本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ 動画配信しています。
発表事項
(1)令和3年県政10大ニュース (県民情報広報課)
(2)ワクチン・検査パッケージ利用の無料検査を開始
(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:がん感染症疾病対策課))
ワクチン・検査パッケージ利用の無料検査を開始 [PDFファイル/802KB]
(3)「ワクチン・検査パッケージ制度登録店」の受付開始
(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:がん感染症疾病対策課))
「ワクチン・検査パッケージ制度登録店」の受付開始 [PDFファイル/289KB]
(知事)本日は、毎年恒例ですが、今年1年の取組や出来事を振り返る「県政10大ニュース」を発表します。
これは、知事部局、教育庁、警察本部から出された32の候補を基に、それぞれの部長などによる投票を行い、その結果を踏まえ、昨日の庁議において決定したものです。
まず、第1位です。「新型コロナウイルス感染症との闘いに全力 ~社会全体で感染拡大防止に取り組み、社会経済活動との両立を図る~」です。
年明け、春、夏と今年も感染拡大の波が3回到来しました。この間、県民の皆さん、事業者の皆さんには外出自粛や営業時間の短縮、お酒の提供の停止など、様々な厳しい措置に対し、本当に大きなご協力を賜りました。心から感謝申し上げます。
県では、県医師会とワンチームで連携しながら、病床や宿泊療養施設を順次増やしました。第5波では、血中酸素飽和度を用いたトリアージによる入院調整、全国に先駆けて宿泊療養施設での中和抗体薬の投与、病院の病床を活用した酸素投与ステーションの設置など、「福岡方式」とも言うべき取り組みで患者の重症化を防ぎ、医療提供体制のひっ迫を回避しました。
ワクチン接種にも力を入れてきました。県では、高齢者の皆さんを対象とした広域接種センターの設置など、市町村のワクチン接種を支援し、11月には希望者に対する2回目接種はおおむね完了したところです。
現在、新たな変異株であるオミクロン株も確認されています。今後も油断することなく、感染再拡大に備え、保健・医療提供体制の強化、また、3回目のワクチン接種の推進を図っていきます。また、飲食店やホテル、旅館における認証店の拡大と認証制度の実効性の確保にも取り組んでいきます。感染拡大防止と社会経済活動の両立をこれからもしっかりと図ります。
第2位です。「服部県政スタート ~小川県政を受け継ぎ、福岡県の未来への扉を開く~」。
3月、コロナが猛威を振るう中で、小川洋前知事が健康上の理由により辞任されました。残念ながら11月2日に御逝去され、9年余にわたり本当に体を張って県政を担ってこられた小川前知事に感謝を申し上げ、御冥福をお祈り申し上げます。
このような春の緊急事態の中で、県政に少しの空白、停滞を生むことは許されないと考え、私は知事選挙に出馬し、4月11日に当選をさせていただきました。県民の皆さん誰もが住み慣れた地域で働き、長く元気に暮らし、そして安心して子供を産み育てることができるジェンダー平等の地域社会づくりをさらに前進させたいと思います。
そして、世界を視野に置き、未来を見据えて福岡県を発展させるために、新たに3つの挑戦として、「次代を担う人財の育成」「世界から選ばれる福岡県の実現」「ワンヘルスの推進」に取り組んでいきます。県民の皆さんとの絆を大切にし、県政を推進し、福岡県を九州のリーダー県としてふさわしい県に飛躍をさせ、大人も子どもも安心してたくさんの笑顔で暮らせる県にするため、来年も全力を尽くしてまいる覚悟です。
第3位です。「5年連続となる大雨災害の発生 ~復興も着実に進展、『福岡県日田彦山線沿線地域振興計画』を策定~」です。
8月11日からの予期せぬ大雨により、久留米など県南地域を中心に浸水被害が発生しました。5年連続6度目の大雨災害です。発災直後には私も県議会秋田議長とともに現地を視察し、被災者の皆さんから切実なお声をお聞きしました。被災者の皆さんが事業継続の意欲を失わないようしなければならないと思い、早急に支援策を講じ、9月の補正予算に計上させていただいたところです。
