本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ 動画配信しています。
発表事項
(1)パートナーシップ宣誓制度をスタートします!
~性の多様性を認め合い、たくさんの笑顔で暮らしていける福岡県へ~
(人権・同和対策局調整課)
記者発表資料(パートナーシップ宣誓制度) [PDFファイル/205KB]
(2)福岡県新型コロナウイルスワクチン広域接種センター(3回目接種)を
設置します~ワクチン接種推進のため、2箇所で集団接種を行います~
(ワクチン接種推進室)
(知事)私から2点、発表します。
まず1点目、新たに、性的少数者の方に係る福岡県パートナーシップ宣誓制度を、今年4月1日から開始します。
県では、誰もが人権を尊重され、あらゆる分野で自分に合った生き方を選択し、自らの能力を発揮することができる社会を実現するため、ジェンダー平等を推進しています。
昨年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されました。この大会において、多様性と調和の重要性を改めて認識したところです。そして、この大会のレガシーとして、真の共生社会をつくっていくことが大切であると考えたところです。
こうした中、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった性的少数者の方々は、社会生活の中で周囲の好奇な目にさらされるなど、偏見や差別に苦しんでいます。同性カップルであることを理由に、賃貸住宅の入居申込みが困難となるなど、社会生活上の障壁もあります。こういったことは基本的人権に関わる問題です。差別をなくし、障壁を取り除いて、性的少数者の方々が、その性的指向や性自認にかかわらず、人生を共にしたいと思う人と安心して福岡県で生活できるよう、行政として取り組む必要があると考えました。
そこで、4月1日からこの「パートナーシップ宣誓制度」を導入することにしました。この制度を使えるのは、双方または一方が性的少数者であるカップル。日常生活において相互に協力し合い、人生を共にすることを誓う「パートナーシップ宣誓書」に署名し、県に提出してもらいます。県は「宣誓書受領証カード」を交付します。
具体的には、お二人で県庁にお越しいただき、宣誓書及び本人確認等の必要書類を県職員に提出してもらいます。書類の不備がなければ、当日に宣誓書受領証カードを交付します。この宣誓の予約受付は、3月1日から開始します。
この宣誓書の受領証カードは、本県の行政サービスのうち、県営住宅・県住宅供給公社の賃貸住宅の入居の申込み、県立太宰府病院での病状説明や治療方針の同意、生活保護の申請、障がいのある方に対する自動車税の減免申請に利用できます。また、保育所への送迎時にパートナーの子どもの引き取りができない、病院でパートナーの病状説明を受けられない、こういった困り事があると聞いています。このため、宣誓書受領証カードの裏面には、希望があれば、子どもの氏名、平常時及び緊急時における病状説明・手術や必要な治療方針の同意を行う者の氏名を記載できるようにしています。このような対応は、全国の都道府県で初めての取組です。
現在、県内では、北九州市、福岡市、古賀市の3市が既にパートナーシップ宣誓制度を導入しています。福岡県と3市のサービスを相互に利用できるようにする。例えば市のカードで県営住宅の申込みができる、県のカードでそれぞれの市営住宅の申込みができるといった連携に向けて、直ちに3つの市と協議を始めたいと考えています。
また、利用可能なサービスをさらに広げていくために、県内の市町村、また民間企業の皆さんにも働きかけを行っていきたいと思っています。市町村においても、公営住宅の入居申込みや公立病院での病状説明、保育所での送迎等、何らかの行政サービスを提供してもらえるように協力を求めていきます。それから民間の賃貸住宅については、福岡県宅建協会等を通じて各不動産会社に協力をお願いします。医療機関については、福岡県医師会を通じて協力をお願いします。
今回、県が導入することで、これまで制度を導入していない市町村にお住まいの方でも、パートナーシップを宣誓できるようになります。県では、本制度の導入とともに、県民の皆さんに性の多様性についての理解を深めるための啓発を行い、全ての県民の人権を守り、誰もが安心して生活をして、たくさんの笑顔で暮らしていける福岡県づくりを進めていきます。
2点目はコロナ関連についてです。今回、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を行う福岡県広域接種センターを設けることにしましたので、お知らせします。
市町村が実施している3回目接種の進捗見込みや新型コロナの感染状況、さらに市町村からの広域接種センターの設置についての要望を踏まえ、3回目接種をできる限り進めるため、県が接種会場を設置することにしました。
