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この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。
この知事記者会見録の模様は、 ふくおかインターネットテレビ 動画配信しています。
1 発表事項
(1)まん延防止等重点措置の要請について
(新型コロナウイルス感染症対策本部(事務局:がん感染症疾病対策課))
(知事)先ほど、本県の新型コロナウイルス感染症対策本部長として、特措法第31条の4に基づき、西村大臣にお電話しまして、まん延防止等重点措置を要請する旨をお伝えしました。西村大臣からは「承った。現在国も福岡県の感染状況等を危機感を持って見ている。さらにこの数値を分析し、機動的に対処する。今後とも連携して取り組んでいこう。」というお言葉をいただきました。本日、午前中に県と北九州市、福岡市、久留米市、そして市長会、町村長会の6者で緊急の共同会見を開き、県民の皆さんに対し、このゴールデンウィーク期間を「特別集中期間」として、注意喚起を行ったところです。本県は、4月20日から県民の皆さんに日中も含めて不要不急の外出自粛、そして飲食店等の事業者の皆さんには営業時間の短縮という強い要請をしてきました。早め早めに手を打つということで、県民の皆さん、事業者の皆さんには大変ご苦労、ご不便をおかけしますが、このような要請をしました。併せて病床の確保、また宿泊療養施設の確保等を進め、医療提供体制の強化を図ってきました。要請を行った20日から本日で12日目になります。この数日間、440名の過去最高の新規陽性者が確認されましたが、その後も300人代の陽性者が出ています。今日も陽性者数が352名になっています。なかなか減少傾向が見えてこないということで、残念ながら4月20日からの県、市町村共同での強い要請措置については、効果が十分に現れてきているとは言い難い状況であると判断しました。病床についても、昨日発表しましたように、921床を確保しています。しかし病床使用率も昨日時点で49.4パーセントと直ちに病床がひっ迫する状況ではありませんが、今後の入院者数を考えると、今までの傾向からも、新規陽性者数のピークから1、2週間後に入院者数のピークが現れてくる傾向にあります。こういうことを考えると、今が約50パーセントですので、今後さらに病床使用率が高まる、予断を許さない状況にあると考えています。このようなことも踏まえ、本日、午前中の6者緊急共同会見のあと、協議の場を設けました。その場において、本日の陽性者数についても300名を超える見通しであるということも踏まえて、市町村の皆さんの総意として、「まん延防止等重点措置を国に要請してほしい」という話がありました。また昨日は、県医師会の松田会長も記者会見において、緊急事態宣言まで言及され、より強い措置が必要であるという見解を示されました。このようなことから、県としましても、本日、西村大臣に対し、まん延防止等重点措置を要請するという意向をお伝えしました。今後、この措置の時期、内容について、我々も具体的に検討し、また国とも協議を進め、早急に詰めていきたいと考えています。
(記者)内容については検討し詰めていきたいということですが、基本的にはまん延防止等重点措置が適用されれば、時短営業が1時間前倒しされると思うのですが、どうお考えですか。
(知事)重点措置区域をどこにするかがまずあると思います。当然福岡市、久留米市の両市が対象区域になることは必要なことだと思います。その他の区域については、今の感染状況、感染経路や原因等を分析のうえ、国とも協議をしていきたいと思います。その上で、重点措置区域については、営業時間は20時までということになります。
(記者)現時点では営業時間短縮という以外に、県として特別に何か考えている措置はあるのでしょうか。
(知事)そのようなことについても、具体的に検討していきます。
(記者)午前中の会見で、あと数日間見るようなニュアンスでとらえていたのですが、今日の300人超えで決めたというのはもともとそういう考えがあったのでしょうか。
(知事)いや、そういうことではありません。陽性者数が一昨日は337名、昨日は305名と、少し減少傾向にありました。今日の傾向がどうなるのかということが非常に重要な分岐点になると思っていました。今日の新規陽性者数は352名です。昨日一昨日よりも増えているという傾向になりましたので、いち早く判断しました。