また、これまで被災された地域の復旧・復興も着実に進展しています。この中で2月には、平成29年7月の九州北部豪雨の復興に向けた「福岡県日田彦山線沿線地域振興計画」を策定し、BRTの利用促進や観光拠点の創出に向けた取り組みを開始したところです。引き続き、被災地の一日も早い復旧・復興、再度、災害防止のための防災、そして減災に全力で取り組みます。
第4位です。「東京2020オリンピック・パラリンピック大会で県ゆかりのアスリートの皆さんが大活躍。 ~多様性と調和の重要性を再認識し、共生社会の実現を目指す~」。
県ゆかりの選手54名が出場されました。オリンピックでは10名、パラリンピックでは6名の選手の方がメダルを獲得されました。このコロナ禍で、本当に日常的な練習にも大変な苦労がある、自分のモチベーションを維持するのも大変である中で、私たちは全力を尽くして競技に挑む選手の皆さんの姿に、感動し、元気を、勇気をいただきました。
このような選手の皆さんの功績をたたえ、オリンピック柔道の素根輝選手、パラリンピック女子マラソンの道下美里選手に福岡県民栄誉賞、そのほかメダリスト14名の方に県民スポーツ栄誉賞を贈呈することを決定しました。贈呈式については、年明け1月30日日曜日に、ヒルトン福岡シーホークホテルで行う予定です。
また、今大会においては、才能のある若い人たちを発掘する本県のタレント発掘事業で育成をした初めてのオリンピアンが3名誕生しました。この2つの大会を通して、多様性を尊重し、調和を図ることの大切さを私自身、再認識させられました。これからこの共生社会を実現していくことこそが、両大会の真のレガシーになると思っており、実現に向けて努めたいと思います。
第5位です。「バイオバレープロジェクトの取り組みが評価され、国の「地域バイオコミュニティ」第1号に認定 ~未来を見据えた新たな成長産業を創出、参入促進に注力~」です。
これを弾みに、本県がずっと取り組んできたバイオテクノロジーを生かした産業の集積である次世代創薬、再生医療、スマートセル、機能性食品、この4つの分野を柱として研究開発やビジネス展開支援を進めていきます。
また、このほかにも新たな成長産業として、QPS研究所による衛星コンステレーションの構築などの宇宙ビジネス、農産物のトレーサビリティなどにも活用されるブロックチェーン、さらにはカーボンニュートラルの流れの中での水素エネルギーの活用、このような新たな成長産業の創出にも力を入れていきたいと思います。
第6位です。「児童虐待の早期発見のため「福岡ルール」を策定 ~保育所送迎バスでの園児死亡事案を受け安全管理標準指針も策定~」です。
2月に飯塚市、3月には田川市で、虐待により子どもが亡くなる重大な事案が相次ぎました。県では、虐待の早期発見・早期対応のための「子供安全確認チェックリスト」及び「緊急度アセスメントシート」を作成しました。乳幼児検診の未受診者に対する市町村の家庭訪問から児童相談所による保護に至るまで、この手順を定めて福岡ルールを策定しました。
また、7月には、中間市の保育園において、保育所の送迎バスに取り残された園児が死亡するという痛ましい事案が発生しました。県では県内での再発防止のため、安全管理標準指針を作成して、通常の定期監査に加え、新たに抜き打ちの監査を行うこととしました。
現在、パブコメを進めている「福岡県子どもの虐待防止と権利擁護に関する条例(案)」について、今年度内の制定を目指します。このような悲痛な事件が二度と発生しないよう、引き続き児童虐待への対応力の向上と関係機関との連携強化、保育所等における子どもの安全確保に努めてまいります。
第7位です。「2021世界体操・新体操選手権北九州大会の大成功 ~「ワクチン・検査パッケージ」を活用して有観客(収容率100%)で開催~」です。
大会史上初めて、体操・新体操の2つの世界選手権が同一時期・同一都市、北九州市で開催されました。コロナ禍で、オリンピック・パラリンピックの後では、初めての有観客の国際大会でした。来場した約2万6,000人を超える観客、スタッフにコロナ陽性者は確認されず、成功を収めることができたと考えています。
第8位です。「福岡県ワンヘルス推進基本条例が施行 ~人と動物の健康と環境の健全性はひとつ~」です。
