本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ 動画配信しています。
発表事項
(1)「福岡県障がい者アートレンタル事業」を開始します!(文化振興課)
記者発表資料(福岡県障がい者アートレンタル事業) [PDFファイル/194KB]
(2)福岡県新型コロナウイルスワクチン接種の実施について
~県が大規模接種会場を新設して集団接種を行います~
(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:ワクチン接種推進室))
私からの発表事項は2点です。
まず1点目、8月24日から東京パラリンピック競技大会が始まりました。スポーツの分野において、障がいのあるアスリートの方々が、それぞれの個性、また能力を発揮して活躍されています。
一方、文化芸術の分野においても、障がいのある方がアートや音楽など、様々な分野で活動されています。福岡県は、こうした障がいのある方の文化芸術活動に光を当て、新たに福岡県障がい者アートレンタル事業をスタートすることとしました。
県内には絵画や書を制作するなど、文化芸術活動に取り組んでいる障がいのある方がたくさんいらっしゃいます。こうした障がいのある方が持っている多様な能力、才能を多くの県民の皆さんに知っていただくとともに、障がいのある方の収入向上、文化芸術活動を通じた社会参加を推進するために、福岡県障がい者アートレンタル事業を開始するものです。
具体的な事業内容ですが、障がいのある方が制作したアート作品のレプリカを有料で企業や官公庁、団体のオフィスやホールに展示いただく。そして、個人の方、あるいは飲食店等のお店に貸し出しまして、その料金の一部を制作者である障がいのある方にお支払いするものです。
この事業の運営は、障がい者の文化芸術活動を支援している民間団体、NPOに県が委託します。そして、やはりこの事業が持続可能なものでなければいけないと思います。県の事業が終われば、もう終わってしまう、これではいけません。
そういったことから、5年後には県の委託事業を終了させるという見込みを持っており、その後も、NPOがレンタル料による収益のみで実施できる事業となるように5年をかけて、段階的にそういう状況に持っていくことを目指しています。
今回、レンタルする作品を募集したところ、135名の方から478点の応募がありました。このうち芸術家の方、あるいは美術館の方等のアーティストに審査いただき、60名のアーティストが制作した80作品を貸し出すこととしました。本日はその中から2つの作品をご紹介します。
まず、キリンの絵です。大隈隆広さんというダウン症の29歳の方ですが、大隈さんが制作しました「キリンの嵐の中」という作品です。
選考に当たり、委員の皆さんからは、「非常に鮮やかで、楽しげな描写と、このタイトルが興味をかき立てる」というコメントがありました。
もう一点、柳田烈伸さんという41歳の脳性麻痺の方ですが、「リリー・コール」という題名の作品です。
選考された委員からは、「哀愁を感じるまなざしと色使いがマッチした作品である」という評価がありました。
そのほかにも、すばらしい作品がたくさん集まっています。皆さんのお手元にも作品一覧を添付していますので、ぜひご確認をいただきたいと思います。
作品のレンタル料ですが、一月当たり3,000円から4,500円です。レンタルの申込みは9月17日から開始します。専用のホームページを立ち上げますので、そこから作品をご覧いただき、気に入った作品を選んで申込みいただければと思っています。ぜひ、たくさんの方に申込みいただきますようお願いします。
県庁でも、障がい者の皆さんの作品をお借りし、展示しますので、県庁を訪れた県民の皆さんにも、ぜひご覧いただき、楽しんでいただければと思っています。
こういった事業を通じて、障がいのある方の文化芸術活動を県としてしっかりと応援していきたい。そして、障がい者の皆さんの収入向上の一助になればと考えています。よろしくお願いします。
2点目です。このたび県では、県内9か所にモデルナワクチンの大規模接種会場を設置し、優先接種を開始することとしましたので、県民の皆さんにお知らせします。
