グラフふくおか2025夏号
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玉水豆知識ほとばしる至福の甘さ123シ   が口いっぱいに広がり、思わず笑顔に。「びっくりするほど甘く、芳ほん醇で鼻に抜ける良い香りも特徴です。本当に、うまい」。朝倉市で4.3ヘクタールの農園を営む梨農家・窪山道人さんは、福岡県オリジナルの新品種「玉水」をそう絶賛します。玉水は、福岡県農林業総合試験場による初の独自品種の梨で、高い糖度と収穫時期の早さが特徴。主力品種の「幸水」に比べて糖度は2度ほど高い13~15度で、5日ほど早ャリッ――。ほおばると、爽やかな甘さい7月下旬頃に収穫が始まり、一足早く消費者の元へ届けられます。名前は、丸い形と「優れているもの」を意味する「玉」と、みずみずしさを表す「水」に由来。梨の栽培が盛んな県南部を中心に、生産が広がっています。2022年から本格的に出荷されており、市場や消費者からの評価は上々です。窪山さんは「他の梨にない風味で香りが良く、後を引くおいしさ。贈り物や自分へのご褒美にも、おすすめです」と話しています。うじゅ15  試験場が開発を始めたのは2009(平成21)年。幸水より早く熟す「あけみず」と「喜水」を交配して誕生し、2019(平成31)年に品種登録を出願しました。 JA全農ふくれんによると、2024年の玉水の販売量は19トンと、「福岡なし」全体(2615トン)の1%に満たず、まだまだ希少な存在。今年は40トンを販売する計画で、ブランドの確立に向けて、福岡県のほか、関東、関西に出荷され、百貨店などの店頭に並ぶ見込みです。2024年は、4Lサイズ(約380グラム)が980円前後で県内の百貨店の店頭に並びました。「食べる直前に冷蔵庫で冷やすと、よりおいしく味わえます」と窪山さん。梨農家が愛情込めて育てた、特別な夏の味覚をぜひ、味わってみてください。1.「おいしい玉水をぜひ食べてほしい」と窪山さん 2. 丸く整った果形の美しさも特徴 3. 梨園では 7 月下旬頃に収穫が始まる

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