本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ 動画配信しています。
1 発表事項
(1)県民の皆さま及び事業者の皆さまに対する要請の継続について
(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:がん感染症疾病対策課))
※令和3年1月22日から3月31日まで知事職務代理者が設置されているため、今回の会見は職務代理者が行いました。
(服部副知事)新型コロナウイルス感染症対策については、県民の皆さん、事業者の皆さん、医療関係者の皆さんをはじめ、様々な分野で社会を支えていただいている皆さんのご理解とご尽力を賜っていますことに、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。
本日は、3月7日までとしている県民の皆さん及び事業者の皆さんへの不要不急の外出自粛や飲食店の営業時間の短縮要請などについて、県下全域で、3月21日の日曜日まで2週間延長することを決定しましたので、皆さんにお知らせします。
本県が緊急事態宣言の対象区域から解除されることに伴い開催した前回の対策本部会議は2月26日でした。この時点では、緊急事態宣言の最終日として設定されている3月7日より前に病床使用率を含むすべての指標がステージ2相当以下にまで改善すると見込んでいました。このため現在行っている要請の期限は3月7日までとしていました。
現在の感染状況について、新規陽性者数の減少傾向は継続しています。病床使用率は低下傾向にありますが、3月3日は240床でした。3月3日時点でステージ3相当に留まっています。パーセンテージで言うと、3月3日が31.4%です。
この要因は、60代以上の方、高齢者の方の割合が1月時点では22.5%でしたが、2月時点は38.6%と高くなっています。これは、高齢者施設や医療機関におけるクラスターが多発していることに伴うものだと考えています。このため、入院治療の必要な方の割合が高くなっており、12月から1月の実績は20%くらいでしたが、2月の新規陽性者に占める入院治療の必要な方の割合は44%まで上がっています。
このような状況を踏まえ、改めて病床使用率の今後の推移をシミュレーションしました。3月7日時点ではステージ3に留まる見込みとなりました。減少傾向は見込んでいますが、現在、3月7日の段階ではステージ3に留まるということで、国の基本的対処方針に基づき現在の要請措置を継続せざるをえないという判断に至りました。
感染拡大前の平日、土日休日の人出の比較をみると、じわじわと人出が増えてきており、市中感染のリバウンドを警戒する必要があると考えています。
このため、専門家の方や市町村の意見を伺いながら、国との協議を進めたわけですが、引き続き、ステージ2になるまで要請を継続し、徹底的にコロナの感染を抑え込み、リバウンドを防ぐ必要があると判断したものです。
要請の期間については、県の見込みでは、3月14日、149人と書いていますが、この時点でステージ2に下がる見込みを立てています。しかし、緊急事態宣言の対象区域から解除された影響による新規陽性者数、今後の病床使用率の状況を見極める必要があるため、今回の要請期間を2週間延長して21日の日曜日までとしたところです。
県民の皆さん、事業者の皆さんには引き続きご不便とご苦労をおかけすることになりますが、社会全体で感染を防ぎ、リバウンドを防ぎ、コロナを徹底的に抑え込んでいくため引き続きご協力を何卒宜しくお願い致します。
要請内容を改めて申し上げます。3月21日まで引き続き営業時間を5時から21時までとし、酒類の提供は11時からで、オーダーストップを20時30分までとしていただきたい。業種別ガイドラインに沿った感染防止対策の徹底、感染防止宣言ステッカーの掲示により、取組みを実施している旨の明示を分かりやすくしていただきたいと思っています。なお、協力いただいた事業者の皆さんに対して、1日当たり4万円の協力金を引き続き支給したいと考えています。3月8日以降の所要経費については明日、県議会に補正予算を提案させていただきます。事業者の皆さんの申請に係る事務負担を軽くしてほしいというお声があります。このため、今までは各期ごとに申請をしていただいていましたが、今回の第4期に当たる、3月8日から21日までの分を申請する際に、2月8日から2月28日までの第2期分、3月1日から3月7日までの第3期分をまとめて申請することも可能としました。人と人との接触の機会を低減させるためにも、県民の皆さんには、先ほど人出がじわじわ増えているとも申しましたが、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛、三密の回避、身体的距離の確保、マスク、手洗いなど基本的な感染防止対策を引き続き徹底していただくことをお願いします。また、事業者の皆さんには、在宅勤務や、ローテーション勤務の徹底を引き続きお願いします。
先日も申し上げましたが、感染のリバウンド防止が最重要課題です。このため、県民の皆さんには、これから、春、季節が良くなってくると人の移動、色々な会合、イベントが増えてくる季節です。会食は、普段一緒にいらっしゃる人と少人数でお願いします。短時間で、大声を出さず、会話の際にはマスクの着用をお願いします。年度の変わりの行事が多くなります。大変残念ではございますが、今年も、卒業旅行、謝恩会、歓送迎会は控えていただきたいと思います。花見も宴会はなしでお願いします。
県は、県営公園の桜まつりを中止し、花見の宴会の自粛を呼び掛けています。市町村においても同様の措置をお願いすることとしています。何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