県が実施する優先接種については、7月からの開始を目指して準備を進めてきました。しかし、6月下旬、国が新規接種会場の受付を停止し、実施できない状況が続いていました。このたび、先週19日、国から新規の接種会場を受け付けるという方針が示されたため、直ちに国に対し申請を行い、改めて県内9か所、北九州市、福岡市、久留米市、直方市、春日市、宗像市、みやま市、粕屋町、桂川町への設置を申請しまして、受理されたところです。これにより、県によるワクチンの優先接種を開始します。
接種の対象となる方を説明します。一つは、感染拡大の防止のため、早い時期かつ集中的に接種することが必要である職種です。子どもに業務上接触する機会が多い方、あるいはクラスターが発生した場合の影響が大きい施設の職員などです。また、県民の皆さんの衛生水準の維持を図っていただいている理容業、美容業、またクリーニング、こういった生活衛生関連業に従事する方のうち、40歳未満の若年層の方を接種対象とします。
なぜ、40歳未満の方なのかについてです。7月末で、希望する65歳以上の高齢者の方の接種が完了しました。その後、市町村では、50代、そして40代という順番で接種を進めています。
こういった中で、40歳未満の若年層の方は、今の感染状況の中で、新規陽性者、あるいは入院者に占める割合が非常に大きいです。新規陽性者も20代の方が全体の3分の1を占める状況にあります。
一方で、ワクチンの接種状況は市町村の接種が50代、40代と進んでいくため、若年層の方が接種する機会がまだ少ない状況にあります。
こういったことから、早期の接種が必要な職種の方の中で、さらに40歳未満の若年層を対象とし、若年層への接種の補完をしていくことを目的としているものです。
もう一つの優先対象ですが、16歳以上の妊娠をしている方と、その同居家族の方について対象とします。
この接種の予約受付ですが、9月上旬を予定しており、接種開始は各会場ごとで若干異なりますが、最も早い会場では9月15日から接種を開始する予定としています。
会場は、新幹線小倉駅ビエラ小倉、福岡天神センタービル、久留米ではFLAG KURUME、こういった全県内の9か所の会場で接種を行います。接種を希望される方の利便性も考え、県内各地域に設置するものです。
開設日は会場ごとに異なりますが、例えば月水金とか、週3日から4日開設しまして接種を行います。大体想定している接種の回数は、国からのワクチンの供給の上限もあり、1会場当たり最大で週1,000回分を想定して行いたいと思います。
対象者が保育士等、日中に仕事をされている方が多いので、接種の実施時間は、15時あるいは16時から20時までとします。今後、速やかに予約の受付を開始して、ワクチン接種を進めることにより、感染の拡大防止に努めていきたいと考えています。
発表事項は以上ですが、何点か申し上げます。
一つは、酸素投与ステーションの開始についてです。
まず、福岡地域で34床を整備することとしています。そして、この運営体制が整い次第、来週にも受入れの開始を予定しています。私も昨日、現場に赴き、その状況を拝見しました。現場では、実際に業務に当たる医師、看護師の皆さん等の打合せも行われています。資材搬入やゾーニングは終わっていました。
現在、県内4つの大学病院の、呼吸器内科、感染症内科の専門医の先生方の積極的なご協力をいただき、このステーションにおいて実施する標準的な医療内容とその手順、いわゆるクリニカルパス、あるいはクリティカルパスを作成しているところです。
やはり通常、同じチームで、同じ専門家で対応しているわけではない。色々なスタッフの方に集まっていただき、酸素投与ステーションで医療に当たっていただくわけですので、こういったクリティカルパスの共有が非常に重要になります。このことから、九州大学をはじめ、久留米大学、福岡大学、産業医科大学、この4つの大学病院のご協力いただいて、今、クリティカルパスの作成を行っています。
こういったことと併せて、新たに酸素投与ステーションに入所される患者さんは日々色々な数値を測定します。こういった数値、酸素飽和度、呼吸数、体温、血圧や脈拍、こういったデータ、それから身体の症状、これに対するそれぞれの医師の指示内容を、システムを作って入力し、データ管理する。そしてこの内容を本県の調整本部の医師と共有します。
