〈糸島周遊編〉

ゆっくりだから見えてくる風景、立ち止まるからこそ出会う人たちがいます。
あなたも自転車に乗って、福岡を巡る、素敵な“寄り道”を始めませんか。
何げない田畑や街並みも新鮮。
全身に風を感じて、糸島の“初めて”を満喫。
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可也山(❶)の姿を右手に見ながら泉川の河口に向かえば、水路と挟まれる一本道が気持ちいい。水路のそばに広がる田畑ものどかな糸島らしい景色。自転車で走るのにぴったり。
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「休みに糸島をのんびり走るけど、一緒に行く?」
声を掛けてもらったサイクリングは、JR筑前前原駅から糸島の海岸線沿いをぐるりと回る約30キロメートルの平坦な初心者コース。泉川(いずみかわ)沿いから緑の田畑を抜け、加布里(かふり)の路地で営むしょうゆ蔵へ。「糸島富士」とも呼ばれる美しい可也山(かやさん)の麓を抜け、小さなチーズ製造所に寄り道。海岸沿いの美しい景色を眺めながら走り、再び前原まで。幹線道路を少し外れる道を走ったり、地元の店を訪ねたり。そんな寄り道をすぐにできるのが自転車の魅力。いつもの観光とは違う、まちや人、景色を身近に感じる新鮮な1日でした。
明治の頃からこの路地に。

カノオ醤油味噌醸造元(❷)は、1889(明治22)年創業の、加布里の町の小さな路地に残る昔ながらのしょうゆ蔵。当時のままに残された大きな蔵の中まで見せてもらえた。商品を買うこともできて、うまくちしょうゆなどを購入。
カノオ醤油味噌醸造元
[住所]糸島市加布里5-23-18 [電話]092-322-2710
地図には載っていない、新しい発見がいっぱい。

両側に麦畑が鮮やかに広がる真っ直ぐな道の先が芥屋(けや)海水浴場。空は高くて気分は爽快。立ち止まり、風になびく麦の穂に耳を澄ます時間はとてもぜいたく。

可也山を間近に望むチーズ製造所「TAK(タック)」(❸)。酪農があるところにはチーズ作りがあっていいと、北海道から移住された片山さん夫妻が手作りするナチュラルチーズが週末だけ販売されている。ワインに合う人気の熟成チーズ「コハク」の他、フレッシュチーズも購入。
チーズ製造所 TAK
[住所]糸島市志摩岐志63-10 [電話]092-328-1076
糸島の海岸線沿いをぐるりと回ってみた。芥屋の港からトトロの森※(❹)、野北(のぎた)海岸(❻)まで美しい景色を眺めながら快適なサイクリング。
※「トトロの森」は通称
海へ近道。さぁ、冒険に出かけよう。

松林を抜けて弊の浜(にぎのはま)(❺)へ。サーファーに愛される海岸はきれいな砂浜が続く。その砂を飛ばすほどの強風に人々の暮らしを風から守ってきた松林の役割を体感。白波のしぶきまで荒々しい、そんな糸島もあるのだ。