(記者)午前中の会見でもありましたが、緊急事態宣言よりも、まん延防止等重点措置を先に要請したというのは何か理由があるのでしょうか。
(知事)まん延防止等重点措置は、県内で対象区域を特定するのに対し、緊急事態宣言は県内全域が対象になります。本県の感染状況を見ると、県内各地域においてかなりの差があります。このような状況を見たときに、まずはまん延防止等重点措置を採ることが適切であると考えています。
(記者)まん延防止等重点措置は、時短営業の協力金は、現在県が独自でやられている協力金と制度設計や金額が異なってくると思うのですが、すでに福岡市や久留米市は県のほうで独自で時短の協力金を設定されていると思います。これからまん延防止に久留米や福岡が入ってきた時、協力金の設計はどのようになるのでしょうか。
(知事)今は営業時間を21時までの設定で単価設定しているので、まん延防止等重点措置となれば、その単価は上がってきます。具体的には、今は2万5千円からとなっていますが、これが3万円からとなります。
(記者)国が設定している協力金に準じて引き上げる考えになるということですか。
(知事)まん延防止等重点措置になれば、当然国の単価になります。
(記者)西村大臣にまん延防止等重点措置を要請する意向を伝えたとおっしゃったと思いますが、今日要請したということでよろしいですか。
(知事)「まん延防止等重点措置について要請する」ということをお伝えしました。ただ、正式には国と区域や期間について協議が必要になりますので、その上で文書にて要請することになると思います。これは、事務方同士で内閣府と協議の上、出来るだけ速やかに行いたいと考えています。
(記者)大臣からいつごろ決定するといった目途は示されたのでしょうか。
(知事)そういうお話はありませんでした。機動的に対処するというお話でした。ただ、福岡県の状況について、西村大臣としても国としても、非常に危機的な状況であるという認識をお持ちであると受け止めました。
(記者)まん延防止等重点措置の適用時期は、大型連休中に適用される場合も考えられるということですか。
(知事)本県もこのような要請を決定した以上、出来るだけ速やかにお願いしたいと思っていますが、国の日程や本県の地域ごとの感染状況等を分析されるということですので、そういう時間も必要になると思います。出来るだけ速やかにご判断いただきたいと考えています。
(記者)まん延防止等重点措置に指定された区域は時短要請の命令が出来ることになると思いますし、場合によっては過料を科すこともできると思いますが、実際に指定した地域に対して、協力していない店にはそういった措置に踏み込む考えがあるかお聞かせください。
(知事)必要であれば、行政として法律上で認められている措置をとっていくことになると思いますが、それ以前に我々が時短を要請することの必要性を丁寧に説明して、協力をいただくことがまずは必要だと思っています。
(記者)まん延防止等重点措置になって時短要請をしても、時短要請の時間としては1時間くらいで、今やっている対策との違いが出せるのかと感じますが、まん延防止等重点措置を要請した意味はあるのでしょうか。今の対策以上の効果が出せると考えているのでしょうか。
(知事)福岡市、久留米市については営業時間が1時間早まるということになります。県内のその他区域に関しても、営業時間短縮の協力要請を行うことになります。具体的にイメージしますと、仮にまん延防止等重点措置の対象区域が福岡市と久留米市だけとすると、重点措置の対象区域は20時まで、それ以外の協力要請区域は21時までと、全県的に営業時間の短縮要請がかかるということになり、飲食の場における感染リスクの低減効果が大きくなると思います。また、本県がまん延防止等重点措置の対象区域になることによって、他県からの人出も抑制できるという効果もあるかと思います。この連休中も東京や大阪といった緊急事態宣言区域から本県への旅行または帰省についてはお控えいただきたいと思っています。ANAやJAL、JRはキャンセル料を無料にするという措置が取られるということですので、ぜひ、それも活用していただき、今からでも本県への来訪をゴールデンウィーク期間中も見合わせるという判断をしていただければと思っています。
(記者)西村大臣との話では、まん延防止等重点措置の適用に向けて手続きを進めるというような前向きな受け止めでしたか。
