グラフふくおか2025夏号
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海況予測情報をみて出漁宗像漁業協同組合鐘崎あまはえ縄船団宗像市海況予測で漁が効率的に() マート農林水産業 の現場を歩く ス    県内の漁業者にも、ICT(情報通信技術)によって効率化を図る動きが広がってきました。宗像市の宗像漁業協同組合に所属する「鐘崎あまはえ縄船団」は、九州大学などと連携し、水温や潮流といった情報を収集、主にアマダイやマダイの漁に役立てています。漁業者が漁場で観測機器を海中に投入すると、データが九州大学に送信され、スーパーコンピューターが潮流の向きや速さなどの海況予測を算出します。漁業者らは、その情報をスマートフォンやタブレットで確認し、7日先までの予測を見ながら操業の計画を立てていきます。全長約20キロメートルの漁具を海底に設置するはえ縄漁では潮の流れが重要です。流れが速すぎると、漁具の回収に時間がかかったり、破損したりします。このため潮の状況によっては、沖合に出た後に漁場を変更するケースもあるそうです。同船団の権ごんだ田和かずり徳のさんは漁業歴30年以上。3年前から出漁前に海況予測を確認し、漁具を投入する海域や日時を決めるようにしています。漁にかかる時間や船の燃料を節約でき、権田さんは「予測の精度が高く、効率的に漁ができるので助かっています」と笑顔で話します。13宗像市鐘崎778–5  0940-62-1500観測機器を海へ投入して水温・塩分などのデータを収集する出漁前に海況予測をチェックハウス内環境データの確認宗像漁業協同組合福岡県農業大学校(筑紫野市)

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