これにより、症状が悪化した患者の方、あるいは重点医療機関への転院が必要な患者の方、こういった方がいらっしゃるかどうかを同時に把握することができます。こういったシステムを、構築していきたいと思います。まずは、酸素投与ステーションと調整本部との間でこのシステムを使って、情報を共有してスピーディーに対応する。
この機能の状況を見ながら、本県は今、10か所開設している宿泊療養施設に24時間体制で看護師、医師も常駐していただいておりますので、いずれはこのシステムを使って情報を共有していただく。また、宿泊療養施設からも、宿泊療養者の情報を入力していただく。こういったこともいずれ考えていきたい。宿泊療養施設と酸素投与ステーションを一体的に機能させていくことも考えているわけです。
まずは、酸素投与ステーションと本県の調整本部との間で情報の共有を図り、患者さんへの対応を図っていきたいと考えています。
8月25日現在で、病床使用率を見ますと、66.9%です。重症病床使用率は、8月24日の段階で16.7%になっています。昨日も調整本部の上野本部長ともお話をさせていただきましたが、現段階で入院が必要な方が入院できない、あるいは入院調整に長い日数を要する状況にはないということです。比較的円滑に入院調整が行われているというお話でした。
しかし、新規陽性者が現在も1,000人を超える高い水準で推移しており、深刻な状況には変わりありません。こういった中で、医療提供体制の維持確保が重要です。
こういったことから、私も就任直後から病院長会議等を通じて、県内70の病院長の皆さんに直接お願いをして、当時800床であった病床が、今、1,400床台になっています。県医師会の大きなご協力もいただきながら、病床を確保してきました。
8月12日以降は、病床を47床増やし、現在では1,460床となっています。
引き続き、緊急時の目標である1,480床を目指して進めていきます。色々な医療機関とも直接お話をしながら、1,480床のさらなる上積みも取り組んでいきたいと思います。
宿泊療養施設については、清掃員の方に完全防護、防護服を着用していただいて、それまでフロア単位での入替えを行っていたものを部屋単位で機動的にやっていく福岡方式により、稼働率が非常に上がっています。
現在の宿泊療養施設の稼働率は、10施設の平均で71%という非常に高い率になっています。厚労省から公表されているデータを見ても、関東、関西では3割から5割台ぐらいの稼働率です。それに対し本県では71%で、宿泊療養施設の活用も非常に効率的に行われています。
この宿泊療養施設についても、さらなる確保に向けて、現在、取組を進めているところです。夏休み期間中であり、ビジネスも含め予約が入っているホテルもかなり多くなっており、そういう状況から、直ちに本県の宿泊療養施設としての提供に応じていただけないケースもあります。ただ、今後の状況を見据えながら、協力してもいいという意向も示していただいているところもありますので、今、調整を進めているところです。
また、中和抗体薬、ロナプリーブの投与状況ですが、8月25日現在でロナプリーブの投与を10名に行っています。翌日には症状が非常に改善するという報告も受けており、中和抗体薬の投与による支障は特段出ていません。
それから、自宅療養者の皆さんに対して、引き続き、全ての方にパルスオキシメーターを貸与して、健康観察を行っています。
また、休日夜間専用ダイヤルを県のメディカルセンターに開設し、相談を受付けており、8月25日までの相談件数は320件です。相談内容に応じて、医療機関の案内や救急車の要請を進めるといった対応を行っています。
また、生活支援としての食料や日用品の確保が困難な方への生活支援、これも引き続き実施しています。
こういった取組を進めて、感染の拡大防止とともに、医療提供体制のひっ迫回避に取り組んでいます。
私からの発表事項、そしてご報告は以上です。
(FBS)障がい者アートのレンタル料の件です。利用料金からどれくらいの割合がアーティストに分配されるのかと、今後も作品の募集は続くのかというこの2点、お願いします。
