県民の皆さまに、県人会の方々が世界で活躍されていることを知っていただきたいと考えています。
併せて、各国の料理が堪能でき、踊りや音楽で大いに盛り上がる「海外福岡県人会フェア」も開催しますので、ぜひご参加ください。
移住の歴史
福岡県から海外への移住は、1885年のハワイへの移住が始まりです。1900年代になると、移住先は、ハワイから米国本土やカナダ、メキシコなどへ、さらにペルー、ブラジルなどの南米にまで広がりました。
移住された人々は、言葉、気候、風土など全く異なる環境の中で大変な苦労をされながら、日本人としての誇りを持ち続け、その勤勉さ、教育熱心さで非常に高い評価を得ます。ブラジルでは、「ジャポネース・ガランチード(信頼される日本人)」とたたえられるなど、移住国の発展に大きく貢献してきました。
世界に広がる県人会のネットワーク
福岡県を故郷に持つ人々が親睦・交流を深め、お互いに助け合いながら異国で生活していくために組織した「海外福岡県人会」。歴史の長い県人会は、今から100年以上も前に組織されました。
また、近年では、グローバル化が進み、日本企業などの海外進出が増える中、福岡県出身の駐在員などが現地で県人会を結成して活動するケースも出てきています。
移住者による福岡県人会※年は設立年
北米
- 1バンクーバー福岡県人会 1981年
- 2レスブリッジ福岡県人会 1981年
- 3トロント福岡県人会 1980年
- 4シアトル・タコマ福岡県人会 1907年
- 5サンフランシスコ福岡県人会 1950年
- 6南加福岡県人会 1908年
- 7カウアイ福岡県人会 1985年
- 8ハワイ福岡県人会 1957年
- 9コナ福岡県人会 1967年
- 10ハワイ島福岡県人会 1967年
中南米
- 11メキシコ福岡県人会 1952年
- 12コロンビア福岡県人会 1978年
- 13マナウス福岡県人会 1959年
- 14ベレン福岡県人会 1969年
- 15トメアスー福岡県人会 1975年
- 16ブラジル福岡県人会 1930年
- 17パラグアイ福岡県人会 1958年
- 18アルゼンチン福岡県人会 1965年
- 19ペルー福岡県人会 1959年
- 20在ボリビア福岡県人会 1973年
企業駐在員などによる福岡県人会
アジア
- 21ソウル博多会 1980年
- 22大連福岡県人会 1998年
- 23北京福岡県人会 1992年
- 24在上海福岡県人会 1996年
- 25台湾福岡県人会「梅友会」 2002年
- 26香港福岡県人会 1977年
- 27ハノイ福岡県人会「ばってん会」 2012年
- 28ホーチミン福岡県人会 2007年
- 29ヤンゴン福岡賢人会 2016年
- 30タイ国福岡県人会 1992年
- 31在マレーシア福岡県人会 2013年
- 32シンガポール福岡県企業会 2007年
- 33インドネシア福岡県人会「飛び梅会」 1999年
- 34マニラ福岡県人会 2002年
- 35デリー福岡県人会 2010年
欧州
- 36英国福岡県人会 1980年
- 37オランダ福岡県人会 2006年
- 38在仏福岡県人会 1999年
その他
- 39シドニー福岡県人会 2015年
次世代の交流
- 海外県人会子弟の招へい
- 次世代の県人会活動の「担い手」である子どもたち(小学校高学年)を本県に招き、日本文化の体験や同世代の子どもたちとの交流を行っています。
- 移住者子弟留学生(県費留学生)
- 県人会の後継者育成のため、県人会会員の子どもなどを、留学生として1年間受け入れています。留学生は、県内の大学や専門学校などで専門知識や技能を習得するとともに、本県の伝統、文化、産業、経済などの理解を深めます。
県費留学生 稲田 明 アウミーさん(ブラジル・トメアス—福岡県人会)の声
福岡に来ることは、子どもの頃からずっと私の夢でした。日本で初めて見た景色に「ただいま」という言葉が自然に出ました。なぜなら私の祖父が、福岡を出て3か月以上船に乗りブラジル・アマゾンのジャングルまでたどりついて、お風呂・おいしいお米なし、ゼロから森を伐採し、家族を育て、やっと私が福岡に来ることができたからです。福岡に来て、私の歴史が始まったルーツがここにあるということを強く感じました。
今後は、日本とブラジルの子どもたちが夢を持って大きく羽ばたくための架け橋になりたいと思っています。
世界で活躍する福岡県人
ジョージ アリヨシ(米国)
元ハワイ州知事
1926年ハワイ州のホノルル生まれ。父が豊前市出身の日系2世。1974年に全米初の日系人州知事に就任しました。
知事在任中の1981年、福岡県とハワイ州の姉妹提携を締結。知事在任期間12年は過去最長となっています。退任後も、ハワイ州と福岡県の懸け橋となり尽力されています。
テルミ マツオ(パラグアイ)
パラグアイ共和国外務副大臣
父は、八女市出身で1958年に移住。パラグアイ外務省の外交官学校で学び、在ブラジル大使館一等書記官、アジア・アフリカ・オセアニア局長、ニューヨークの国連代表部、駐チリ大使を歴任し、2015年6月に事務方のトップである外務副大臣(外務次官)に就任しました。パラグアイ外務省の幹部に就任した初の日系人です。
information第10回海外福岡県人会世界大会
世界各地の海外福岡県人会が一堂に集まり開催される世界大会。県人会活動の情報共有や福岡県との関係強化のため、1992年より3年に1度、世界各地で開催されており、今年は、6年ぶりに福岡県で開催されます。
- 【日 程】
- 11月6日(水)~9日(土) ※海外福岡県人会フェアは10日(日)まで
- 【内 容】
- ①記念式典(6日)、②代表者会議(7日)、③ふるさと訪問(8日)
④海外福岡県人会フェア(9日~10日)
※④は、ふくおか町村フェアと同時開催。各国料理の屋台の出店や、特設ステージでの各国芸能の披露など。一般の方も参加可能です
- 【場 所】
- ①②ホテルニューオータニ、③県内4地区、④天神中央公園
問い合わせ:
第10回海外福岡県人会世界大会実行委員会事務局
☎092-725-9204 ファクス092-725-9205