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祝!世界遺産登録決定

明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 

世界遺産登録決定中継式典の様子
(平成27年7月5日)

 このたび、「明治日本の産業革命遺産」がユネスコの世界文化遺産に登録されました。今も稼働中の産業施設を含む世界遺産の登録は、日本では初めてとなります。約10年、本県を含む8県11市、23資産の関係者の皆さまと一緒になって取り組んできたこのプロジェクトが実を結びました。ご支援、ご協力いただきました全ての関係の皆さまにあらためて感謝し、お礼を申し上げます。本県にとって、初めての世界遺産です。県民の皆さまとともに、この喜びを分かち合いたいと思います。
 これからがまた新しいスタートです。ぜひ一人でも多くの皆さまにこの資産の価値を知ってもらい、実際に訪れて見ていただきたいと思います。100年以上前に、この日本の国を近代産業国家にしていこうと取り組んだ先人たちの高い志や思いをあらためて思い返し、この大事な資産を将来の世代にしっかりと引き継いでいくとともに、地域の活性化のために生かしてまいりましょう。引き続き、皆さまのご支援、ご協力をお願いいたします。7月28日、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」のユネスコへの推薦が決定しました。世界遺産登録に向けて、頑張ってまいります。

技術立国・日本の礎を築いた未来への遺産

 わが国は、幕末から明治期にかけて、西洋以外の地域で初めて、かつ極めて短期間のうちに、近代工業化を果たし、飛躍的な発展を成し遂げました。
 「明治日本の産業革命遺産」は、世界に特筆すべき産業発展の過程を示しており、燃料である「石炭」、それをもとに発展した「製鉄・製鋼」、「造船」に焦点を当て、九州・山口及び関連地域に所在する資産を一連の資産群として世界遺産の持つ価値を証明しています。

*******全国8県11市に広がる構成資産により世界文化遺産に登録*******

 構成資産は九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島)・山口を中心に、静岡県伊豆の国市や岩手県釜石市など全国8県11市に所在していますが、人や物を通じて相互に密接な関連性があり、群として全体で一つの価値ある資産として、世界文化遺産に登録されました。

エリア1 萩 1-1 萩反射炉
1-2 恵美須ヶ鼻造船所跡
1-3 大板山たたら製鉄遺跡
1-4 萩城下町
1-5 松下村塾
エリア2 鹿児島 2-1 旧集成館
2-2 寺山炭窯跡
2-3 関吉の疎水溝
エリア3 韮山 3-1 韮山反射炉
エリア4 釜石 4-1 橋野鉄鉱山・高炉跡
エリア5 佐賀 5-1 三重津海軍所跡
エリア6 長崎 6-1 小菅修船場跡
6-2 長崎造船所 第三船渠
6-3 長崎造船所
  ジャイアント・カンチレバークレーン
6-4 長崎造船所 旧木型場
6-5 長崎造船所 占勝閣
6-6 高島炭坑
6-7 端島炭坑
6-8 旧グラバー住宅
エリア7 三池 7-1 三池炭鉱・三池港(宮原坑、
  万田坑、専用鉄道敷跡、三池港)
7-2 三角西(旧)港
エリア8 八幡 8-1 官営八幡製鐵所(旧本事務所、
  修繕工場、旧鍛冶工場)
8-2 遠賀川水源地ポンプ室
三池炭鉱・三池港

日本一の出炭量を誇った近代化の象徴

石炭の町として栄えた大牟田市。坑口、鉄道、港湾の諸施設がひとつながりの線上に展開して産業景観を形成しています。

三池炭鉱宮原坑

 宮原坑は、1898年から1931年まで年間40万~50万トンを出炭した三池炭鉱の坑口の一つです。現在は、1901年に完成した第二竪坑と関連する資産が残っています。

●三池炭鉱宮原坑
公開時間/10時~17時 見学無料、ガイドが常駐
所在地/大牟田市宮原町1丁目86-3
問い合わせ/大牟田市産業経済部商業観光課 0944-41-2750
アクセス/大牟田駅バス停から西鉄バス勝立方面へ
     早鐘眼鏡橋バス停下車徒歩8分

三池炭鉱万田坑

 熊本県荒尾市と福岡県大牟田市にまたがる三池炭鉱万田坑は、三池炭鉱宮原坑に続き開削された三池炭鉱の主力坑の一つです。1902年から1951年まで採炭が行われていました。