(知事)私はそのように受け止めています。具体的な手続きの話はしていませんが、大臣は機動的に対処したいと話していましたので、本県の必要性、緊急性を十分に受け止めていただけているのではと思っています。
(記者)国の手続きもあると思いますが、西村大臣からは28日に時短を20時までに前倒ししてはどうかという話があったと思いますが、まん延防止等重点措置が適用されるまでの間、独自で対策を強化されるお考えはありますか。
(知事)それはこれから検討していきます。
(記者)先ほど時短の効果が十分に上がっていないという話がありましたが、その原因について、例えば変異株がまん延しているとか、具体的な理由は何でしょうか。
(知事)今日、久留米の大久保市長も北九州の北橋市長も変異株の感染力の強さ、感染の広がりのスピードの速さに対する警戒感をおっしゃっていました。変異株によって、例えば家族の一人が感染し、そのご家庭全員が感染する、職場でのクラスターが発生するということが起きており、感染力が強いと思います。こういう影響がないとは言えないと思います。それと人出、人流がなかなか減らないので、呼びかけの中でも、不要不急の外出を自粛する、これまでの我々の行動をもう一回見直し、そして行動自体の変化を我々自身が気を付けていかないと、飲食店の時短だけではこの感染を防ぐことはできません。不要不急の外出や県境をまたぐ移動については、慎重に判断していただきたいと考えています。
(記者)結果論になってしまいますが、変異株が手ごわいというのは、大阪を見てもそういう状況だとわかっていたと思いますが、独自の対策で感染拡大が食い止められなかったということ、その手前ですばやく強い措置をしておけばよかったという見方もあるのですが、知事はどうお考えですか。
(知事)19日に発表した措置は、外出自粛について夜間に限らず日中も不要不急の外出は控えてくださいという非常に強い呼びかけでした。また、飲食店についても経営上大変ですが、営業時間の短縮やお酒の提供時間を短くしていただくというお願いをしています。本県としては、対策はそのときの感染の状況を踏まえて早め早めに打っていますし、かなり強い措置をお願いしてきたと考えています。
(記者)感染状況は地域に偏りがあるという説明は最もだと思いつつ、外出がなかなか収まらないという現状から言うと、飲食店以外の場所に対して、閉めてもらう必要があるのではないかと思いますが、どうお考えですか。緊急事態宣言により飲食店以外の施設への対応を強化したほうがいいのではないかと思います。大規模クラスターを抑えるという意味では必要だと思うのですが、知事の判断はどうですか。
(知事)そういったご意見もあると思いますが、まん延防止等重点措置はかなり強い措置ですし、その措置によりまずコロナを封じ込めていきます。地域的に見て、北九州などは今の段階はかなり少ないです。こういう地域は、福岡市と差があるということだと思いますので、地域によって措置の濃淡というのがあってしかるべきかなと思います。
(記者)そういう陽性者が少ない地域もまん延防止措置となったら、21時までの時短になりますか。
(知事)協力要請を出すことになります。もちろん、それすらもしないという判断もありますが、そこは本県は検討していきたいと思います。
(記者)午前中の会見の中では、新規感染者数と病床使用率等を見て、総合的に判断していくとおっしゃっていましたが、今回、午前中にそういうお話をし、夕方に要請したということについて、要請に踏み切るにあたり一番重視したことはどういったところでしょうか。
(知事)新規陽性者数が350名を超えるという状況になり、一昨日、昨日よりも増えているという状況です。これがかなり少ないという状況であれば、しかも連休中に入っていますので、また、別の判断もあったかと思うのですが、陽性者数が増えているということで、病床のひっ迫度合いも、300あるいは300半ばの新規陽性者がずっと続きますと、病床の使用率が7割、あるいはそれ以上という状況にもなりかねません。これを見て、早急に判断をする必要があると考えたわけです。
(記者)350人、400人という数字はかなり大きな数字で、病床も5割超えてステージ4に入っているという状況なので、例えば、まん延防止等重点措置を経由しないで緊急事態宣言に早めに移行するところもあるので、早めに強力な措置を行ったほうが、早めに収まるのではないかという見方もありますけど、まん延防止等重点措置をまずやってという形がベストですか。
