本文
この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ 動画配信しています。
(知事)東京に設けているアンテナレストラン「福扇華」が開設からちょうど1周年になります。県においては、イチゴのあまおう、八女茶、博多和牛、それからはかた地どり、天然のマダイ、そして県産の日本酒といった、福岡県が誇る食、それから伝統工芸品などを首都圏において大いにPRしようということで、昨年の11月21日に、東京の千代田区に、昔のふくおか会館があった跡地ですが、アンテナレストラン「福扇華」を開設しました。
店舗に約70席、席がありますが、この1年、連日、ランチ、ディナー、またイベントで多くの皆様にご利用いただいています。今年の12月までに2万人のお客様を見込んでいたわけですが、この9月に、想定よりも早く来店者数2万人を突破したところです。お越しになられた皆さんからは、「天然マダイのしゃぶしゃぶといった、福岡の旬のお魚が非常においしい」、それから、「料理に福岡のお酒がよく合っている」、また、大川組子、それから博多織、小倉織、色々な額装など装飾がしてあるわけですが、「上品な雰囲気の内装がとてもよい」と、高い評価をいただいています。
この間、婦人画報といった全国誌で四季折々の福岡のおいしさを堪能できるお店として紹介されるなど、雑誌やテレビでも多く取り上げられたところです。昨日、私が全国知事会で上京した際、JALのポケットの機内誌に「福扇華」のコーナーが載っていました。非常に心強く思いました。
また、この「福扇華」においては、柳川市といったそれぞれの地域が行う、観光、物産のプロモーションイベント、また、八女茶に関する色々な知識を身につけてもらうセミナー、それから、博多人形の絵付けといった体験型のイベントも行っており、市町村や関係団体においては、首都圏における貴重な情報の発信手段となっているわけです。また、そうやってお客さんが体験型のイベントや、プロモーションイベントで来られたときには、レストランにも寄るということで、レストランのお客様の増加にも寄与しているところです。
今、首都圏に九州各県のアンテナレストランはありますので、そういった評判を博している九州他県のアンテナレストラン、タイアップの企画を含めて、今後このイベントの充実・強化を図っていきたいと考えているところです。
なお、福岡の食、あるいは文化、その魅力をもっと多くの皆様に伝えようということで、ちょうど1年がたった、開設1周年を迎える来週の21日に、情報発信力の高いインフルエンサー、あるいはマスコミの方々にお越しいただいて、私も出席して、1周年記念のレセプションをやりたいと思っています。
これからもこのアンテナレストラン「福扇華」を通じて、食をはじめ伝統工芸品といった物産、観光、歴史・文化、福岡のさまざまな魅力を積極的に首都圏で発信していきたいと思っています。
(記者)「福扇華」開設から1周年たったということで、新しくこんな企画をさらに推し進めていきたいということがあれば、教えてください。
(知事)今、お客さんに、レストランにお越しいただいて、ランチとディナーをやっていますが、1年たってどういうメニューが売れ筋なのかとか、そういったものを整理して、今後、旬とお客様の嗜好をうまく掛け合わせて色々なメニューを展開していきたいなと思っています。
ちなみに、私も、これまでどういうものが評判だったか調べてみました。福岡県産の肉、魚、そういったものを中心に素材として使っていただいていますが、ランチでは、人気順に言うと、玄界灘のひらまさの漬け丼、それから2番は、福岡の旬の魚やお肉を使った週替わり御膳、3番は、はかた地どりの地どり重です。それが人気の順番で1位、2位、3位です。
ディナーでは、1番は、博多和牛や、クエのしゃぶしゃぶが入った懐石コース、今、秋の宴というバージョンが出ています。2番は、天然マダイのしゃぶしゃぶコースです。私も二、三週間前に行って、息子と食べました。3番目は水炊きコースです。そういった売れ筋メニューがありますので、それと旬というもので、よく分析して、今後、充実強化を図っていきたいと思います。
それから、色々なお越しいただいた方々の意見や評判なども把握して、今後に生かしていきたいと思っています。
(記者)情報発信力の高いインフルエンサーを招くということですが、著名な方とか決まっている方がいれば教えてください。
(知事)SNSでフォロワー数が、10万以上のヘアメイクアップアーティストをはじめ、発信力の高い方を今、選んで招待をしようということでやっています。
