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福岡が誇る伝統的工芸品

 古くから海外諸国との交流窓口としての役割を果たしてきた福岡県。 そのような地理や風土、歴史的背景から、県内には7つの国指定の伝統的工芸品をはじめとして、多彩な工芸品が数多くあります。
 今年は、博多織伝来から777年、久留米絣考案者(井上伝)の没後150年という節目の年。 福岡県では、全国の伝統的工芸品が一堂に集まる「伝統的工芸品月間国民会議全国大会(KOUGEI EXPO)」を開催し、国内外に日本の伝統文化や工芸品の魅力を広く発信します。

福岡県の国指定伝統的工芸品

経済産業大臣によって定められた要件(主として日常生活で使用、主要工程が手作り、100年以上前から続く技術や技法など)を満たした工芸品

  • 博多織(生産地:福岡市ほか)

     その伝来から今年まで777年もの歴史を持つ博多織。多くの経(たて)糸に、緯(よこ)糸を強く打ちこむことで厚く、張りのある生地に織り上がるのが大きな特徴で、昔から和服や浴衣の帯として愛され続けてきた。江戸時代には、幕府への献上品にも選ばれた特別な織物。

  • 博多人形(生産地:福岡市ほか)

     1600年に筑前福岡藩の藩主に集められた職人による素焼き人形がルーツ。本物の着物のように見える彩色、人形の顔に生命を吹き込む面相といった、高い技術から生まれる繊細さと優雅さ。どこかほっとする和みの表情にも癒される逸品。

  • 上野あがの(生産地:福智町)

     江戸時代初期の茶人・小堀遠州(こぼりえんしゅう)が作らせた茶道具を焼いた全国7カ所の窯「遠州七窯(えんしゅうなながま)」に数えられる茶陶の一つで、当時の茶人たちに大変好まれたという歴史が残っている。特徴は薄作りで軽いことと、多彩なうわぐすりを用いる点。色彩豊かで独特な風合いも魅力的。

  • 小石原焼(生産地:東峰村)

     イギリスの陶芸家バーナード・リーチに「用の美」と称賛された民陶・小石原焼。独特の文様、土の温かみを感じられる素朴さが現代のライフスタイルになじむこともあり、全国的にファンが多い焼き物の一つ。

  • 八女提灯(生産地:八女市ほか)

     八女地方の竹や、澄んだ水から生まれた和紙、絹などを素材にして誕生した八女提灯。お盆や祭りの風物詩であるだけでなく、文化の粋を集めた逸品でもある。

  • 久留米絣(生産地:久留米市、筑後市、広川町ほか)

     200年以上にわたり受け継がれてきた綿織物。かすれ、にじみと呼ばれる柄のズレが特徴で、先染め織物だからこそ生まれる優しい風合い、温かみを感じられる。元々、農家などの仕事着に使用されてきた久留米絣は、着心地が良く、機能的。

  • 八女福島仏壇(生産地:八女市ほか)

     荘厳華麗な仏壇で、漆塗り、隅々まで使用された金箔、手作りで行われる精巧な技法を継承した金具工程など、伝統的な格調高い金仏壇。6部門に分かれた熟練の職人がそれぞれの技術を駆使することでできあがる仏壇は、職人技が結集した総合芸術。

  • 福岡県知事指定特産民工芸品

     福岡県で製造される郷土色が豊かで、一定の伝統性を有する工芸品・民芸品。現在34品目が指定され、県内のみならず、日本中の人々に愛されています。

    八朔の馬(芦屋町)

    福岡積層工芸ガラス(福津市)

小石原焼カネハ窯 熊谷 裕介(くまがえ ゆうすけ)さん
小石原焼カネハ窯
熊谷 裕介
(くまがえ ゆうすけ)さん

小石原の“伝統”と“感謝”を伝えたい

 小石原焼は原材料の土をはじめ、うわぐすりとなる木灰やわら灰が農村の暮らしの中で採れることから約350年絶やさずに築いてきた歴史があります。平成29年7月九州北部豪雨で被災しましたが、東峰村と44軒の窯元が団結して10月と5月の民陶祭で元気な姿を発信しました。

高度なろくろ技術の一つでもある“飛び鉋(とびかんな)”。自然への恩恵と作品への情熱が、指先から伝わる瞬間

 近年は福島県の相馬焼との相互支援なども行い、「培ってきた伝統技術で全国とつながり、日本を元気にしたい」と語るのは、カネハ窯の3代目陶芸家であり小石原焼陶器協同組合の理事を務める熊谷裕介さんです。11月の全国大会では普段使いの和食器はもちろん、グラフィックアーティスト・WOK(ウォック)22の感性を融合させた作品を発表することで、感謝の気持ちを伝えたいと意気込んでいます!

第35回伝統的工芸品月間国民会議全国大会福岡大会 -KOUGEI EXPO-

【日程】
11月1日(木)~4日(日)
※1日(木)は関係者を対象とした記念式典を開催
【メイン会場】
マリンメッセ福岡(福岡市博多区)
【内容】
  • 伝統的工芸品の展示、販売、実演、体験
  • 県知事指定特産民工芸品の展示
  • 伝統的工芸品と県内大学のコラボ展

このほか、県内伝統的工芸品産地市町村でさまざまなイベントを
開催

※写真は昨年開催された東京大会の様子

福岡よかもんひろば

 伝統工芸品などの常設展示や触って学べるコーナーに加え、企画展やイベントも随時開催しています。同じフロアには、大川インテリアに触れてくつろげるラウンジやカフェを併設しています。

  • 所在地:
    福岡市博多区東公園7-7 福岡県庁11階
  • 利用可能時間:
    平日8時30分~17時15分(年末年始を除く)
  • 問い合わせ:☎ 092-645-1835 ファクス 092-645-1836

アクロス福岡・匠ギャラリー

 県の伝統的工芸品と県知事指定特産民工芸品を常設で展示。週替わりで県内の民工芸作家による作品展を開催し、匠による手仕事の魅力を紹介しています。

  • 所在地:
    福岡市中央区天神1-1-1 アクロス福岡2階
  • 利用可能時間:
    10時~18時(年末年始を除く)
  • 問い合わせ:☎ 092-725-9100 ファクス 092-725-9102

問い合わせ:観光政策課 ☎ 092-643-3454 ファクス 092-643-3431