1月にワンヘルスの条例が施行されました。全国で初となる条例です。今年度内に、本県はこの条例に基づく「ワンヘルス推進行動計画」を策定します。今後、ワンヘルスを実践する拠点、ワンヘルスセンターの整備などを加速させるとともに、来年11月には、本県で開催が予定されているアジア獣医師会連合大会(FAVA)の大会があります。これに併せ、県のワンヘルス国際フォーラムを同時開催することとし、関係者の皆さんと本県との連携体制を構築していきたいと考えています。本県のワンヘルスの先進的な取り組みをアジアに、そしてアジアを通じて世界に向けて発信していきます。
第9位です。「指定暴力団工藤會、浪川会の主要な事務所が相次いで撤去 ~暴力団壊滅に向けて大きく前進~」
非常に象徴的な建物であった暴力団事務所を相次いで撤去することができました。県民の皆さんの安全・安心の確保のために、引き続き県警察と力を合わせ、また県民の皆さんと一体となって暴力団対策に力を入れていきます。
第10位です。「新福岡県立美術館の基本計画を策定 ~芸術の可能性を拡げ、挑戦する美術館へ~」です。
現在の福岡県立武道館の場所に、新福岡県立美術館を建設します。県営の大濠公園が、開園100周年を迎えるのが令和11年度です。令和11年度の開館を目指して、基本計画を基に整備を進めます。このためには、福岡武道館の移転・改築も必要となりますので、こちらもこれに先立ち推進をしていきます。
10大ニュースにつきましては以上です。この10大ニュースの中に、悲しいニュースもありました。1つでも多くの明るい話題が入るように、来年も全力で取り組んでまいりたいと考えます。
もう一つ、私にとって、この1年を表現すると、どんな字になるんだろうと考えました。一文字で表しますと「進(すすむ)」という字です。この「進」という文字には、「すすむ」のほかに「前に出る」とか「よくなる」「向上する」「上の段階へ上がる」、こういった意味があります。
この1年、いろんなことが進んだ1年であったと思います。10大ニュースにもありましたが、4月には県民の皆さんの付託を受け、服部県政がスタート、発「進」しました。
昨年から引き続き取り組んでいる新型コロナ対策、今年に入りワクチン接種、あるいは感染防止の第三者認証制度など、社会経済活動との両立に向けた取り組みが「進」んだところです。
また、豪雨災害からの復旧・復興も着実に「進」展をしており、暴力団壊滅に向けて前「進」もしています。
東京2020オリンピック・パラリンピック大会では、県ゆかりの選手の皆さんの快「進」撃もありました。
来年は、未来を見据え、成長・発展の歩みを力強く進めていきたいという思いも込めて、この「進」という字を選びました。
次の発表事項です。
新型コロナ対策に関連して、健康上の理由等によりワクチン接種を受けられない方向けのPCR等の無料検査開始についてです。
12月20日に県議会で議決いただき成立した補正予算に関連し、PCR等の無料検査を明日12月24日金曜日から開始します。無料検査はワクチン・検査パッケージの利用を希望する方で、基礎疾患等の健康上の理由でワクチン接種を受けられない方や12歳以下の子どもさんが対象です。この無料検査は予約なしで受けられます。
ワクチン・検査パッケージは、旅行や飲食などでの民間の割引などのサービスを受ける際、また感染拡大時における飲食店やイベントでの人数制限の要請を緩和する際に利用できるものです。検査を受けていただくことにより、健康上の理由などでワクチン接種を受けられない方でも、こういったサービスが受けられるようになります。
まずは県内5か所、博多、天神、小倉、空港は福岡空港、北九州空港の5か所の登録事業所において検査がスタートします。
今後、この5か所だけでは不便なので、対象となる方がより身近な場所で検査を受けられるようにしたいと思います。医療機関、薬局などにおける検査が便利です。これを順次拡大していくこととして、医療機関や薬局の登録について現在意向調査を行っているところです。この登録を、1月17日を目途として始め、その後、1月中には県内各地で検査が受けられるようにしたいと考えています。
また今後、感染が拡大したときには、特措法に基づく知事の検査要請を受けた検査、感染不安がある無症状の方を幅広く対象とした無料検査も実施することとしています。
12月20日にワクチン接種を証明する国のスマートフォン向けのアプリの運用が始まりました。県内60市町村全てで取得が可能です。手続にはマイナンバーカードが必要となりますが、ワクチンを接種された方は、ぜひこのアプリを活用いただきたいと思います。