(福岡の食販売促進課長)あとはファッションモデルさんです。若い方に人気のモデルさんなども予定をしています。
(知事)ヘアメイクアーティスト、ほかにファッションモデルにもお願いします。
(記者)開業前に年間の売り上げで1億8,000万円見込んでいたと思いますが、現時点で売り上げの数字は出ていますか。
(知事)まだまとまっていません。
(記者)日田彦山線ですが、以前、地元の3首長と機会があればお話ししたいと言われていましたが、日程とか決まっていたら教えてください。
(知事)今、地域の方々とJRと直接意見交換というのが始まって、それが重ねられていると。また、これからもそういう予定があると伺っています。そういう積み重なりが非常に大事だと思っていますので、それらの動向を見ながら、その結果も踏まえながら首長さんとはやっていきたいと思っています。
(記者)現時点ではまだ日程は決まってないということですか。
(知事)まだです。むしろ、意見交換とか、そういうことの積み重ねが大事だろうと思っています。
(記者)最近、福岡市とか北九州市で民間からIRの誘致を求める動きが出てきてますが、知事はIRの誘致そのものについて、推進していくべきとお考えか、それとも慎重に考えるべきとお考えか教えてください。
(知事)これは、いわゆる我々国民の代表である国会のほうで、法律を制定して枠組みをつくってあるわけです。そういうもとで、それぞれの地域が具体的にどう考えていくかと、これが基本だと思っています。
おっしゃるように、北九州市、福岡市、民間団体を中心に誘致の動きがあるようですが、今、自治体でどうしよう、こうしようというレベルにはまだなってないと理解をしています。この問題は地域がまずどう考えるか、これが基本だと思います。北九州市、それから福岡市での民間の動き等について、これからも注視をしていきたいと思っています。
(記者)知事ご自身としては、IRというものについてはどうお考えですか。
(知事)IRというのは、いわゆる地域振興・活性化の観点からの、手法の一つだと思いますが、そのために国ではそういう枠組みをつくったわけですから、その枠組みのもとで、それぞれの地域がどう考えるかということで、その際、県としては、まずは、市が、具体的にここで展開しようという地域が、まずどう考えるかということが基本だろうということです。
(記者)最近、福岡で虐待の事件が相次いで発生しており、今月は虐待の防止推進月間でもありますが、今後、県としてはどういうふうに対策を進めていきたいとお考えでしょうか。
(知事)将来があって、無限の可能性があるお子さん、また、いたいけなお子さんが虐待、そういったものと思われる出来事で命を落とされたり、非常に悲惨な状況、また、許しがたい状況があると思っています。
私どもとしては、この虐待がこの社会から一日も早く消えるようにみんなで努力をすべきだろうと思っています。そういう意味では、児童相談所が昼夜を分かたず、今、一生懸命やってきていますが、これまでも弁護士や児童心理司など、そういった専門職の皆さんを含めて体制の強化を図ってきましたが、国のほうではより一層体制の強化を図っていこうということで方針を打ち出してますので、我々としてはしっかり体制を整えながら、また、地域を挙げて児童の虐待が起こらないように、みんなで努力をしていきたいと思っています。
(記者)田川の虐待の件は、田川の児相が把握していた情報が県警のほうには提供されていなかったというような状況があるみたいですが、県を含めて、県警と児相との連携強化の点で、全件共有という形を進めている自治体が出てきてるのですが、それに対する知事の考えをお願いします。
(知事)今、両政令市と県警、県との間で、情報提供について協定を結んでいます。そのもとで情報提供し合っているところですが、具体的な運用の現場でそれが実効性を挙げるようなことをやっていかなければならないと思っています。日々相談をしながらやっているということで、その端緒、発見のタイミングが早ければ早いほどいいわけですから、そういう意味では共通の目的に向かって関係機関と協力、このあり方について、今、一生懸命、議論もしているところです。
(記者)連携強化するやり方は色々あるとは思いますが、その一つとして全件共有という形で、九州では大分県だけが取り組んでいるみたいですが、その弊害というか懸念も児相側は持っているみたいですが、知事としては連携強化をしたほうがいいとお考えですか。