接種会場は県内2か所です。直方市のイオンモール直方、みやま市の保健医療経営大学に設置し、武田・モデルナ社製のワクチンを使用します。
開設期間は、みやま会場が令和4年2月9日、直方会場が2月17日に開始します。それぞれ火・木・土、あるいは日・水・金の週3日で、時間は13時から18時まで、3回目接種の完了が見込まれる6月末まで継続して実施する予定です。
広域接種センターでの接種対象者は、お住まいの市町村から3回目の接種券が届いた18歳以上の県民の方とします。当面は、医療従事者の方、高齢者施設の入所者、65歳以上の一般高齢者の方が見込まれます。
接種に当たり、事前予約と接種券が必要となります。2月1日からこの予約受付を開始します。
接種規模ですが、各会場1日最大450人、月約5,000人の接種が可能であると見込んでいます。
オミクロン株によるブレークスルー感染も多く発生しています。感染を防いでいくためにも、接種券をお持ちの方はぜひ接種を検討いただき、予約をお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。
(朝日新聞)今日の発表事項についてです。
まず、大規模接種センターについて、2か所設置されるということですが、このほかに設置する予定があるのかどうかという点、以前、都道府県分は国からワクチンの配付予定がないというお話をされていたと思いますが、大規模接種センターへのワクチンの供給の見通しを教えてください。
(知事)3回目のワクチン接種についてです。3回目接種は市町村が行うことが基本でして、ワクチンは全て市町村に配分されるとなっています。2回目接種のように県が大規模接種会場を設けても、別枠では今のところワクチンをいただけないことになっています。
3回目接種をできる限り前倒しするという政府の方針もあります。本県としても大規模接種会場を開設した場合には、ぜひ県にも別枠でいただきたいと全国知事会を通じて要望を行っています。
しかしながら、現段階はワクチン供給がなく、会場が所在する市や近隣自治体などから、市町村に配分されるワクチンから一定量を拠出していただくことで対応したいと、市町村の了解もいただいているところです。
会場については、今後のワクチン接種の進捗状況も見ながら、必要に応じて強化していくこと、さらには市町村の皆さんの状況も伺いながら、必要であれば3か所目の大規模接種会場の開設も考えていきたいと思っています。
(朝日新聞)もう一点、パートナーシップ制度についてお伺いします。
今回、県が制度を導入することで、既に先行している北九州、福岡、古賀の3市と、ほかの県内市町村との間で制度の違いは出てきますか。
県でも制度を導入するので、例えば、今は作っていない市町村が新たに作る必要があるのかどうかという点を教えてください。
(知事)その3市のパートナーシップ宣誓制度に伴うサービスを考えたときに、本県の制度とそう大きくは変わらないと思っています。
今、県下60市町村の中で3つですので、残りの57市町村のエリアにお住まいの方や、現在は北九州市にお住まいの方が宣誓制度が行われていない県内市町村へ引っ越す場合でも、県のパートナーシップ宣誓制度を利用すれば、県内どこの地域に住んでいても、県が提供するサービスを受けられることになるので、ぜひご活用いただきたいと思っています。
(朝日新聞)もう一点、昨日、まん延防止等重点措置について国に適用の要請をされましたが、現在の感染状況について、知事の所感をお願いします。
(知事)昨日も新規陽性者数が2,000人を超えるという感染状況です。病床使用率については2割台という状況ですが、オミクロン株は軽症、無症状の方が多いということで、風邪と一緒ではないかとおっしゃる方もいるわけです。
しかし、本県においても連日2,000人を超える新規陽性者が出ている。感染拡大に伴い、60代の高齢者や基礎的疾患のある方への感染も増えています。病床使用率もいまだ2割台とは言え、やはり増加しています。3回目のワクチン接種が進んでおらず、飲み薬の供給もいまだ十分とは言えません。現段階でコロナが風邪やインフルエンザと同じだと言える状況にはないと考えています。
互いで互いを守っていく、かけがえのない命を守っていくことが大事であると思います。県民の皆さんと事業者の皆さんに、昨日から再びご不便、ご苦労をおかけすることになり、大変申し訳なく思っていますが、この状況を鑑みて、何とぞご理解とご協力をお願いします。
(読売新聞)ワクチンの接種センターですが、ショッピングセンターでの開設はあまり聞いたことがないと思いまして、全国的にショッピングセンターでの開設という事例があるのかと、そういう場所に開設する狙いを聞かせてください。
(知事)今回、イオンさんのご協力をいただいて開設することができる運びとなりました。お買い物等で訪れる機会の多いショッピングモールで開設することは、これから高齢者の方から順次若年の方まで接種を進めていくので、3回目の接種を受けやすい、非常に便利な場所であると思います。