なお、感染拡大時における飲食店の人数制限の緩和、例えば同一テーブル4人以下の制限が緩和をされ、さらに5人以上でも可能だということですが、これは感染防止認証店として県の認証を受けた上で、ワクチン検査パッケージ制度登録店の登録が必要です。この登録についても、明日12月24日から受け付けますので、該当する事業者の皆さんはぜひ登録をお願いします。
次にオミクロン株への対応についてです。
昨日、厚生労働省から事務連絡があり、それについての説明会は本日開催されます。現在、岸田総理をはじめ、政府の方針を明らかにされているところもありますので、政府の考え方を踏まえ、福岡県としての対処方針について説明します。
大阪府において、国内初めての市中感染が確認されたという報道がありました。これまでオミクロン株に対しては、政府は水際対策を強化、徹底することで臨んでいます。本県においても、国の水際対策を徹底することについて、全面的に協力すると、私も後藤厚生労働大臣と直接話しました。
また、オミクロン対策については、本県選出で副大臣をお務めの古賀厚生労働副大臣とも連絡を数回取っています。例えばゲノム解析については、国立感染研究所に地方から検体を送っていますが、その移送時間だけでも時間がかかる。本県の保健環境研究所もこの検査能力を十分持っています。それでも、解析には3日から5日ぐらいかかりますが、地方にお任せいただければ、移送時間を節約して解析ができます。
また、ゲノム解析が必要かどうかについて、スクリーニング検査をまずやって、デルタ株であれば、オミクロン株の可能性は極めて低いわけですので、スクリーニング検査を実施すべきである。さらには濃厚接触者の方への対応も強化すべきである。このようなことを申し上げました。
これについて、政府においても早急に対応を取っていただき、改善されたところです。本県としては、今後も政府の水際対策については、しっかりと協力していきたいと思っています。
そのような対策を取っているところですが、大阪での市中感染の発表もありました。アルファ株もデルタ株も、もちろん海外から入ってきたわけで、いつかはオミクロン株も入ってくることになります。しかし、これをいかに少なく、また早く捕捉をして、対応を取っていくか、そして感染の広がりのスピードを遅くしていくか。こういった取り組みが必要です。
かつ、このような状況について、我々も冷静にこれを受け止める必要があると思っています。決して陽性となった方を責めるようなことがあってもいけません。そして、オミクロン株に対して的確に対処していくことが大切です。
このようなことから、本県としては、新型コロナ陽性者については、スクリーニング検査を行い、デルタ株が陰性であった場合にはゲノム解析を行うことで臨んでいますが、現在、本県においてゲノム解析の結果、オミクロン株と判定された方はいらっしゃいません。今後とも、この検査体制をしっかりやっていきます。
そういった中で、PCR等検査の無料検査もスタートしますので、ぜひ県民の皆さんには、必要な場合にはこれを活用していただきたいと思います。
そして、陽性者が発見された場合の対応ですが、この検査については、幅広く行っていく必要があると考えています。濃厚接触者の方はもちろんですが、濃厚接触者以外の方でも接触があったと考えられるような方全員に対して、PCR等検査を実施します。例えば今回、大阪府においても学校の教員の方が、オミクロン株陽性になったということで、その学校の生徒、教員、全員に対して検査を実施しています。同様に、職場や学校等で陽性者が確認された場合には、そのようなエリア等を考え、幅広にPCR等検査を実施していきます。
そして、本県は今、民間検査も含めまして2万件の検査能力を有していますので、幅広な検査に対して対応できるものと考えています。そして、検査の結果により、オミクロン株という判定が出た場合には、全員入院をしていただきます。デルタ株の場合には、症状によって入院、あるいは宿泊療養施設という仕分けをしていましたが、オミクロン株については、現段階では全員入院をしていただく対応を取っていきます。