(知事)それぞれが感度をよくしてアンテナを高くしておくということが大事だと思っています。それで、警察のほうからも必要な情報をいただいて、児相は児相で動いてるわけですが、児相に入ってきた情報について、これはというものは今も警察にも通報していますし、それから、児相には警察官に何人か来ていただいて一体となってやっています。
そういう意味で、一件一件の相談があったところ、あるいは通報があったところでしっかり判断をしていくということ、互いに情報を共有していくというのを一個一個積み重ねる作業が今大事だろうと思っており、今までのやり方でよかったかどうかということも含めて、今、児相のほうにも話をしているという状況です。
(記者)先週あった九州地方知事会の翌日の九州地域戦略会議で、経済連合会の会長の麻生会長が、ツール・ド・フランスのようにツール・ド・九州を進めたい、来年2月のプランに盛り込むとお話しされていました。広瀬会長もその場で、福岡県が先進的な取り組みをしてることもあってそういう話になったと言われてましたが、県として何か取り組みをされているのですか。
(知事)もともとこの地域戦略会議で、いわゆるサイクルツーリズムというのが今後の観光振興の一つの柱にもなると福岡県は考えており、九州各県、山口も含めて呼びかけて、九州のモデルルートをつくろうということで今、作業をしています。隣接の県と一緒になって、どうやってつなぐかとか、そういう議論を今やっていて、できるだけ早く九州のモデルルートを樹立して、それを大いに発信をしていって内外からお客さんを迎えたいと、そういう作業を今やっていたわけです。
今回、ラグビーのワールドカップがあり、大勢の皆さんが来られたということを皆さん実感され、国際的なイベントが九州でできればいいなという思いから、経済界の皆さん方が、九州・山口一体となった自転車大会、通称、仮称かもしれませんが、ツール・ド・九州といったものの開催が有用ではないかと、その検討について提案をなされたわけです。
福岡県が、各県に呼びかけて取り組んでいたところから、福岡県のほうで関係各県に集まってもらって、また経済界も入って検討を進めてもらいたいということになったわけです。
この大会を開催するといった場合に、色々課題もあろうかと思っています。期間中、一定期間、公道を自転車で走って周りにお客さんも来るわけですので、いかに安全性を確保するか、そのための環境整備や交通規制をやらなければなりませんが、それが経済活動にどういう影響を及ぼすかなど、さまざまな課題があると思いますので、そういった課題について九州・山口各県、そして経済界の皆さんと、まずは事務レベルで内容を整理していきたい、課題の整理をしていきたいと思っています。
(記者)宗像市の保育園の副園長が傷害で逮捕された件ですが、副園長が6歳児の園児に対して2週間のけがを負わせたとか、保育園の保育士に対して平手打ちして全治5日のけがを負わせたということが報道されていますが、県として、今後、そういった閉ざされた教育現場で起きること、なかなかどこまでが指導なのか体罰なのかという線引きは非常に難しいと思いますが、県として、今後、情報収集ですとか管理指導体制について、どういうケアをしていきたいのか伺えますか。
(知事)まずは本件について言えば、起訴された事案については、私ども福岡県に最初情報が入ってきたのは7月上旬です。宗像市から、保護者が被害届を提出して、警察が今、捜査に入ったという旨の報告を7月の上旬に受けました。捜査が入っておりますので、以降、その捜査の状況を県としては見守っていたという状況です。
それから、保育士の方に対する傷害容疑、これについては私どもは把握をしておりません。と申しますのは、保育園の運営について、県と市に指導権限がありますが、職場におけるいじめやハラスメントといった労働問題にかかわってくる問題については国の労働局の所管になると思いますので、その辺のところがよくわかってないところがあります。いずれにしても、司法当局が動いていますので、そこを見守っていきたいと思います。
その上で、県としては、今回の保育園の事件ということを考えると、児童福祉法に基づいて、特別指導監査、これを宗像市と合同で当該保育所に行うこととしています。そこでやらないといけないことは、指導なのか体罰なのかとか、その辺の線引きとかいうところがありますので、まずは事実の確認、それから、なぜそういった事実が起こったのかと、その要因、背景、そういったものをしっかり分析、調査をしまして、それに合った形での法律に基づく指導というものをやっていきたいと思っています。
(記者)特別監査というのは、いつ、どういう形でする方向ですか。
(子育て支援課)特別監査の日程については公表を差し控えさせていただきますが、速やかに実施していきます。