(知事)アーティストへはレンタル料のうち、30%をお支払いします。美術館もそうですが、湿度とか温度とか日光といった色々な要因で、原画を傷むことがないようにすることが必要となります。そのため、手軽に、いろんな場所で、湿度等を気にせずに飾って見ていただくためにレプリカをお貸しします。レプリカを作成するコストもどうしても必要になるものですから、そういった各種経費を差し引きまして、レンタル料の30%を障がい者の方の手取りとなるように考えています。
レンタルがずっと継続して行われていくと、そういったコストも下げられると見込んでいます。そうなれば、障がい者の方にお渡しする割合も増やしていけると思っています。
今年度は募集、審査が終わっていますので、来年度以降、募集を行い、新たな作品を登録し、レンタルリースしていきたいと考えています。
(FBS)優先接種の会場の件ですが、確保できているワクチンの量は、何人分でしょうか。
(知事)1会場当たり週1,000回分です。
(ワクチン接種推進室)最大で1,000回分。それよりも少ない会場もありますので、週7,000回分ぐらいは確保できていると考えています。
(FBS)モデルナのワクチンに関して、異物混入の話が厚労省から発表されましたが、福岡県での異物混入の確認の状況などを教えてください。
(知事)モデルナワクチンへの異物混入は、国から事前連絡はなく、私も今朝早くネットで知ったような状況です。
全国の8か所の会場で、39の未使用容器に異物が混入しているのが発見されたということです。このために、同じ工程、同時期の工程で製造されたワクチンの使用を見合わせ、大体約160万回分が使用停止になると聞いています。
厚労省としては代替品を確保するということでして、ワクチン接種計画に影響が出ないようにしたいと聞いています。まだ詳細な今後の対応については連絡をいただいていませんので、厚労省と緊密に連携をしていきたいと思います。
本県としては、今回の優先接種について、ワクチンをしっかりと確保して進めていきたいと思います。
(FBS)同じロットの番号が福岡県に配送されていたかは分かりますか。
(知事)少なくとも県が開設していました田川、みやまの広域接種センターでは、当該ロットのワクチンはありません。県内の職域接種や他の接種においてモデルナも使われていますので、現在確認中です。
(RKB)この大規模接種の件ですが、年齢の制限について、妊婦は16歳以上、それ以外は40歳未満までにしたと説明されましたが、年齢を区切る必要があったのかというのが、数的な問題なのか、集中的にやるという意味でしょうか。
(知事)どちらかというと、集中的に実施するということです。今、市町村が50代、40代を接種しています。40代のこういった職種の接種状況は、市町村によって違いがあります。
例えば、先日、災害の関係でお邪魔した久留米市においては、市が優先接種として消防団の皆さんを打っているとか、市町村によっては教職員に対して接種している状況があります。年齢層についても50代から40代という順番で接種しています。本県の大規模接種が9月中旬からのスタートになりますので、その時点を考えると、本県が若い年代層に接種することによって、市町村の若年層の接種を補完するという意味合いにもなるので、40歳未満としているところです。
(RKB)もともとは、かなり早い時期、7月に優先接種を実施する予定でした。ただ、国の状況が遅れて、9月からになった。そもそも優先接種の意味合いが大分変わっていると思いますが、その点はいかがですか。
(知事)本県としては、感染リスクが高いと思われる職種の方について、先手を打って、早期にワクチン接種を進めるべきと考え、県議会からも予算を認めていただいて、準備を進めていたところです。しかし、国のモデルナワクチンの確保、供給の問題もあったため、その計画について国に受付をしていただけてなかった。これは非常に残念です。
今回、河野大臣も緊急事態宣言地域について、モデルナワクチンを優先的に配分するともおっしゃっています。これを迅速に活用して、今回のような優先接種を直ちに始めたいと考えました。
(朝日新聞)緊急事態宣言が適用されて、今日で丸1週間だと思います。この1週間、人流抑制や感染状況に対する効果の評価、今後感染がどのように推移していくと県で分析されているか、この2点を教えてください。