濃厚接触者の皆さんについては、宿泊療養施設への入所について、ぜひご協力いただきたいと思っています。強制ではありませんが、感染の拡大を防ぎ、皆さんの周囲の方の安全を守ることのためにも、濃厚接触と判定された方は、ぜひとも宿泊療養施設への入所についてご協力をいただきたいと思っています。
病床の体制です。今、本県は新型コロナに対応する病床確保計画において、フェーズを5段階に分けて決めています。現段階ではフェーズ1で、即応病床を335床確保しています。そして、一週間移動平均で何人かということを見ながら、段階的に即応病床の拡大を図るというステップを踏むことにしています。オミクロン株についてまだ十分な知見、情報はございませんが、感染力は極めて強い、感染スピードが速いということです。こういったことから、このフェーズの引上げ、これを早期に判断する必要があると考えました。
このことから、現在、フェーズ1で335床を確保していますが、オミクロン株に感染をされた方が単日で30名を超える状況が見られた場合には、即応病床を1,558床、本県が現在確保しているコロナ対応病床の全てを即応病床とします。この30人は、一週間移動平均ではなく、単日で30人の発生が見られれば、直ちに医療機関に要請を行います。
現在入院をしておられる方もいます。それを考えると、即応病床にといっても切替えに数日、どうかすると1週間ぐらいかかることもあります。それで、早め早めに先手を打って、病床体制を整える必要があると考え、フェーズ引上げについての判断は、早期に行うことに改めたいと考えています。もちろん、この30人は、オミクロン株の陽性者です。
宿泊療養施設は、今11施設、2,234室を確保しています。ホテルについては、濃厚接触者が入っていただきます。この方々は基本的に陰性ですので、3日間おきに検査等を行う対応になります。濃厚接触者の方に入っていただけるホテルも用意をしなければいけなりません。ホテルは2日程度で準備し、2日程度で稼働できます。ホテルについても順次稼働できるように準備を始めています。
ワクチン接種について。堀内大臣からも発表がありましたが、追加配分がありました。本県の追加を含む配分量は、ファイザーは約42万回分、モデルナは約16万回分です。これを市町村に配分することになりますが、大体65歳以上の高齢者については、7か月への前倒しが全て接種可能な量となっています。市町村が既に在庫として所有しているワクチンを使わなくても、今回の追加配分を活用して、65歳以上の方々に7か月というスパンで前倒し接種を行うことが可能な追加配分が行われます。
また、経口治療薬、モルヌピラビルについても、今週末から20万回分配送することを政府は表明されています。経口治療薬は、コロナ対策のゲームチェンジャーになると思っています。これについて、本県は現在292か所の薬局での処方が可能な体制を取っています。もちろん、これは陽性と判定された方について投与するものですので、医師による処方を行っていただきます。そしてご本人が薬局の窓口に行けませんから、処方箋に基づき郵送するとか、ほかの方に取りに行っていただく対応になりますが、処方できる薬局は292か所確保しているところです。
これから年末年始です。新聞報道等を見ますと、航空機の予約もコロナ前と比べて7割程度、新幹線は6割と言われています。新幹線は遅く予約が入りますので、もっと利用率は高くなると思っています。年末年始を控えまして、帰省、旅行など、県をまたぐ移動が多くなります。また、これに伴い、会食などでふだん会わない人と会う機会も増えるわけです。今は、全国的にもまだまだ感染状況は落ち着いている状況ですが、オミクロン株の動向も十分注意を払っていかなければいけないと思っています。県としましても検査体制の強化し、体制を整え、状況に応じ迅速に対応していきます。
県民の皆さんには、ワクチン接種された方も含め、マスクを着用し、手洗いや密の回避、換気、こういった基本的な感染防止対策を徹底していただきたいと思います。これはデルタ株であれ、オミクロン株であれ、感染を防ぐための基本であると思います。ぜひとも、この基本的な感染防止対策を徹底していただきますようお願いを申し上げます。
また、飲食店等、事業者の皆さんも、ぜひ、業種別のガイドライン等、感染防止の対策をもう一度点検していただき、お客様の安全を守るためにも、ぜひ感染防止対策の徹底をお願いします。