(記者)今月中ということですか。
(知事)できるだけ早く行います。
(記者)保護者から被害届が警察に出されて、今、それを見ているということですが、保護者などから県に対して、こういうようなことが行われているよという声は直接上がってきていますか。
(知事)今回の起訴事案については、宗像市からの報告が、県が情報に接した最初です。ほかに保護者からあったかと言いますと、今回の起訴された事案とは別の事案ですが、保護者から苦情が県にあり、宗像市と合同で、9月上旬に聞き取り調査をやりました。その件につきましては、副園長が園児の背中を押したということを本人が認め、保護者に謝罪をしています。そのため、そういうことがないようにということで、再発防止について指導して、その件は終わっています。
(記者)9月上旬に1件だけあったということですか。
(知事)それだけです。
(記者)今の日の里西保育園のことで補足でお聞きしたいのですが、2016年から県と市が監査で指導もされているということですが、この指導内容というのは、今回の虐待につながるような、それを予見させるようなものだったのかお聞きします。
(子育て支援課)平成27年度の3月に特別指導監査を実施しています。そのときは園児を激しく厳しい口調で指導するというようなことが問題となっていました。それについての指導を行って、翌年度の7月にもう一度、その事実確認というか、状況確認のために立ち入り検査も行って指導をしています。
(記者)激しく、厳しくというのは、児童は一人、いわゆる被害者と言われる児童は一人だけですか。
(子育て支援課)個別の事案については今現在、お答えはできません。
(記者)最初の特別指導でもう少し立ち入った検査なり防止策を講じていれば今回のような事案を防げたのではないかと思いますが。
(知事)そのときの保護者の申し立て、ないしはお話、それから園側のお話、それらを実際に入っていった職員が確認をして、事実を確定して、その再発を防止するため何がいいかということを判断し、行っています。それでおさまっていたわけですので、そういう意味では、その時点でやるべきことはしっかりやったというふうに理解をしています。
(記者)その監査の特別指導のきっかけというのは、やはり保護者からの通報ということですか。
(子育て支援課)保護者等からの相談があっていたということで実施しています。
(記者)保護者等ということは、例えば、職員とかということですか。
(子育て支援課)関係者です。
(記者)今月に入って国会で首相の「桜を見る会」の行事に招待している対象がどうなのかという野党の質問があったりしていますが、知事自身は「桜を見る会」に参加されたことがありますか。
(知事)私は現役の国家公務員のとき官邸で働いていましたので、その関係で出席はしていましたが、知事になってからは行っていません。
(記者)一部報道されている、自分の後援会の会員を大量に招いて、公金、税金を使って接待してるんじゃないかという批判がありますが、そういったことについて知事としてはいかがでしょうか。
(知事)具体的にどういう方をどういう基準で招待されているか、私、全くつまびらかにできませんので、今のご質問に対してはお答えのしようがありません。
(記者)児相と警察との情報共有について、全件共有することも含めて今、検討しているということですか。
(知事)まずは今、一個一個の相談事案や児相に入ってきた案件、それらについてより問題意識を持って通報について考えていく、まずそれをやっていきたいと。それとあわせて色々話を関係者とやっていきたいということです。
(記者)県の情報公開の制度の仕組みですが、今、紙ベースでの文書については電子媒体での開示を県はやっていなくて、全て紙でしか出さないという制度になっており、今の時代にそぐわないかなと感じるのですが、知事として、今後、これを改正していくような考えというのはありますか。
(知事)もともと情報公開制度というのは、公文書をありのまま開示をするということが基本だろうと。それが基本的な考え方で今まであったわけです。その写しについても、極力、公文書の原本に近い形で開示をするということが今、大原則になってると思います。一部おっしゃったような自治体が出始めています。一方で、公文書もどんどん電子化が進んでいますので、そういう中にあって情報開示ということについて、いわゆる電子データによる開示がこれから増えていくんだろうと思いますが、今、現段階で原本が紙の公文書の写しを全部電子データで提供することを直ちにやることは考えていません。
(終了)