県内経済の動向 −平成15年3月−
概要
福岡県の景気は、輸出は引き続き増加しているものの生産は横ばいで推移しており、改善の動きは依然緩やかである。 ・ 輸出は、自動車や鉄鋼が前年を上回って推移しており、アジア向けや北米向けを中心に増加が続いている。 ・ 生産については、自動車や鉄鋼業は好調であり、減速感が続いていた電気機械も3か月ぶりに前月を上回ったものの業種間に明暗がみられ、生産全体としては引き続き横ばいで推移している。 ・ 消費については、全体としては横ばいで推移している。 需要動向をみると、勤労者世帯消費支出は一進一退で推移している。 販売動向をみると、スーパー販売額は3か月連続で前年を下回っており足元で弱い動きがみられ、百貨店販売額は横ばいで推移している。新車登録台数は、軽自動車は低調であるものの、小型車は堅調に推移し、普通車も緩やかに改善するなど全体としては底堅さがみられる。 ・ 設備投資は、自動車関連など一部の業種に積極的な投資がみられるものの多くの業種では慎重な姿勢が続いており、全体としては低調に推移している。 住宅投資は、持家、貸家は前年に比べ増加したものの、分譲住宅が大幅に減少しており、全体としては依然弱めの動きが続いている。 公共投資は3か月連続で前年を上回っているものの、総じて低調に推移している。 ・ 企業景況は、改善の動きが続いているものの鈍化がみられ、総じて厳しく推移している。 ・ 雇用情勢は、全体としては引き続き厳しい状況が続いているものの、新規求人数は前年を上回って推移しており、完全失業率は前期よりも改善している。 ・ 倒産件数は、2か月連続で前年を上回っている。 県内経済の先行きについては、アメリカ等のイラク攻撃により世界経済の動向に強い懸念が生じる中、我が国の株価も低迷するなど一層不透明感が増していることから今後の動向に十分留意する必要がある。 参考 ○ 国際政治情勢等の不透明感から、株式相場は軟調に推移し、為替相場は2月中旬以降円高・ドル安局面にある。 (日経平均株価 3月20日現在 8195.05円) (対米ドル円相場 3月20日現在 119.87円) ○ 原油価格は、イラク情勢の緊迫等から上昇基調で推移し、2月下旬には1990年秋以来の水準となった。 ○ 米国株価 NYダウ 3月21日現在 8521.97ドル ナスダック 3月21日現在 1421.84