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ふくおかの食 そうめんちり(糸島市)

そうめんちり写真

具材は鶏もも肉、タマネギ、糸コンニャク、「ふれあいの里」では厚揚げに変えて、つゆのうま味をたっぷり含む高野豆腐を使用

白糸の滝を背景に青木さん(写真後列右端)とスタッフの皆さん

糸島市の南部、羽金山(はがねやま)の中腹に位置する「白糸の滝」。この辺りの地域に伝わる郷土料理「そうめんちり」は、鶏肉のうま味がギュッと詰まったつゆでいただく温かいそうめんです。ザラメを使ったコクのある甘さが特徴で、具材にもしっかり味が染み込み、ゆずこしょうとの相性も抜群。

「海から遠いこの地域では、昔は新鮮な魚が手に入らなかった。どの家庭でも鶏を飼っていて、もてなしといえば鶏料理でした」と話すのは、白糸の滝「ふれあいの里」店長の青木一良(あおきかずよし)さん。この辺りでは初盆の家にそうめんを贈る慣習があり、農作業の合間に手軽に食べられるそうめんは、昔から家庭の常備品だったそうです。

「そうめんちり」は主に山手の地域でよく食べられ、同じ市内でも沿岸部ではあまりなじみがありませんでしたが、平成23、24年の「糸島グルメグランプリ i-1」での優勝をきっかけに、市内外での知名度が一気に上がりました。

現在、同市の長糸小学校では、ふるさとの味を伝える取り組みとして、「そうめんちり」作りを授業に取り入れています。また、高齢者を招待する集いや文化祭などで振る舞うと「やっぱりこれが一番」と喜ばれます。

例年、夏には涼を求める人でにぎわう白糸の滝ですが、冬のすがすがしさはまた格別。空気が澄み渡り、晴れた日には宗像市の大島まで見渡せます。薪(まき)ストーブのある食事処で、身も心も温めてくれる熱々の「そうめんちり」を味わってみませんか。

問い合わせ

白糸の滝 ふれあいの里

☎/ファクス 092-323-2114

開館時間 9時~17時(7月~8月は18時まで)

定休日 12月~3月のみ毎週水曜日、年末年始(12月29日~1月3日)