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シュレッダー古紙等をリサイクルした園芸用培養土の製造・販売開始!
シュレッダー古紙等をリサイクルした園芸用培養土の製造・販売開始!
~福岡県リサイクル総合研究事業化センターの共同研究事業成果~
- 本県が設立した(公財)福岡県リサイクル総合研究事業化センターでは、リサイクルシステムを社会に定着させるため、産学官民による研究開発やその事業化を支援しています。
- 同センターの支援のもと、(株)大石物産と九州大学の研究チームは、事務所等でコピー用紙を破棄した際のシュレッダー古紙、浄水場の浄水ケーキ※1、規格外の園芸用軽石を原料としてリサイクルし、九州大学で発見された有用微生物「トリコデルマ911菌※2」を添加して、作物の生育促進に効果がある新たな土壌改良資材(土壌サプリメント)を開発しました。
- シュレッダー古紙や浄水ケーキはこれまで主に焼却・埋立処分されていましたが、これらを適正に混合することで、シュレッダー古紙は菌の栄養源として、浄水ケーキは菌のすみかとして機能し、作物育成に効果的な土壌改良資材となり、廃棄物の削減にもつながります。
- 研究成果をもとに、(株)大石物産はこの土壌サプリメントを配合した一般家庭向けの園芸用培養土「実のなる野菜の土」を製造し、明日(3月9日)から県内のホームセンターで販売が開始されます。
- 県では、同センターを通じて、今後も研究開発を支援し、新たなリサイクルシステムの構築を推進します。
(※1)浄水ケーキ:浄水場で発生した土砂等の沈殿物を濾過・沈殿後に脱水・乾燥したもの。
(※2)トリコデルマ911菌:九州大学で発見された有用微生物(善玉菌)。土壌病害の原因となる病原菌や線虫類を滅し、土壌中の有機物分解による作物の栄養吸収を助ける作用がある。911株は悪玉菌への攻撃力が強く、紙質の繊維質の分解も強力で、古紙を利用した培養にも成功。高温環境(45℃で15時間)に対する耐性も獲得している。
1 研究成果(土壌サプリメントの開発)
以下の原料を組み合わせ、土壌病害の抑止や作物の生育促進に効果がある
土壌サプリメントを開発
● 園芸用培養土「実のなる野菜の土」の販売開始
<販売開始日> 3月9日(水曜日)
<販売店> ホームセンターサカモト
(久留米市東川合2丁目1-5)
※今後も販売店を拡大予定
<価格> 598円/袋(20リットル)
<特長> トリコデルマ911菌を含む
土壌サプリメントを配合した
園芸用培養土。トリコデルマ
911菌の作用により果実の増大
と連作障害の軽減効果に期待。
<適用作物> 野菜全般
2 福岡県リサイクル総合研究事業化センター研究会の概要
研究会の名称及び研究期間
(1)「浄水汚泥を利用した農業用高機能資材の開発に関する研究会」(平成28年度から平成29年度)
(2)「リサイクル資材と微生物を活用した土壌改良材の開発研究会」(平成30年度)
(3)「園芸用軽石を活用した新規微生物農業用資材の開発」(令和元年度から令和2年度)
※本商品は3つの研究会を経て開発
福岡県リサイクル総合研究事業化センターは、関係者をコーディネートし、研究費の一部を支援
研究チーム
-
株式会社大石物産[八女市]:(2)、(3)の研究代表者。土壌サプリメントを用いた栽培試験と
商品化を担当 -
国立大学法人九州大学[福岡市]:(1)の研究代表者であり、(2)、(3)は共同研究者として参画
トリコデルマ菌の品質調査等を担当 -
福岡県農林業総合試験場[筑紫野市]:(3)にアドバイザーとして参画。土壌サプリメントの効果
検証(実地試験)の技術的支援、農家への協力要請等
を実施
研究目的
- 資源リサイクル化が進んでいないシュレッダー古紙、浄水ケーキ及び規格外の園芸用軽石の有効活用
成果
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浄水ケーキに有用微生物トリコデルマ911菌を付与・固定し、栄養源としてのシュレッダー古紙、保存性向上のための規格外の園芸用軽石を混合した新たな土壌サプリメントを開発
-
土壌サプリメントを用いた栽培試験で、土壌病害の抑止効果、苗の生育及び作物の収量増大効果を確認(令和2年6月に製法特許を出願中)
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土壌サプリメントを配合した園芸用培養土の販売企画を実施
【関係連絡先】
株式会社大石物産 品質管理室長 大石 倫斗
〒834-0066 福岡県八女市室岡1213番地2
TEL:0943-24-5032
国立大学法人九州大学 熱帯農学研究センター 准教授 松元 賢
〒819-0395 福岡市西区元岡744
TEL:092-802-4834
公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センター(担当:研究開発課 前田、寺本)
〒808-0135 北九州市若松区ひびきの2番1号 産学連携センタービル4階
TEL:093-695-3068