また、もし発熱等の症状がある場合は、外出を控え、積極的に受診や検査を受けていただきたいと思います。年末年始で医療機関が休みの場合もあります。このときは「受診・相談センター」がありますので、連絡いただきたいと思います。24時間相談を受け付けまして、近くの医療機関を紹介します。また、いろいろな問合せ等については、保健所、医師会のセンターでもテレホンサービス行っていますので、ご利用いただければと思っています。
年末年始、引き続き我々一人一人が感染防止対策を徹底して、社会全体で感染を防ぐという考えで臨んでいきたいと思います。県民の皆さん、事業者の皆さんの引き続きのご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
(朝日新聞)コロナの関係です。昨日の夜に、大阪でオミクロン株が発生したということで、先ほど受け止めとご説明がありましたが、年末年始に人の交流が増えると思います。そうした人の交流とか、例えば帰省について自粛を求めるようなお考えは、今のところはないという理解でよろしいでしょうか。
(知事)現段階において、県民の皆さん、事業者の皆さんに特段の行動規制等をお願いすることは考えていません。ただ今後、デルタ株もまだ発生していますが、特にオミクロン株の状況等を的確に把握し、そして迅速な対処は取っていきます。
(朝日新聞)もう一点、病床の確保の説明の中で、基本的には、オミクロン株の陽性者は症状にかかわらず入院されるという説明がありました。オミクロン株は、今のところ重症のケースがあまりないと思います。そうした措置を取ることによって、例えば病床がひっ迫をする恐れも懸念されると思いますが、その辺のバランスはどうされるか。そうした措置も当然感染状況の進展によって見直す可能性があるのかどうか、その点についてお願いします。
(知事)後段で言われたとおり、これまでもアルファ株などの場合も、当初は全員入院だったわけです。ただその後、感染者の増大に伴って、病床の対応能力の問題もあり、政府としても症状に応じた対応として、入院と宿泊療養施設の活用等に切り替えました。オミクロン株については、現在、政府の方針としても全員入院ですので、本県もまずはその対応を取っていきたいと思います。
今後、感染の状況やオミクロン株による症状が明らかになっていきます。これに応じて、対応は変化していくと思います。
(読売新聞)ワクチン検査パッケージの無料検査ですが、これは陰性証明を取ることができるという理解でよろしいでしょうか。
(知事)そうです。県内5か所の登録事業所、それから来月からは薬局等による検査もできます。そこで、対面で検査を受けていただき、そこで陰性証明を取っていただくことになります。
(読売新聞)検査対象になるのは、健康上の理由となっていますが、例えばワクチンに対して不安だから打たない方もかなりいらっしゃると思います。そういう「不安だから打たない方」は対象になりますか。
(がん感染症疾病対策課)健康上の理由等につきましては、基本的には、国から発熱が心配とか、打ったときの痛みがあるとか、そういったレベルでは対象外とされています。具体的には、アナフィラキシーの経験があるとか、医師からそういったものは控えなさいという意見をいただいている方について、健康上の理由として説明されています。
(読売新聞)不安だという方は対象にはならないという理解でいいですか。
(知事)例えば、我々もワクチンを打ったら熱が出たり、だるかったりするケースがあります。副反応に対する不安ではなくて、色々な基礎疾患をお持ちの方もいらっしゃいます。そういう健康上の不安のある方を対象としています。
(読売新聞)緊急事態宣言下でのお話でしたけど、パッケージを利用して、例えば、さっきおっしゃったような割引とかを展開している民間事業者は、今現在いらっしゃいますか。
(がん感染症疾病対策課)民間の様々な場面で、ワクチンパスポート、ワクチン接種については、結構使われていると思いますが、陰性証明について使われているかどうかの詳細は把握していません。
ただ、避密の旅に参加する際には、ワクチンを打たれてない方は検査を受けてくださいということがありますので、健康上の理由等によりワクチンを接種できない方についてはこちらが対応することになります。
(FBS)オミクロン株の早期発見ですが、ゲノム解析は、これからも陽性者全員にするわけではなくて、スクリーニング検査でデルタ陰性だった場合のみにするというお考えでよろしかったでしょうか。