(知事)新規陽性者は、8月18日に過去最多1,253名となりました。その後は1,000名を切るときもありましたが、昨日1,000名を超え、やはり1,000名前後の高い水準で新規陽性者数が推移しています。やはり依然として、爆発的な感染状況であるという認識を持っていまして、極めて深刻な状況に変わりはないと思っています。
病床使用率は、重症病床使用率は依然としてステージ2相当にとどまっていますが、このような新規陽性者数の状況が続くと、今後についても予断を許さない状況だと考えています。
緊急事態宣言により、飲食店の皆さんに休業、時短のお願いをしました。これについて、本県は2万6,600店余の飲食店の調査を行ったところ、98%相当、2万6,000店以上のお店にご協力していただいている状況でした。様々な経営上の問題、また従業員の皆さんの雇用の問題等をお抱えの中で、本当に歯を食いしばって、2万6,000以上のお店が感染防止、人々の命を守るためにご協力をいただいていることについて、心から感謝申し上げます。
また、デパート等の大規模商業施設についても、それぞれの施設の状況もある中、入店者をカウントするとか、それに基づいて入店制限をかけるなど、色々な工夫をしながら本県の要請に応えていただいていることについて感謝申し上げます。
一方で、なかなか人出、人流が減らない。もちろん、お仕事の都合があり、全ての業種がテレワークになじむのかというと、そうではないと思います。そのため通勤状況等を見てもなかなか減らないことがあります。事業者の皆さんには、可能な業務についてはテレワーク、在宅勤務の体制も改めて検討していただきたいと思います。また、それができない場合でも、通勤における公共交通機関の混雑によるリスクも考えていただいて、時差通勤といった工夫はしていただきたいと思っています。
そして、県民の皆さんには、繰り返し申し上げていますが、我々自身の意識と行動、これこそが感染や感染拡大を防ぐ最大の武器になると思っています。我々自身がもう一度、日頃の行動、お買い物やお友達とのお茶、そういったものを含めて見直し、不要不急のお出かけだと思うものはやめていただきたい。また、お買い物などについても、2回行っていたところは1回にして、まとめてお買い物していただく。こういったことにより、極力、人と人の接触機会を減らす、密を減らしていく工夫を我々自身が日頃の生活の中でしていく必要があると思っています。
私も含めて、もう一度自分の行動を見つめ直して、大切な人の命を守るために取り組んでいきたいと思います。県民の皆さんにも、改めてご協力をお願いします。よろしくお願いします。
(TNC)自宅療養者の件ですが、医療機関と連携を取ってサポートはされていると思いますが、間もなく1万人に達しようとしています。1万人を超えようかとしていることへの懸念、危機感についていかがでしょうか。
(知事)今回、多数の新規陽性者が出ていることも踏まえて、軽症もしくは無症状の方については、自宅で療養していただいています。
これについては、全ての方に酸素飽和度を確認するパルスオキシメーターを配付して、保健所からの健康の確認観察も行っています。必要な場合には、休日・夜間も含めた相談体制も取っているところでして、本県も自宅療養をしている方に不測の事態が起こらないように、しっかりと対応していきたいと思っています。
(読売新聞)アストラゼネカ製ワクチンの接種が始まった自治体もありますが、県として、このアストラゼネカ製のワクチンをどのように活用していきたいのか、接種の今後の見通しを聞かせていただけますでしょうか。
(知事)アストラゼネカについては、県としては、まずポリエチレングリコールアレルギーのある方、海外から帰国しすでに海外でアストラゼネカを1回接種した方、それから40歳以上で本ワクチンを希望されている方が対象になろうかと思います。
ただ、そういった方を対象に、医療機関と調整していますが、県として来月中旬にはアストラゼネカの接種について接種の予約を開始したいとは考えています。
ただ、このアストラゼネカについては、まれに血栓ができるといった報道もありますし、そういった懸念を持っている方もたくさんいらっしゃるということです。1回目から2回目の間隔がファイザーは3週間ですが、アストラゼネカは最も効果を得るため8週間以上の間隔を空けることが望ましいとされています。つまり、接種完了に2か月かかるということです。