●万田坑ステーション
公開時間/9時30分~17時
休館日/毎月最終月曜日、12月29日~1月3日
入場料/大人410円、高校生300円、小・中学生200円 ガイドあり
所在地/熊本県荒尾市原万田200番地2(万田坑ステーション)
問い合わせ/万田坑ステーション 0968-57-9155
アクセス/国道208号万田西交差点から東へ
     県道荒尾・南関線に入り車で3分
     JR荒尾駅から産交バス倉掛方面へ
     万田坑前バス停下車徒歩1分
     JR荒尾駅から万田西交差点を経由し倉掛方面へ徒歩20分

三池炭鉱専用鉄道敷跡

 各坑口から産出した石炭を積出港へ輸送するために敷設された鉄道敷跡です。現在は、煉瓦造りの橋梁や橋脚などの構造物を見ることができるほか、諏訪川橋梁南側から万田坑まではウオーキングコースになっています。

所在地/大牟田市、熊本県荒尾市
問い合わせ/大牟田市産業経済部商業観光課 0944-41-2750
      荒尾市教育委員会世界遺産推進室 0968-63-1681
アクセス/JR荒尾駅から徒歩10分
     大牟田駅バス停から西鉄バス勝立方面へ
     早鐘眼鏡橋バス停下車徒歩1分

写真提供/国土交通省
九州地方整備局博多港湾・
空港整備事務所

三池港

 1908年に、干満差の激しい有明海に面する三池の地から直接大型船で石炭を積み出すために建設された、日本で唯一閘門式の船渠を持つ港です。重要港湾として今も使われています。

●三池港
駐車場・展望台有(10時~17時)見学無料、
駐車場にガイドが常駐
所在地/大牟田市新港町
問い合わせ/大牟田市産業経済部商業観光課 0944-41-2750
アクセス/大牟田駅西口から西鉄バス「三池港」行き10分、
     三池港終点下車すぐ

●三池炭鉱関連資産を巡る際は、まず大牟田市石炭産業科学館(0944-53-2377)へ
●観光ガイド(有料)の手配は、大牟田観光協会(0944-52-2212)へ

子どもたちが発信!炭鉱の歴史を次世代に

宮原坑の前で開催した世界遺産登録の
お祝い集会

 大牟田市立駛馬北小学校では平成25年12月、6年生の児童による「子どもボランティアガイド」が発足。三池炭鉱について学んだ授業の成果を発信したいと、月に1回宮原坑跡を案内しています。手作りのパネルを使ったガイドは分かりやすく、児童から元気をもらえると見学者にも好評です。「地元の歴史、そこに生きた人の声を代弁できるようになってほしい」との期待を受け、今後は授業を通してガイドの内容もさらに深める予定。世界遺産のまち大牟田の活性化につなげたいと、児童たちの夢は広がります。

ボランティアガイドの問い合わせ:駛馬北小学校 0944-53-6008(9月実施日は未定)

官営八幡製鐵所

日本の近代製鉄を担った世紀を越えた遺産

官営八幡製鐵所は、北九州工業地帯の基幹工場として日本の近代化を支え、我が国の重工業化の道を切り開きました。

官営八幡製鐵所旧本事務所

 1899年に完成した、日本と西欧の建設様式を併せ持つ製鐵所創業当初の建物です。1922年までは、本事務所として使用されていました。【非公開施設】

●官営八幡製鐵所旧本事務所眺望スペース
定休日/月曜日(休日・祝日の場合はその翌日)、年末年始
    ※8月は無休
公開時間/9時30分~17時(入場は16時30分まで)、見学無料、
     ボランティアガイドが常駐(10時~13時)
●官営八幡製鐵所旧本事務所眺望スペース周遊バス
(8月30日まで〈予定〉)

土・日・祝日のみ運行、無料、
スペースワールド駅~旧本事務所眺望スペース~
北九州イノベーションギャラリー
●見学、周遊バスのお問い合わせは、
北九州市総務企画局 世界遺産登録推進室(093-582-2922
観光ガイド(有料)の手配は、
北九州市観光協会(093-541-4189)へ
所在地/北九州市八幡東区大字尾倉他
問い合わせ/北九州市世界遺産登録推進室 093-582-2922
アクセス/最寄駅:JRスペースワールド駅から徒歩10分

官営八幡製鐵所修繕工場

 1900年、ドイツの製鉄会社、グーテホフヌンクスヒュッテ(GHH.)社が設計し、国内で建設された日本で現存する最古級の鉄骨建築物です。現在でも修繕工場として使用されています。【非公開施設】