(知事)基本はそうです。今もスクリーニング検査を行って、デルタ株が陽性であればゲノム解析はしていません。オミクロン株はアルファ株の変異株ですので、デルタ株であればオミクロン株の可能性は極めて低いです。ですから、スクリーニング検査をまず実施し、そしてゲノム解析をすることになります。
ゲノム解析をするときには、3日間から5日間かかりますので、それ以前にスクリーニング検査をすることによって、まずその段階でのリスクを下げる効果が出ると思いますので、そういうやり方でいきたいと思っています。
(朝日新聞)オミクロン対策の中で、濃厚接触者以外の接触があった人全員にPCR検査をという説明がありました。この接触があった人というのはどこまでの範囲をお考えでしょうか。
つまり、職場とか学校とかだと分かりますが、電車に乗ったりとか、昼御飯を食べたり、コンビニで買ったりというケースもあると思います。その考え方をまず教えてください。
(知事)これは、非常に難しいご質問だと思います。電車に乗って、そのときに誰がその車両に乗っていたかというのは、飛行機とは状況が違います。航空機であれば座席の位置にかかわらず、全ての方を濃厚接触者として対応しています。
しかし、不特定多数の方が乗るような電車、乗り合いバスでは、福岡県全部を検査するのかというと、その都度実施するのは不可能です。やはり接触のあったと考えられる方で、可能性の強い方、例えば同じ職場にお勤めの方、同じ学校に通っている方など、陽性者の行動とか、あるいは日中のお仕事とかを見ながら判断していきたい。
そのときには、考え方として、ためらわずに広く検査をかけていき、早期の捕捉を図ります。
(朝日新聞)2点目が、即応病床を増やすケースです。単日で30人という説明ですが、ゲノム解析しないとオミクロン株かどうかは分からないと思います。検査結果が判明してから、この日は30人以上陽性者がいたのがわかる。この段階で増やすという考え方ですか。
(知事)正確にはゲノム検査の結果を待たないと、オミクロン株であるかどうかは分からないわけです。まずスクリーニング検査をします。今の国内の感染状況を見れば、デルタ株が陰性となった場合には、オミクロン株である可能性が高いと思います。
よって本県としては、やはりスクリーニング検査の結果を見て、判断したいと思っています。
(西日本新聞)関連で質問します。単日で30人というところの根拠と、フェーズを一気にどれくらいまで引き上げるという内容ですが、これはそもそも政府が全員入院という対応方針を取っている間の特別な措置と考えてよろしいでしょうか。
単日30人超えたら、一気に全部1,558床に引き上げるという対応なのかどうか。これまでの示したロードマップとは異なり、かなり特別な対応と思います。これは、政府が全員入院という対応方針を示している間の特別な措置でしょうか。
(知事)いや、それは違います。オミクロン株は非常に感染力が強いということがまずあります。そうすると、市中感染が広がって感染する。それによって有症状の方、場合によっては中等症以上になる方が増えてくる確率も増えるわけです。こういったことに即時対応するためには、病床の体制を整えていく必要があります。政府が全員入れるということとは関係ないと考えています。
30人の根拠です。本県は1週間移動平均100人でフェーズを変えると考えていましたが、今までの経験、さらには今回のオミクロン株はデルタ株よりもさらに感染力が2倍以上とか言われている。そういうことを考えたときに、1週間移動平均を採用すると遅いと思っています。
だから、単日で30人を超える状態になれば、そこから右肩上がりに感染が広がっていく可能性が非常に高いわけです。それで30人と言ったわけです。
科学的になぜ30人なのか、31人じゃないのかとか、そういうものではありません。
(KBC)PCRの無料検査は、対象は県民でしょうか。例えば、帰省して帰ってきた県外の方も対象でしょうか。
(がん感染症疾病対策課)無料対象の方は、来年3月までの無料検査については、ワクチン・検査パッケージを使う目的であれば、県外の方であっても県内の検査場で無料で検査していただくことは可能です。ただし、感染拡大のときに、一般検査として、知事が特措法に基づいて、感染不安のある方に対して受検を要請した場合については、実際、県内に住所地がある方を対象に限定することになります。