今の時期を考えますと、市町村も希望される方が全員接種できるようなワクチン供給計画が示されています。そういう中で、市町村も50代、40代と順次進めてきています。また、本県もモデルナを使って若年層の接種を加速させていこうとする両面からの作戦です。
こういうことですので、本県としては、ファイザー及びモデルナによる接種を基軸に進めていきたいと考えています。
(読売新聞)あくまで補完的な使い方をしていくということですか。
(知事)そうです。
(KBC)現在のワクチン接種状況について教えていただきたいのですが、65歳以上の高齢者がどれぐらい打ったのか。また、県内の方たちは、どれぐらい打っているのか。また、その数について、知事はどのような評価をしているかを教えていただきたいなと思います。
(知事)まず、65歳以上の方からお答えします。65歳以上の方については、8月24日時点で対象者が約140万人います。このうち、2回目までの接種が終わった方が約122万人でして、接種率は87.29%となっています。
本県は当初、65歳以上の高齢者の接種は、ひょっとしたら7割台半ばになるのではないかと考えていました。お体の状況によっては接種できない方もいらっしゃいますので。しかし、現段階で9割近い87.29%となっていまして、非常に高い接種率になっています。現在の感染の状況、または入院の状況を見ても、65歳以上の方の割合が以前の第4波のときと比べて格段に低くなっています。こういう効果が出ていると思っています。
全年代ですが、住民基本台帳で考えますと、約513万人が対象になります。このうち、1回目の接種が終わった方が約240万人、接種率は46.85%。2回目の接種が終わった方は約185万人、36.12%です。36.12%は、全国順位で言うと28番目ぐらいでして、真ん中ぐらいというところです。
学生の皆さんを含めて若い皆さんが、接種をどうしようかと迷っていることをよくお伺いします。県としては、インターネット上の根拠のない風評、デマに惑わされずに、ワクチンの効果をよく見極めていただいて、接種を受けていただきたいと思っています。
それに当たって不安があれば、県の相談ダイヤルもあります。また、医師に相談をしていただく、またはご家族にも相談いただき、安心して接種を受けていただきたいと思っています。
新規陽性者は20代だけで全体の3分の1、新規陽性者の3人に1人は20代です。30代以下で見ますと、新規陽性者の7割が30代以下。ぜひ、若い方々に接種を受けていただいて、自分の命を守ること、また、周囲の皆さんの安全を守ることも考えていただきたいと思っています。
(KBC)関連して、若い方の感染状況はどうかというところで、幼稚園児や、小さいお子さんの感染も最近目立ってきていると思います。クラスターなどもあります。その点について、受け止めと、どういった対策を取っていくかなどのお考えはありますか。
(知事)これはデルタ株の一つの特徴であると思いますが、以前と違って10代以下の感染が多くなっています。こういったことから、保育園等のクラスターも多く見られますし、また、子どもさんが感染することによって、子から親にうつしてしまう家庭内感染も見られます。
こういったことを踏まえ、本県としては、今回の大規模接種センターにおける優先接種に保育士も対象としています。そういった小さいお子さんはワクチンがどうしても打てないことがあります。職員から子どもさんに移してしまうリスクもあるわけですので、優先接種を活用して、ぜひ保育士にも早期にワクチン接種を受けていただければと思っています。
(朝日新聞)2点ありまして、まず、酸素投与ステーションの件です。来週にも福岡市内で開設し、県内4か所程度設置というお話でしたが、その進行状況はどうなっていますか。
(知事)まず、陽性者の多い福岡エリアを最優先で進めています。この後、北九州、久留米も調整を進めているところでして、確定次第、またお知らせしたいと思います。トータルとしては、県内で最大200床ぐらいを確保したいと考えています。
県知事として、このステーションを臨時医療施設として、福岡エリア分については既に指定しています。今後の酸素投与ステーションについても、同様に臨時医療施設という指定をしていくことになります。