(ワクチン接種推進室)全国的にはそれほど珍しいものではありません。県内の市町村でも開設している例はあります。県の接種会場としても、9月・10月にはイオンモール直方で実施しています。
(読売新聞)もう一点ですが、3回目接種がどのくらいまで進んでいるのか、数字があれば教えてください。
(ワクチン接種推進室)全人口当たりで、1月23日時点で1.84パーセント。
(知事)2回目接種まで受けた方のブレークスルー感染も陽性者の半数以上を占めています。やはりまだこのような状況では、風邪と同じだと考えるわけにはいかないと思います。
(読売新聞)3回目接種は非常に副反応が強いという声もあって、県民の中ではかなり不安を感じている方もいますが、大丈夫ですといったメッセージをいただければと思います。
(知事)私は専門家や医師でもありませんので、軽率なことは申せません。ただ、医療従事者の皆さんのなかで、3回目の接種を受けられた方で、一定の副反応が出た方の話を直接伺ったことがあります。
しかし、その期間は1日、あるいは2日程度であり、ワクチンの効果を考えたときに、そこをよく理解いただいた上で、ぜひ、この3回目接種を積極的に受けていただきたいと思っています。
(TVQ)後藤大臣が、受診せずに自宅療養を容認し、その判断は各自治体に任せるということを発言されていました。福岡県としては、どのようにされる方針でしょうか。
(知事)昨日、後藤大臣がそのような発言をされ、我々にもそのようなお話を承っています。ただ、具体的にこれについてどのように考えていくのか、厚労省にも情報を確認しながら、実施していく必要があると思います。
40歳以下の方で、基礎的疾患がない、肥満や高血圧もない方については、症状が出ても自分で検査をして、自宅療養するということです。ただ、自らが検査をするためには、抗原定性検査キットが必要です。この抗原定性検査キットも、今は不足しかねない状況にあります。どのようにしてその方がそれを入手するのか、あるいはその方のお手元に届けるのか、その手法も難しいところがあるように思います。
こういったことも、厚労省によく確認をしていきたいと思います。また、外来診療の医療のひっ迫が想定される場合として、「健康フォローアップセンター」に連絡し、以降、健康観察を受けていくとされています。ただ、健康フォローアップセンターには医師が常駐する必要があるとされており、本県ではこのようなセンターは存在していません。医療機関も非常にひっ迫する恐れがあるので、医療機関にお願いするわけにはいかない。また、現実問題として、保健所もかなり業務が集中してきていることを考えると、第三のセンターを設けなければいけない。その設置については、医師会とも相談しながら、その体制を整える必要があると思います。
こういった点もありますので、今回の国の取扱方針について確認した上で、きちんと対応していきたいと思います。
(朝日新聞)コロナの特別警報について、今までの基準では重症病床使用率等が30%を超えると特別警報を発するとなっています。どういった形で今後進んでいくのかという見通し、その際に緊急事態宣言の協議を国と始めるということの考え方はどうなのかをお願いします。
(知事)本県として独自で設けています「福岡コロナ警報」の中では、30%以上の病床使用率となった場合に、特別警報を発動することになっています。
専門家や市町村との協議を踏まえて、この判断はしてまいります。30%という基準があることは確かで、我々としても本日の対策本部においても、この点は再度確認したいと思っています。30%の病床使用率になる段階で、特別警報は発動する考えです。
しかしながら、この特別警報を国の措置と重ね合わせてみますと、30%では、まだ、まん延防止等重点措置を実施している段階ですので、特別警報を発動したからといって、直ちにまん延防止等重点措置の内容を変更する必要はないものと考えています。
さらに感染が拡大して、病床使用率が上昇し、国のレベル3、つまり病床使用率が50%を上回る状況になると、緊急事態措置のレベルに入ると考えられます。このようなことも考え合わせながら、国の取扱方針や他の都道府県の動向も注視しながら、国とは常に情報交換等を行って、協議を継続していきたいと思っています。
(朝日新聞)濃厚接触者の検査の取扱いについて、17日の通知で、「民間企業で感染者が出た場合の濃厚接触者は検査しない」という方針を示されましたが、現在の保健所の検査体制のひっ迫具合について、知事のお考えをお願いします。
(知事)民間を含めまして、本県の検査能力は、定量を含むPCR等検査は約2万1,000件、抗原定性検査は1万1,000件で、合わせると3万2,000件の最大検査能力を持っています。
高齢者施設の職員の皆さんに対するPCR検査事業、薬局等で行っている無料検査を除いて、なお3万2,000件の最大検査能力を持っています。
1月21日時点で見ると、検査件数1万3,255件となっており、検査が必要な方が検査を受けることができる体制は確保できていると考えています。
