「四角いモノなら日本一」に2012(平成24)年、「増田桐箱店」の3代目に25歳で就いた藤ふじい井博ひろみ文ふさん。高校卒業後、先代の祖父に誘われて入社しました。さまざまな経験を積む中で、桐箱は、中に保管する品物の売れ行きに需要が左右されることを実感。「桐箱が主役」の商品開発を進めようと決意しました。米びつや野菜保管箱など多くの新商品を手がけ、海外にも販路を拡大しましたが、「勢いや感覚だけでやってきたことは正しかったのか」との疑問が湧き、県の事業に参加。自信を持って臨んだものの、講師たちに示した新商品のアイデアはことごとく否定されたといいます。「自分たちのこだわりと世の中のニーズとの乖かいり離を知り、人がモノを買う理由を深く考えるきっかけになりました」と振り返ります。そこで、大切なものをしまってきた桐箱の歴史とスニーカーブームに着目し、桐製のシューケースを開発しました。シューケースはCFで目標額の20倍近い購入希望があり、店の人気商品の一つに。現在は杉やヒノキ、未利用材など桐以外にも素材を広げ、家具や玩具、記念品など〝箱〟にとらわれない新ジャンルの商品も次々に打ち出しています。2029年、創業100年を迎える桐箱店。藤井さんは、「昔ながらの日本の商品を手に取ってもらえる工夫を追求したい」と意欲を燃やしています。受け継いできた「桐箱一筋」を転換し、「四角いモノなら日本一」を目指して新しい時代への挑戦は続きます。職人の手作業で仕上げを行う株式会社増田桐箱店古賀市青柳町100-1092-942-3061 古 賀 市増 田 桐 箱 店
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