(朝日新聞)あともう一点、カクテル療法ですが、政府では、一部自宅療養者にも広げるという話も出ているようです。県におけるその実現可能性とか、検討状況を教えていただけますか。
(知事)昨日厚労省がそのようなことをおっしゃっていたと聞いています。自宅療養者に、カクテル療法、ロナプリーブを投与することができるということですが、自宅での投与は駄目だということで、病院に来ていただいて投与をすることになります。
これに当たっては、本県も10名の方を打つ中で、投与後の経過観察を非常に慎重に行っているところです。まだエビデンスが積み重ねられてない中で、1時間でいいのかという問題もあります。万が一の事態が起こらないように、投与後の経過観察も慎重に行う必要がありますし、診療所等で打つとしても、ほかの患者さんとの動線を完全に分ける必要があります。また、診療所に行くまでの移動手段をどうするのかという問題もあります。そういった様々な課題について、少し整理をしていく必要があると思っていまして、本県は、厚労省からも話を聞きながら、そういった課題の整理をしているところです。
(西日本新聞)酸素投与ステーションの件です。来週にも受入れを始め、さらに県内で最大200床の確保を目指しているということですが、逆に言えば、来週以降は酸素投与が必要な方がすぐに入院できない状況にもなりかねないということですか。
(知事)いえ、そういうことではないです。
現在の病床の状況は、入院が必要な方が入院できない状況にはありません。その点は、はっきり申し上げます。その上で、新規陽性者が非常に増えてきているため、こういった状況を見ながら、万が一に備えます。そして、宿泊療養施設あるいは自宅療養されている方で酸素投与が必要になる方に対して入院調整する際に1日ぐらいかかる場合もあります。そのため、そういった方に速やかに酸素を投与する、必要に応じて薬を投与することができるような場所として、今回、酸素ステーションを用意するということです。
(西日本新聞)来週から受入れるのは、患者さんが入ってくるということですか。それとも入ってくる体制を整えるということですか。
(知事)来週から受入れができる体制を、今週中に整えるということです。
(FBS)飲食店の認証マーク制度についてお尋ねです。8月末から認証を開始するという話だったと思いますが、現在の申請状況と認証の進捗を教えてください。
(知事)8月末までに、第1回目の認証を行う予定は変わっていません。
(がん感染症疾病対策課)現在の申請数は、4,760件です。申請いただいたものについて、確認し認証する手続になります。ただ、緊急事態宣言等によりお店に休業要請をしているため、確認がなかなか進んでない、できない状況があります。現在のところ1,000件弱の調査を行っており、きちんと準備しています。
(FBS)既に認証された件数を教えてください。
(がん感染症疾病対策課)まだ認証しておらず、8月末を目途に第1回目の認証を行いたいと思っています。
(FBS)飲食店からは、条件が厳しいため、申請をするかどうかためらうような声も聞かれたりしますが、改めてこの認証制度の意義についてどのようにお考えでしょうか。
(知事)確かに40項目の基準があります。この項目をどうクリアしていくということがあると思いますが、多くの項目は、これまでの業種別のガイドラインに基づくものです。既にそれを実施していただいているお店がかなりあります。本県もこれまで感染防止宣言店のステッカーも実施してまいりました。そのときの基準もあります。こういった基準をクリアしていれば、かなりの項目は適合すると思います。
今後、こういった認証店をお客様も安心して使っていただく。当然、感染をその店で起こさないためにするのですから、ぜひ、認証の基準となる項目についてご理解いただいて、しっかりと対応していただきたいと思います。
今後、国でも認証制度を進め、再びこういう緊急事態措置が起こってはならないとは思っていますが、色々な措置を実施していく中で、この認証制度が普及していけば、認証店についての取扱いをどうしていくのかも検討の俎上に上っていくと思います。そういったことも考えますと、きちっとこういう基準を守っていただくことが基本として必要な部分と思っています。
(終了)