しかし、全国的な検査需要が増えており、検査をするときに試薬も必要です。試薬や抗原定性検査キットの入手が難しくなってきているという声も出始めています。このため、国も関係業界に対して増産を要請するということですが、本県からも国に対して安定供給を要請しているところです。
(TNC)今日、政府でまん延防止等重点措置の適用を決まる方針を固めています。それについての受け止めと、改めて、県民の皆さんに対して要請する時短などの対応の考え方を教えてください。
(知事)私も昨晩、山際大臣と直接お話し、今日、政府で対策本部において、福岡県に対する重点措置を正式に決定する。期間については、2月20日までと聞いています。今日夕方の政府対策本部で決定されるものと思っています。
県としても、これを受け、今日の夕方に対策本部を開き、改めて要請する措置、期間等を決定いたします。これについては、政府も非常にスピーディーに対応していただき、本県の要請から、すぐまん延防止等重点措置を決定いただくことになりました。これまでは、要請から決定までの間が1週間とか10日間とか開く可能性があったわけです。このことから、今回のオミクロン株の急速な拡大という特性を考えて、コロナ警報発動の段階から、まん延防止等重点措置と同等の要請を県民の皆さん、事業者の皆さんにお願いしたところです。
本当に県民の皆さん、事業者の皆さんには、再びご不便とご苦労をおかけすることになり、誠に申し訳なく思っています。
しかし、1日も早くこれを封じ込める、できることならばまん延防止等重点措置も期限前に収束することができれば一番いいと思います。何とか感染の封じ込めをみんなの力で図っていく。このことのためにご理解とご協力をお願いし、力を合わせて感染の封じ込めを図っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
(朝日新聞)保健所の疫学調査の話ですが、検査能力自体にはまだ余裕があるということでした。しかし現実的に積極的疫学調査の対象者が絞られるといった事態も進んでいて、今までは濃厚接触者として調査対象であった方々が、現状では、検査対象になっていないことも生じていると思います。
こうした事態について、今まで検査を受けられたのに行政検査を受けられなくなったことに県民の不安も生じると思いますけど、知事の受け止めといいますか、県民に呼びかけるべき言葉がありましたらお願いします。
(知事)保健所も業務のひっ迫はあります。このため、福岡市は福岡市の基準でやっていますが、県においても、積極的な疫学調査の対象範囲を絞っていくことをやっています。
調査対象以外の業種の方について、事業所とも連絡を取っていただき、濃厚接触者に当たる方を特定し、保健所にご連絡いただければ、その方々については、行政検査の対象として検査を行っているので、不安はないものと思っています。
(朝日新聞)自分が濃厚接触になったかどうかについて、これまでは保健所から連絡をもらえていたのが、会社とか自分たちで判断しないといけなくなっている事態が生じていることについて、県民からは不安とか、そういったものも寄せられていると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
(知事)積極的な疫学調査には、非常に人手や時間がかかり、現実的にマンパワーの問題もありますので、やはり県や市もそれぞれの保健所の対応能力に限界があることから、そのような対応を取っています。
確かに、不安であるという方もいらっしゃるかと思いますが、普段の業務の状況等も十分に再確認いただき、事業所の中でその濃厚接触であるかどうかについてよく確認をしていただいた上で、対応していただきたいと思いますし、本県しても事業所の判断があれば、それに基づいて対応していきますので、ぜひご協力いただきたいと思います。
(がん感染症疾病対策課)補足させていただきます。従来は濃厚接触にならないと検査できませんでしたが、現在、無料PCR検査等を実施していますので、無症状で不安のある方は、そちらをご利用いただければと思っています。
(知事)今、感染について不安があると思われる方は、薬局等に出向いていただいて、無料検査を受ける体制も取っていますので、少しお手間かもしれませんが、ご利用いただければと思います。
(共同通信)パートナーシップ制度について、全国初の取組とおっしゃっていましたが、保育園の送り迎えなどに対象を拡大したことで、どういったことが全国初になるのか、この制度の導入自体は全国で都道府県としては6つ目だと思いますが、このタイミングで導入を決めた理由があれば教えてください。
(知事)まず、このパートナーシップ宣誓制度の導入については、私も知事に就任して以降、こういったジェンダー問題等についての専門家の方のご意見、ご講義をたまわり、当事者の皆さんとの意見交換等を県の幹部職員等とも行って、色々と勉強させていただきました。そういう中で、性的少数者の方々が今置かれている状況を、改めて認識させられたところです。