官営八幡製鐵所旧鍛冶工場

 1900年、修繕工場と同じくGHH.社が設計し、国内で建設された鉄骨建築物です。機械据え付け用の金物や大型の工具を造っていました。【非公開施設】

官営八幡製鐵所遠賀川水源地ポンプ室

 遠賀川から11.4キロメートル離れた製鐵所まで水を送るため、1910年に完成しました。建物は今も当時のまま使用されています。【非公開施設】

所在地/中間市土手ノ内1丁目3番1号
問い合わせ/中間市世界遺産推進室 093-245-4665
アクセス/最寄駅:JR筑前垣生駅から中間市地域交流センターへ
     徒歩3分、センターからバス乗車5分
●遠賀川水源地ポンプ室
敷地外の眺望スペースより常時見学可
夏休みは毎日、それ以外は土日のみ観光ガイドが常駐(10時~16時)
中間市地域交流センター~ポンプ室へのバス有り(有料)
●観光ガイド(有料)、バスのお問い合わせは、
中間市世界遺産推進室(093-245-4665)へ

OBの経験を生かし、鉄都・八幡を紹介

東田第一高炉跡で
鉄づくりの工程を紹介

林 慶典さん

 北九州市では世界遺産のPRに市民が活躍しています。その一人、北九州市観光協会で観光ガイドを務める林慶典さんは、新日鐵出身。42年間勤めた経験を生かし、時には体験を交えながら、八幡製鐵所と周辺の見どころを紹介しています。「日本近代化の原動力となった、母なる製鐵所に勤めていたことは誇り。世界遺産登録を機に、『鉄鋼発祥の地・八幡』をもっとアピールしたい」と話します。今後は外国からの見学者を見込んで「英語での案内にも挑戦したい」と、新たな目標を掲げています。

見どころ&グルメ

東田第一高炉跡

 官営八幡製鐵所の第一号高炉。1901年に日本で初めて火入れが行われました。現存しているのは改修を重ねた10代目高炉です。

所在地/北九州市八幡東区東田2-3-12
開館時間/9時~17時
問い合わせ/北九州市市民文化スポーツ局文化企画課
      093-582-2391

三井田川鉱業所伊田坑
第一竪坑櫓/第一・第二煙突

 官営製鉄所建設地に八幡が選ばれたのは、筑豊炭田に眠る豊富な石炭があったからと言われています。伊田坑は筑豊炭田を代表する坑口で、第一竪坑は当時「日本三大竪坑」に数えられていました。石炭記念公園にそびえる2本の煙突は「あんまり煙突が高いので」と、炭坑節の一節に歌われています。

所在地/田川市大字伊田2734-1石炭記念公園内
問い合わせ/田川市石炭・歴史博物館 0947-44-5745

田川市石炭・歴史博物館

 石炭関連の資料が多く、炭鉱の歴史を伝えています。2011年5月、ユネスコ世界記憶遺産に登録された山本作兵衛翁の炭坑記録画・記録文書を所蔵・公開しています。(一部レプリカ)

所在地/田川市大字伊田2734-1
開館時間/9時30分~17時30分
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
問い合わせ/0947-44-5745

旧伊藤伝右衛門邸

 筑豊の炭鉱王、伊藤伝右衛門の本邸。明治30年代後半に建造。妻・柳原白蓮のために細部にまで贅を尽くしたと言われ、往時の繁栄をしのぶことができます。

所在地/飯塚市幸袋300番地
開館時間/9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日/水曜日(祝日の場合は開館)、12月29日~1月3日
問い合わせ/0948-22-9700

洋風カツ丼

大牟田市の老舗百貨店で愛されていた地元を代表するご当地メニュー。

KURO SELECTION

地域を支えた石炭の「KURO~黒~」をテーマにした、筑豊生まれのお菓子です。

田川ホルモン鍋

栄養満点、炭鉱労働者をはじめ田川や飯塚の人々に愛されました。

八幡餃子

製鉄所で働く男たちのスタミナ源として、八幡中に広まりました。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 世界文化遺産推薦決定!

 7月28日、世界遺産登録を目指す「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」 の国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦が決定しました。
 引き続き、平成29年度の世界文化遺産登録に向けた取り組みを進めていきます。

このマークがあるものは「ふくおかインターネットテレビ(http://webtv.pref.fukuoka.lg.jp)」で
動画を配信しています。

【問い合わせ】世界遺産に関すること…世界遺産登録推進室 092-643-3162
       関連する見どころ・グルメに関すること…観光・物産振興課 092-643-3429