(TVQ)現在、オミクロン株の濃厚接触者を宿泊療養施設で受け入れてらっしゃいます。今現在で何人いるのか、今後も国の要請があれば、受け入れていく考えでよろしいですか。
(知事)厚労大臣とのお話では、検疫所から待機が必要な方について、国が確保している施設が足りないので、協力してほしいということでした。それで、本県の宿泊療養施設をご提供しました。しかしその際にも、万が一福岡において感染が拡大して、本県のコロナ対策として利用する必要が生じた場合には、国からお戻しいただくということを大臣からも明確にお話をいただいています。
(がん感染症疾病対策課)12月22日時点では、宿泊施設に入っていらっしゃる濃厚接触者の方は14名です。
(西日本新聞)熱海の土石流被害を受けた全国調査の件で、今、都道府県に調査を要請していると思います。現時点での点検数や問題があった箇所はどれぐらいあったかを教えてください。
(知事)先般、報道機関のお問い合わせに対して、紙面によりますと、福岡は非公表になっています。私も事務方に確認しましたが、今、点検作業中であり、この数字もまだ変動の可能性があるので、この段階では非公表というか、数値について明らかにしなかったということです。この点については、今後数字が変動する可能性があっても、県民の皆さんへ現段階での点検状況は公表すべきであると思い、今日、数字をお伝えする次第です。
年度末までに点検作業は終了させる予定ですが、11月末時点における本県の点検状況を説明します。点検対象となる盛土の箇所数は、本県内1,084か所です。このうち、点検済みの箇所数は632か所です。この点検により、結果を見ますと、許可とか届け出などの必要な手続がなされていない、あるいは面積とか土の量などが許可・届け出の内容と一致していない、また排水対策などの災害防止措置が適切ではないといった是正措置が必要だと判断される盛土の箇所数は34か所です。この34か所について中身を見ますと、直ちに大規模な災害につながる危険性はないということを確認しています。
(西日本新聞)現時点で、場所だったり、市町村だったりを公表されるお考えはありますでしょうか。
(知事)盛土が行われている土地にもいろいろあります。複数の地権者がいらっしゃる場合や、地権者が盛土を行ったわけでもない箇所もたくさんあります。色々な状況があります。地権者などの特定につながるような個別箇所の情報は、基本的には公表をしないと考えています。
現段階では直ちに大規模災害につながる危険性のある盛土はないということですが、今後、そういう危険性の高い盛土の存在が明らかになれば、速やかに箇所の情報も含めて公表をしていきます。
(共同通信)それに関連して、改めて公表をされるという判断をした理由をお願いします。
(知事)方針を変えたということではなく、事務局は年度末に向けて点検作業中でしたので、箇所数等の変動、特に是正措置が必要だという箇所数も変動する可能性があるということで、不確実な情報を出すべきではないという判断で対応したと聞いています。
しかし、私としては、あのような大きな、多数の人命が失われる甚大な災害も発生しましたので、県民の皆さんの不安を軽減するという意味からも、変動があった場合には修正情報を出すことにして、逐次お知らせしたほうがいいと判断し、今日報告した次第です。
(がん感染症疾病対策課)1点、補足します。先ほど知事から説明ありましたオミクロン株の単日感染率の説明の中で、知事から現在のフェーズ移行の考え方、新規陽性者100名というご説明があったかと思います。今、オミクロン株は全て入院となっておりますので、ほぼイコールですが、現在、本県が策定している病床確保計画では入院者数で判断しています。
(知事)100名は入院者数になります。
(知事)本県独自の指標であるコロナ警報での病床確保のフェーズの基準は、入院者数が100名からスタートし、それを基準に考えます。
今日発表したのは、オミクロン株はまずは全員入院となります。そこはイコールになるわけです。単日でオミクロン株による感染が明らかになった方が30名を超える状況になれば、本県が確保している1,558の病床を、直ちに即応病床に切り替えていただくように医療機関に要請するということです。
(終了)