知事が県民の皆さんのもとに出向き、地域で活躍されている皆さんと意見交換を行う「知事といきいきトーク」。今回は2023年8月に開業した「BRTひこぼしライン」※2 沿線の東峰村と添田町を訪問し、開業を契機とした地域の活性化について意見交換を行いました。
東峰村・添田町で活躍する皆さん
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梶原 達生さん(かじわら たつお)(①)東峰村棚田まもり隊代表
片岡 拓之さん(かたおか ひろゆき)(②)片岡酒造場代表
元永 彰一さん(もとなが しょういち)(③)小石原焼陶器協同組合代表理事
梶原 久さん(かじわら ひさし)(④)小石原焼陶器協同組合青年部長
藤田 明則さん(ふじた あきのり)(⑤)添田町観光ガイドの会会長
藤川 徹さん(ふじかわ とおる)(⑥)藤川椎茸園/一般社団法人ATOCHI DESIGN(アトチ デザイン)代表
髙瀨 舞さん(たかせ まい)(⑦)添田町地域おこし協力隊隊員
林泰輔 県議会議員(⑧)、中嶋玲子 県議会議員(⑨)、眞田秀樹 東峰村長(⑩)、
服部誠太郎 県知事(⑪)、寺西明男 添田町長(⑫)、神﨑聡 県議会議員(⑬)
持続可能な農業を模索焼酎・日本酒造りに生かす
梶原達 平成29年7月九州北部豪雨で被災した高齢農家に農業を諦めずに続けてもらうため、水路や田に入った土砂の撤去などを行ってきました。現在は棚田の復旧もほぼ終わり、休耕田を活用してサツマイモを栽培し、焼酎を造っています。
知事 歴史ある竹地区の棚田を守り続けていただき、ありがとうございます。県では6次化商品の開発に必要な専門家の派遣、試作やマーケットリサーチの支援をしていますのでぜひご活用ください。
片岡 九州北部豪雨からの復興の証しとして、自社での酒造りを再開しました。子どもの同級生の親仲間が協力してくれて、休耕田で酒米を栽培し、東峰村産の日本酒を製品化することができました。現在、大分県との合同で、BRT沿線での酒蔵開きを検討しています。
知事 4月から福岡・大分デスティネーションキャンペーンもありますし、隣県の酒蔵との連携は、すごくいいアイデアですね。九州は、「日本酒」のイメージがあまりない。県境を越え、九州全体として、お酒を売り込んでいくことが大事だと思います。
小石原焼の伝統を受け継ぎ未来担う世代に伝える
元永 令和5年梅雨前線豪雨で、多くの窯元が被災しましたが、再開に向けて動き出しています。一方で、高齢化が進み、窯元が少しずつ減ってきています。伝統産業の後継者育成には、技術面から5年、10年とかかるので、組合でもいろいろと対策を考えています。
梶原久 青年部では、他産地の窯元の視察や産地の方との意見交換、伝統的な登り窯の技法を学ぶ研修などを行って、若い世代の作品作りに生かしてもらっています。作品は、アクロス福岡の展示即売会などで販売しています。
知事 窯元の被災には、改めてお見舞い申し上げます。設備復旧の補助制度などを活用いただきながら、事業再開、継続に取り組んでいただきたい。11月には、アクロス福岡で復興支援販売会も行いました。1階の「匠ギャラリー」は、展示、販売ができるようにリニューアルしましたのでご活用ください。また、後継者育成のため、伝統工芸に関心の高い学生に就業体験をしてもらうツアーを行っています。今後も地元の皆さんの声を聞きながら進めていきたいと思います。
BRTが人を呼び沿線の点と点を結んで発展へ
藤田 英彦山の参道ガイドや山伏(やまぶし)が修行した窟(くつ)巡りのガイドなどを行っています。添田町歴史民俗資料館「財蔵坊(ざいぞうぼう)」では、約800年の歴史がある土鈴(どれい)「英彦山がらがら」の絵付体験も行っています。
知事 非日常の空間を味わえる体験型ツアーは、国内外の観光客に好まれます。そうした空間を、地域の皆さんと一緒につくり上げていければと思います。
藤川 120年続く家業の原木椎茸の生産に携わっています。椎茸は、県のワンヘルス農林水産物に認証されています。また、友人と会社をつくり、英彦山のスケート場跡地をオートキャンプ場として2021年から運営しています。BRT開業を機に、地域振興の一端を担っていけたらと思っています。
知事 椎茸のワンヘルス認証取得ありがとうございます。安全で健康にもいい、椎茸の無農薬栽培を引き続き頑張っていただきたい。オートキャンプ場も好調ということで、BRTとも連携させながら、お客さんを呼べればと思います。
髙瀨 地域おこし協力隊として空き家対策や移住支援を行っています。今、町内の空き家を購入し、コワーキングスペースの整備をしています。BRT沿線の点と点を結び、それぞれの拠点が盛り上がることが地域の発展にもつながると思うので、私もそのピースとなれるように頑張ります。
知事 県では今年度からワーケーションを推進する企業を、首都圏をはじめ、全国から呼び込んでいるところです。コワーキングスペースの整備、非常に面白いですね。地域の点と点を結ぶツールとして、BRTを生かしていただきたいと思います。本日は有意義な話を聴かせていただき、ありがとうございました。