(知事)本県の場合、地域ごとの感染状況の差がかなり大きくあります。このようなことを考えた時、まん延防止等重点措置で地域を特定して対応することが効果的だと考えています。
(記者)感染者がおさまらず数が上がっているというお話でしたが、飲食店の時短要請と20日から要請している外出自粛はちょっとタイムラグがありますけど、今回の判断は、21時までの時短要請の効果も加味した上でまん延防止等重点措置に踏み切ったということでよろしいのでしょうか。それとも20日からの県民の外出自粛の効果でなかなか数字が下がらなかったから、まん延防止等重点措置に発展したということでしょうか。
(知事)スタートとしては、20日から不要不急の外出自粛の呼びかけを始めたわけですけど、そこから12日経過して、その数値がこういうことになりました。また、やはり人出が減っていません。どうしても人と人の接触機会を減らすに至っていない状況です。
(記者)それとまん延防止等重点措置の適用スタート時期はまだちょっと分からないと思いますが、始期と終期についてお考えはありますか。
(知事)本県の県単措置が19日まであります。19日でまん延防止等重点措置も終わること、そして感染を抑え込むことができるという状況になることが一番いいと思います。まん延防止等重点措置のスタート時期もあり、あまりこれが短期だと効果も出てこないということになりますので、始期・終期について、国としっかり協議していきたいと思います。
(記者)人出が減らないということでいうと、飲食店は97%以上既に協力してもらっているので、そこで飲食店に対する対策で人出が減るということが腑に落ちないのですが、それは福岡市、久留米市以外のその他の地域にも広げていく検討をすることでその効果をだしていくか、あるいはまん延防止等重点措置の要請が飲食店かもしれないけど、それ以外への働きかけによって効果をだしていこうというのか、どう考えたらいいのでしょうか。
(知事)まん延防止等重点措置を国に要請し、その適用を受けるということで本県がそのような厳しい感染状況にあると認識していただくという効果がひとつあります。それと、私たち自身の行動を自らが変えていく。そして、自粛すべきは自粛していく。どうしても必要な外出・買い物以外の外出や移動は控えようとそれぞれが考えて、責任ある行動をとっていくということが基本であり、またそれに尽きると私は思っています。是非それをお願いしたい。そういうことから今日異例の6者共同緊急会見をしましたので、県民の皆さんに、是非ご理解いただきたいと思っています。
(記者)まん延防止等重点措置を要請すること自体がメッセージになるということですか。
(知事)そうです。
(記者)先日聞いたときはまだまん延防止等重点措置をどうするかという前だったと思うのですが、現状では聖火リレーを11日、12日にやりますということですが、もし適用されると、聖火リレーは福岡市は久留米市でも実施すると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
(知事)まん延防止等重点措置については、国が判断される時期はいつかという問題がありますが、本県として福岡市や久留米市を重点区域から外すということはまず考えられません。そう考えますと、両市域内における公道の聖火リレーは、極めて難しいのではないかと考えています。また、セレモニー会場においても、やはり三密の回避を徹底する、場合によっては無観客ということも考えざるを得ないかもしれません。私自身としては、そう思っています。ただこれは、5月6日に実行委員会の皆さんとの協議のうえで決定するということですので、今の私の考えは、今日まん延防止等重点措置を要請した段階での考えになります。
(記者)福岡市、久留米市は全面中止じゃなくて、少なくとも公道ではできないというイメージでよろしいでしょうか。
(知事)やり方は色々あると思います。ランナーとして予定されている方の想いもあると思います。できる限り、トーチを持って走ることができる方策を探り、またできるだけ実現していきたいと思います。
ただ、公道を走るとなると、どうしても沿道は観客を強制的に排除できませんので、非常に感染のリスクが高くなります。こういうことを考えると、福岡市、久留米市については公道でのリレーはなかなか難しいのではないかと考えています。
(記者)大臣に要請した時間帯は、何時ごろになるのでしょうか。
(知事)時間は、午後2時前ぐらいでした。
(終了)