こういったことから、この状況からできるだけ早く、偏見や差別を取り除き、性的少数者の方々の基本的人権を守らなければいけないということで、新年度からこれを導入したいと考え、その準備も含め、この段階で発表し、進めていきたいと思ったところです。
全国初の取組は2点あり、1点目は宣誓書受領証カードの裏面に、希望される方はそのパートナーの方の子どもさんの名前を書くことができること。2点目は、病院を受診して、例えば手術を受ける時に説明を受けたり、同意する方の氏名を病院側が求めると思います。その時に私がと申し出ても、実際に手術を受けられる方の同意があるのかどうか、病院側は確認できません。だから、事前にこの方が私の病状の説明を受ける、あるいは手術等についての同意をお願いする人だということを、このカードの裏面に書いておいていただく。これが都道府県の取組としては初めてのものです。
(共同通信)あと、1点。それは議会に議案を提出するものではなく、知事の判断で要綱を定めるということですか。
(知事)はい。これは、議会に議案の提出は必要ないと考えています。当然、県議会の皆さんにも十分この制度の趣旨、目的を説明し、ご理解いただきたいと思っています。
(朝日新聞)現在の県のコロナ対策については、国の基本的対処方針に従って、病床使用率を主題に置いた上で各種対策を講じられていると思いますが、一方で、その病床使用率が伸びない中で、新規感染者数がどんどん増えています。デルタ株のような流れではない状況で、新規感染者数だけが増えていき、子どもさんたちがかかって、休校や学級閉鎖となったり、もしくはエッセンシャルワーカーの方たちの感染も広がり、社会機能が少し抑えられている現状もあると思います。
命を守るという点では、もちろん病床使用率を重視すべきだと思いますが、やはり感染者数が伸び始めた段階で、ある程度制限が必要じゃないかという声もありますが、その点についてはどうお考えですか。
感染者数が増え始めた段階から、人流抑制とか、ある程度の制限を加えて、新規感染者数を早めに抑えていくような対策が必要ではないのかなという意見も専門家の中からは出ているようですが、知事のお考えは。
(知事)オミクロン株は特に症状の特性もあって、議論の分かれるところであろうと思います。色々な専門の方の中でも、様々な意見があります。
こういった中で、社会機能を維持し、経済を回しながら、感染防止対策をしっかりやっていく。もちろん感染防止を図りながら、社会、経済を回していくという順番だと思いますが、これをしっかりとやっていかなければいけない。
確かに感染拡大の兆候がある時点でという意見もありますが、そうすると、いきなり大きな影響が出てきます。感染が広がってきて、子どもさんが感染したためにお仕事に行けない、あるいは社会機能が影響を受けることもありますが、その段階で止めるとなると、そこが同時に発生するわけでして、この対応も十分考えていかなければいけないと思います。
非常に難しい問題であると思いますが、やはり感染拡大から少し遅れて病床使用率は上がってくる状況があります。そういう点も考えて、福岡県のトリアージを徹底しつつ、病床使用率をしっかり見て、まず、第一は「人の命を守る」という観点からコロナ警報の基準を定めました。国においても同じ考え方であろうと思います。今回の第5波以降の対処方針の変更において、病床使用率をまず考えることにされたことは、本県と同じ考えであろうと思っています。
まずはそこを一番大事にしたいと思っていますし、その上で社会機能の維持については、濃厚接触者の待機期間の短縮ですとか、検査を用いることによって職場復帰を可能とするなど、色々な医学的なエビデンスに基づいた上で、対策が考えられているところです。そういったことをしっかりと、また機動的に活用しながら、これを図っていきたいと思います。
(NHK)今回のコロナ警報とまん延防止等重点措置との間が短くなり、感染を防ぐためにまん延防止等重点措置と同等の措置を事前に取られたと思います。一方で、まん防などの要請内容が変わらない分、危機感が薄いのかなという印象があり、改めてまん防が適用される期間でどんなことを求めていきたいのか、教えてください。
(知事)措置内容については、本県はまん延防止等重点措置を先取りして、先手を打って、県の警報発動の段階から同等の措置を講じており、この点はよくご理解をいただきたいと思っています。
ですから、県民の皆さん、事業者の皆さんにはご苦労をおかけすることになりますが、ぜひとも積極的にご協力いただきたいと思います。また事業継続に向けては、本県では飲食店の皆さんについてはお酒の提供も可とする選択肢も残しています。また協力金も活用していただき、事業の継続も図っていただきたいと思います。
これらも活用しつつ、ぜひとも感染防止、感染を抑え込むことのためにご協力をいただきたいと思っています。
(終了)