県内経済の動向 −平成17年1月−
概要
福岡県の景気は、消費は持ち直しの動きが緩やかになっているものの、輸出や生産は増加が続き、全体としては回復が続いている。
県内経済の先行きについては、輸出や生産の増加を背景に景気回復が続くと見込まれる。なお、為替レートの動向等には留意する必要がある。
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1生産
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鋼材不足による一時的な減産で自動車が大幅に減少したものの、鉄鋼業は堅調に推移し、一般機械も増加するなど、生産全体としてはおおむね増加基調が続いている。
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2貿易
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輸出は、中国向けに加え、韓国向けもこのところ大幅に増加するなどアジア向けが好調に推移する中、北米向けも5か月連続で前年を上回っており、全体としても増加が続いている。
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3消費
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全体としては、持ち直しの動きが緩やかになっている。
需要動向をみると、経常収入は増加基調が続いている。一方、消費支出はサービスへの支出を中心に増加が続いているものの、伸びが鈍化している。消費者マインドは弱まっている。
販売動向をみると、スーパー販売額や百貨店販売額は弱い動きが続いているものの、新車登録台数はおおむね前年並みとなっており、家電販売額は5か月ぶりに前年を上回っている。旅行業取扱額は国内旅行の減少により2か月連続で前年を下回っている。
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4設備投資
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平成16年度の投資額は製造業、非製造業ともに前年を上回る投資が計画されており、全体としても4年ぶりの増加が見込まれる。
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5住宅投資
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分譲住宅が減少しているものの、貸家は好調に推移するなど、全体としては増加が続いている。
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6公共投資
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公共工事請負額は、総じて低調に推移している。
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7企業景況
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大企業においては前期に比べて悪化しているものの、中小企業においては改善している。
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8企業倒産
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倒産件数は、12月は1年5か月ぶりに前年を上回ったものの、平成16年計は、平成4年以降で最少となっている。
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9雇用
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完全失業率は高水準で推移しているものの、雇用者は前年同期と比べ6四半期連続で増加している。また、新規求人数は引き続き前年を上回り、有効求人倍率も上昇するなど、全体としては改善の動きがみられる。
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10物価
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消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、4年11か月連続で前年を下回っている。
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11金融
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金融機関の貸付金残高は、前年を下回って推移している。
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参考
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株式相場(日経平均株価)は、米国株高を受け12月中旬以降上昇していたが、このところ横ばいとなっている。
(日経平均株価 平成17年 1月 27日現在 11,341.31円)
(日経平均株価 直近の最高値 平成17年 1月 11日現在 11,539.99円)
○
対米ドル円相場は、ドル安基調が続くとの見方から11月中旬以降円高傾向となっており、このところ102円から105円の間で推移している。
(対米ドル円相場 平成17年1月 27日現在 103.23円)
○
長期金利は、このところ1.3%台で推移している。
(新発10年国債利回り 平成17年1月 27日現在 1.335%)
○
原油価格は、需給逼迫感などから4月中旬以降急騰し最高値の更新を続けていたが、このところ落ち着きを見せている。
(原油価格(WTI) 平成17年1月 26日現在 48.78ドル/バレル)
(最高値 平成16年 10月 22日終値 55.17ドル/バレル)
(平成16年
4月平均 36.62ドル/バレル)
(原油価格(ドバイ) 平成17年1月 27日現在 40.60ドル/バレル)
(平成16年
4月平均 31.31ドル/バレル)
○ 米国株価 NYダウ 平成17年1月 27日現在 10,467.40ドル
ナスダック 平成17年1月 27日現在 2,047.15
注)景気動向の判断に用いている主要経済指標については、指標毎に調査・集計時点(月)が異なるため、複数の指標を比較して利用される際にはご注意下さい。