高齢者施設でのクラスターがなお発生しているとみています。高齢者施設等の職員の皆さんを対象としたPCR検査を実施しています。これまでに7割弱の施設から延べ8万件の検査申込があっていますが、なお、高齢者施設でのクラスターが発生していることを踏まえ、高齢者施設職員の皆さんにおかれましては、このPCR検査事業を積極的に活用していただきたいと思います。
さらに、新しく国と連携し、感染再拡大の早期探知を目的としたモニタリング調査を3月6日から実施します。詳細については、担当部局から改めて説明します。
県としては、今後とも、病床の追加確保など、医療提供体制の強化、高齢者施設等における感染防止対策の徹底などを図るとともに、新規陽性者の発生状況や変異株の動向、人流の変化などについて、警戒感をもって注視します。ワクチンの接種についても、明日から医療従事者の皆さんに対する優先接種が始まります。市町村の円滑な接種に向けてもしっかり支援をしていきます。これからも県民の皆さん、事業者の皆さんと力を合わせてコロナとの闘いに打ち勝っていきたいと思います。県民の皆さんの引き続きのご理解とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
(記者)3月14日でステージ2に入る見込みですが、状況を見極めるためにもう少し時間をとったということですけど、再延長だったり、期間を短くする可能性はありますか。
(服部副知事)期間を短くするというのは、今からの感染状況や、感染拡大のリスクを本県はしっかりと見極めていかなければいけないと思います。都度都度の状況を分析しながら、また専門家の皆さんや市町村のご意見も伺いながら、判断したいと考えています。今の私たちの見込みでは、3月21日までには、ステージ2以下の状況になると考えていますので、3月21日までを今回の要請の期間とさせていただいているところです。
(記者)引き続き時短営業の要請は延長されることになりますが、応じない店も出てきている話もあり、そういった店に対して、強い措置を行う考えはありますか。
(服部副知事)まずはご協力いただくように、本県は、お願いを続けてまいりたいと思います。時短の協力金が、緊急事態宣言の時と比べますと4万円になり、営業時間は延びても、協力金が減ったということもあります。事業者の方のいろいろな受け止めもあろうかと思いますが、これはやはり、人の命を守る、というコロナの感染防止のための取組みです。ぜひ、ご理解、ご協力いただきたいと考えています。
(記者)状況によっては、再延長はありうるという理解でよろしいのでしょうか。
(服部副知事)分科会の尾身会長もこの季節の、人の動きについては非常に警戒感を持っておられます。昨年はやはり春に、感染される方、陽性になられる方が増えたということもあり、分科会でも、強く懸念を示されています。そのようなことがないように、我々も要請をさせていただいていますので、しっかりと、事業者の皆さんにもお願いをし、また、本県も、感染防止に万全を期して、このコロナの感染再拡大ということがないようにしていきたいと思います。
(記者)ステージ3以下の考え方ですが、これは最大確保病床の20%を含めて取るという考えでよろしいでしょうか。
(服部副知事)本県は努力の結果、国の理論値による最大確保病床である760床を超えて、764床確保しています。よって、比率を出す場合には、764床を分母とした比率の20%ということで考えています。
(記者)25%でみるわけではなくて、20%の方でみるということですか。
(服部副知事)はい、20%の方で考えています。
(記者)それを下回らないと、時短要請も外出自粛も終わらないということですね。
(服部副知事)はい。これは国の基本的対処方針に則ったものです。
(記者)病床稼働率の低下が鈍っており、想定よりも下っていない背景は、施設のクラスターなど発生していることだというご指摘があったと思いますが、無料のPCR検査などの施策も打たれている中で、いまだにクラスター発生が防ぎきれていない理由について、背景などがあるか分析されていれば教えてください。
(服部副知事)はっきりとこういうことが原因であると申し上げることはできませんが、入所型の施設であれば、施設に入っている方は、今、面会等も制限されて、外部の方との接触がほとんどないわけです。どうしても外部の方と接触しないといけない職員の方、あるいは、デイサービスやデイケアなどでお見えになる方といったところからウイルスが侵入してしまうことがあると考えています。それについて、専門的な知見を持った看護師を高齢者施設に派遣して、感染防止対策の徹底を図っています。PCR検査だけではなく、そういうことで協力してクラスターの発生を防いでいきたいと思います。
(記者)確認ですが、21日より前にステージ2以下になって、しばらく経ったとしてもすぐに時短要請などをやめるわけではなく、基本的には21日まで様子を見るということでよろしかったですか。
(服部副知事)その時の傾向をしっかり見ていく必要があります。傾向が非常にいい状況であれば、21日より前倒して解除することも、当然、社会経済活動を上げていくためにも、必要なことだと思います。ただ、リバウンドした場合には、さらに大きな影響が出てくるので、そのようなことを引き起こすことがないように慎重に見極めていきたいと思っています。
(記者)先ほど、8件とおっしゃった、PCR検査により高齢者施設で未然に防いだ例はどういったケースですか。
(がん感染症疾病対策課)お1人見つかったケースで、周りの方を検査して、陰性だったということです。それが分からなければ、周りに広がった可能性があるということで一つの例としてお話させていただきました。
(服部副知事)早期発見できたということです。
(服部副知事)ぜひ、県民の皆さんにはご協力いただきますように、重ねてお願いを申し上げます。よろしくお願いします。
(終了)